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『アイカツ!ミュージックアワード』に見る「映画館」という場所と今のライブ形式な映画について

アイカツ!135話視聴。神戸からやってきたアイドル、栗栖ここねの初登場回だったんだけど、「CV:伊藤かな恵」で「クリス」で「アイデンティティ崩壊」って『プリティーリズム』を思い出さずにいられるか! 「CV:伊藤かな恵」というだけで「おいおいマジかよ。いくらメインキャラから外れたっていっても、アイカツ!攻めてんな……」と思ってしまうのに、「久里須かなめ」と同じ音の「栗栖」、程度が違うとはいえ「世界の広さを知ってアイデンティティの崩壊」という作劇のヘイン要素にはもう笑うしかない。一つだけでも十分なのに、いくつも重なると笑わない訳にはいかないわ!
でも本人の人格に視点を向けてみると、初恋だと自覚した上で四葉さんの後を追いかけてアイドルになっていたりと主人公力は結構高いんだよなぁ、ここね。「好きなアイドルに会うためにアイドルに!」というのは『きらりん☆レボリューション』もそうなんだけど、『きらレボ』もそうであるように「初恋に一通り決着を付けた上で、今アイドルとして活動している」という流れになっていていい流れだったと思う。
しかしここねママのガチアイドルファンっぷりは見ていて面白すぎる。四葉さん、まさかあんなに人気のあるアイドルだったとはな……。



ダンシングディーヴァ、情熱!ハラペーニョ、スキップスという三つのユニットが生まれ、4月から展開されていたユニット編も一段落ついた『アイカツ!』。135話からは神戸のアイドル学校、エトワール学院から交換留学生として栗栖ここねが登場し、作品に吹きこまれた新たな風として注目を集めているが、そんな『アイカツ!』で「夏のビッグニュース」として『劇場版アイカツ!』の第二弾が発表された。
その劇場版第二弾のタイトルは『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』。
『アイカツ!』に登場してきたアイドル達総出演したオールスター授賞式を舞台に今まで作品で描かれてきた中から選出したライブパートに賞を与えていく――という内容になるようだ。『アイカツ!』の魅力の一つであるライブパートだが、そのライブパートに特化した劇場版アニメというのは『アイカツ!』では史上初。「映画館の巨大なスクリーンでどのライブが蘇るのか」というだけで公開まで待ちきれないほど楽しみになれる今回の劇場版だが、なぜライブパートに特化する事になったのだろうか。おそらくそれは「映画館」と言う場所が「同じ時間に同じ場所で同じものを見る」という共有体験が出来る場所だからだ。
「映画を見る」という行為にだけ限定すれば既に映画館という物は必要がない。大作であればテレビで(幾つかの描写はカットされるが)放送される事もあるし、完全な形で見たいのならば有料とはいえレンタルサービスは既に充実している。最近では出かけずとも自宅でレンタルしてその場で視聴できる。だから「映画を見る」という行為だけなら映画館へ行く理由はそれほどないのだ。
しかし「同じ場所で同じものを見る」という体験は映画館でなければ出来ない。
今回『アイカツ!』が「ミュージックアワードの授賞式」という舞台を選択したのはその「同じ場所で同じものを見る」という事の持つ特別性を演出したいからだろう。またライブパートに特化したライブ形式を採用した事により「同じものを見てきた者同士で通じ合える面白さ」を視聴するだけで得られる事も重要な点だろう。
「何が流れるか分からない」からこそ「ダイヤモンドハッピー」のように「鉄板」の楽曲が流れた時に盛り上がれるし、予想外の楽曲が登場すればその楽曲でまた驚きの体験を共有することになるのである。また「授賞式」というのも絶妙だ。
「何が選ばれるかわからない」ということを作中に登場するキャラクター達と共有しているからこそ、選ばれた時のキャラクター達の反応に新鮮に見えるだろう。その反応の新鮮さとライブだからこその自分以外の観客との一体感、そしてアイドルを応援していたからこその感動が本作にはあるだろう。その感動はおそらくライブ中心の作品にならなければ見えてこないものなのではないだろうか。

ところで今回のこのライブを中心に構成したライブ形式だが、最近の作品を見る限りでは別段珍しいものではない。
というのも、タツノコプロが制作した『劇場版プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショーベストテン!』でも同様の試みはされていたからだ。
『プリティーリズム』シリーズ待望の劇場版アニメとして制作されたこの作品は、シリーズのプリズムショーを音楽番組のランキング形式で発表していくという作品であり、歴代ライブを授賞式と言う形で紹介していく『アイカツ! ミュージックアワード』と重なる部分は多い。
この『劇場版プリティーリズム』では「映画館でプリズムスター達を自由に応援できる」という趣旨の熱唱上映会も開催され、盛況に終わったのだが、そのことを受けて制作された『劇場版プリパラ み〜んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』では熱唱上映会の開催を前提となった作品作りがされており、映画を見に来た観客達は「プリパラ世界を案内するツアーの参加者の一人」としてプリパラ世界で人気のあるアイドル達のライブを鑑賞することが出来る作品となっていた(なお『劇場版プリパラ』は週替りでルートが分岐するなどアトラクション性をより強い内容となっており、毎週開催される熱唱上映会もあって力が入った企画となっていた)。
東映が制作した『映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』もまたこういった路線を受け継いでおり、音楽カーニバルに参加することになったプリキュア達が歴代楽曲のテーマ曲を一曲づつ披露していく作品となっている。途中で悪役が本性を表し、プリキュアらしいアクションパートこそ挿入されるが、映画の大半はプリキュア達が歌い踊る姿で、一つのミュージカルを見終わったかのような印象が残る作品だった。
また『アイカツ!』自体も昨年末には『紅白アイカツ!合戦』として紅白歌合戦を意識した歌番組をネット配信限定の番組として制作している。ベースとなっていたのはアニメではなくゲームではあるが、『アイカツ!』全体としても『紅白アイカツ!合戦』をやっていた事を考えると、今回の映画のあり方もおそらくその流れを汲んでのものなのだろう。
こうして考えれば考えるほど、『アイカツ!』が二度目の映画化でライブ中心の映画を制作してきたのは、ある程度既定路線であり、むしろ「ずっとやりたかったもの」なのではないだろうか。
それがこうしてなかなか熱い展開なのではないかと思うのだ。

『劇場版プリパラ』のインタビューにて監督を務めた菱田正和は「ライブだと思って見て欲しいので、歌について、耳を澄ませて聞くような形にはしたくなかったんです」と語っていたが、『アイカツ!ミュージックアワード』もおそらく「耳を澄ませて聞く」ような作品にはならないだろう。
どのような作品になるのかが非常に楽しみだが、あえて一つだけ要望を上げるとすれば「熱唱上映会の開催」だ。
『劇場版プリパラ』の際に参加して思ったのは「皆、プリパラが好きで、だからこの熱唱上映会で一つになった瞬間がとにかく楽しい」ということだった。せっかくライブ中心になるのだから、『アイカツ!』にもそういう面白さを持ち込んでほしい。
『アイカツ!』が好きな人達が集まって、一緒にアイドルを応援しながら授賞式を楽しむ。そういう風景もまた『アイカツ!』らしいのではないか。そう思うのである。

 


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3件のコメント

[C1609] 熱唱上映会開催曜日・時間について

プリパラの都内の熱唱上映会の開催時間で不満がありました。アイカツ!で熱唱上映会をやるなら地方からの人も来て帰りやすい時間でやって欲しいです。土日休みなら土曜移動で日曜朝~12時にやってその後新幹線や高速バスで当日中に帰れるみたいな。ネットで北海道や九州など遠方の人に何時ならいいかアンケートとってもいいかもしれません。ファン同士で言ってても仕方ないかもしれませんが。

[C1612] Re: 熱唱上映会開催曜日・時間について

どちらかといえば「熱唱上映会をやる映画館を増やす」の方が楽なので、そっちの方が無難な気がしますね。
  • 2015-06-02
  • 水音
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