Entries

『プリパラ』「友情の象徴」として扱われるアロマゲドンの思い出の絵について

ジュエルペット。サブタイトルからエンジェラが登場することは分かっていたけど、エンジェラのマジカルチェンジが案の定バイクで「ひどいな」って思いました。完全に『サンシャイン』のノリでコメディとしては面白いのだが、しかし「エンジェラ=バイク」を今まで制作していたスタジオコメットの『ジュエルペット』ならともかく、今回のスタジオディーン制作の『ジュエルペット』で見ると色々と複雑な気分になる。「スタジオディーン側もこういう認識でいるのかー」というのもあるけど、「二番煎じなんだけど」というのがあってだな。しかも『サンシャイン』ほどトチ狂ってなくて理性的なので、余計にその二番煎じさには厳しいものがある。うーん。
とはいえ、ローラは本当に便利キャラとして使われているなぁ。金持ちだし、引っ掻き回し要員としては非常に優秀だと思う。何やっても許される感がありながらも汚れキャラにはギリギリなれない絶妙なところで踏みとどまっている。今週も基本的にはローラ無双だったのだが、根はいい子なのでどうやっても結構綺麗にまとめられるんだよなぁ。



『プリパラ』という作品では「友達」が大切なものとして描かれている。
友達の捉え方こそ、「トモチケをパキりたくなる」「一緒に競いあう」「何かしてあげたくなる」など一人一人違っているが、しかしどのキャラクター達も「友達との絆」を大切にしていることには変わりはない。そんな友達との絆の象徴といえるのが本作を代表するアイテムである「トモチケ」だ。友達から貰ったそのトモチケは見るだけでその人の事を思い出させ、二人をより強く結び付けてくれる。だから本作では「トモチケを交換する」という事が一つの儀式のように描かれているのだろう。「トモチケをパキる」は友達との友情の儀式なのだ。
幼少期から一緒に過ごしてきたあろまとみかんにとってそのトモチケに相当するアイテムが思い出のだ。
「二人で天使アイドルと悪魔アイドルとなって神アイドルになる」という夢を描いたその思い出の絵は、二人が共有する夢であると共に二人の友情を象徴する二人だけのアイテムなのだ。

一度も喧嘩したことがないほど仲が良く、互いに信頼しあっているあろまとみかん。そんなあろまとみかんの初めての喧嘩を描いたエピソードが47話の「あろまにはナイショなの♪」と48話の「6月6日、絶交アイドル」だ。
あろまを喜ばせるために秘密で誕生日ケーキを作ろうとしたみかんだったが、秘密主義が過ぎたことであろまに誤解されてしまい、絶交をつきつけられてしまう。みかんとあろまは仲直り出来るのだろうか――というこの物語の注目すべき点は何と言っても「思い出の絵」の扱い方にある。この思い出の絵は一貫して「あろまとみかんの友情の象徴」として扱われているのだ。
前述したようにあろまとみかんにとってこの思い出の絵は「二人の夢を描いたもの」で、アロマゲドンにとってとても大切なものだ。その大切さは予言の書に挟んで持ち歩くあろまの姿などからもよく分かるだろう。それだけ大切にしているからこそ、破り捨てた時にあろまのみかんへの怒り具合が伺えるのだが、この絵の破り方にこの時のあろまとみかんの絆のあり方が現れている。思い出の絵はその絵の中に描かれたあろまとみかんの中央で真っ二つに裂かれているのだ。まるであろまとみかんの友情が決定的に分かたれてしまったかのように感じさせる破られ方となっており、二人が大切にしている姿を印象づけられていただけになかなか衝撃的な展開だ。しかし二人が仲直りする一連の流れを見てみると、「みかんの真意を知る事であろまの誤解が解ける」という展開になっており、思い出の絵はそこまで重要な役割を与えられていない。むしろ思い出の絵は仲直りに付随するものとして扱われているぐらいなのだが、こうして思い出の絵を仲直りの際に重要視しないからこそ別のものが見えてくる。
それはあろまとみかんの友情の強さだ。
「二人の友情の象徴である思い出の絵を探せば仲直り出来る」としてしまえばシンプルな物語になる。しかしそれでは二人の友情は「思い出の絵ありき」になってしまう。ここで思い出の絵を物語から外してしまう事で、「あろまとみかんの友情は喧嘩程度では分かたれないほど強いもの」という事を感じさせ、「思い出の絵などなくとも二人は友達である」ということを印象深くさせてくれる。
また思い出の絵を仲直りの後に登場させる事で、「今の二人の友情」を象徴するものとなっている点も大事なところだ。こうした描写ができるのは一貫して「幼少期から続く二人の友情の象徴」として扱っていたからだろう。仲直りの際に重要な役割を与えていたのなら、この絵は「過去の象徴」以上のものにはなっていなかった。過去から続く今の二人の友情を象徴するアイテムとなったのは、こうした一貫した扱い方をしていたからこそなのだ。

また『プリパラ』の魅力の一つであるライブパートも素晴らしく、48話ではついにドリームシアターライブが本領発揮。今までにないライブが展開される。
『プリパラ』のライブパートの魅力の一つとなっている物語を感じさせる表情付けは、ホログラムを用いてステージそのものが大きく変化するドリームシアターと組み合わさって、より物語性の強化されたライブに仕上げられている。今回であればステージ上に「666」の悪魔の文字がデコレーションされた巨大な誕生日ケーキが登場したり、あろまをセンター=主人公にした「サプライズパーティー」という物語が展開されており、「あろまの誕生日」ということを感じさせてくれる。
今回からサイリウムチェンジの代わりに登場したサイリウムエアリーもまたドリームシアターでしか出来ないものだ。アイドル自身が翼を手に入れて飛び上がるこのサイリウムエアリーによって、アイドル達はドリームシアター内全てをステージにして歌い踊る。アイドルが宙を飛び回る事による迫力も素晴らしいが、なによりアイドルと観客席が近いからこそ一体感がある。この一体感が「ドリームシアターライブ」というものを特別なものへと変えてくれているのだ。
余談だが、サイリウムチャームを「一度ドリームチームでライブをすれば、サイリウムチャームはリセットされてしまう」と言う設定にしている点も大切なところだろう。仮にサイリウムチャームがリセットされないとすれば、物語はドリームチームの中で閉じきってしまったものになるだろう。しかしリセットされる事により関係性が固定化されず、むしろライバルになったり友達になったりと絶えず変化し続ける。そうすることで、キャラクター同士の関係性の変化が物語を躍動させる。この物語の躍動感こそが『プリパラ』第二期シリーズの最大の魅力なのではないだろうか。

第一期シリーズと比べると若干コメディな傾向こそ強まってこそいるが、「みんな友達!みんなアイドル!」と言うテーマは受け継がれている。アロマゲドンとは一つの決着を迎えたが、ドリームパレードを巡る戦いはまだまだこれからだ。
「誰とドリームチームを結成するのか」や「ドリームパレードの先頭に立つアイドルは一体誰なのか」も気になるところだが、まずは第一クールのクライマックスが楽しみにしたい。

 
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2147-ede863dc

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター