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『プリパラ』緑風ふわりとプリンスの求めるプリンセスのギャップについて

『刀剣乱舞』の初イベント。「誰でも時間さえかければ新規追加刀剣男子は獲得できる」と言うバランスは評価をするものの、全体的には微妙なイベントだったという印象である。そう思う理由としては、「新刀剣男子はイベントマップを五十回クリアしないといけない」という条件を聞いただけで非常に面倒くさく時間のかかるイベントである事が想像出来るのに、モチベーションの維持に関する仕掛けが全く施されていないからだ。イベントマップの変化は乏しいし、クリアできるレベルであれば進軍さえし続けていれば必ずクリアできるバランスだし、ご褒美も「新刀剣男子以外は特に無し」だしで緊張感も皆無だし「作業」でしかない。
そのくせに五十回もクリアしなきゃいけないとかもう苦行だ。「毎日五回づつクリアしよう」と思ってたけど、余りにもあんまりで途中でしばらく放置してしまったぐらいだ。長期間に渡るイベントだからとはいえ、モチベーションを維持させる仕掛けを設ける気がないのはどうなんだろう。仕掛けがないのなら五十回じゃなくて二十五回で切っちゃって、あとはクリアしたい人だけがクリアするイベントにすればよかったんじゃないかなぁ。もしくはイベント限定クエストを配信するとか。博多藤四郎はちゃんと確保できたのでよかったけど、今後もこういうイベントだとさすがにダレるぜ……。
まあ今は新しいイベントとか考えてられないと思うけど。



先日無事に一周年を迎え、クリスマスイベントの開催が告知されるなどますます盛り上がりを見せる『プリパラ』。最新話となる五十三話では、7月12日のらぁらデビュー一周年記念イベントに連動する形でアニメでもらぁらのデビュー一周年を祝うイベントの様子が描かれるなど、第二期からは遊び心に溢れた話が増えているが、その一方で作品全体を貫く物語は一期から変わらず真面目なものだ。特に五十話から登場した緑風ふわりを中心に展開される物語は、『プリパラ』第二期の方向性を感じさせるものとなっている。
五十話から登場した緑風ふわりはヨーロッパラにあるパルプスからプリンスである紫京院ひびきにプリンセスとしての資質を見出され、パラ宿にはプリンセス修行のためにやってきたという少女。ひょんな事かららぁら達と知り合ったふわりは、そらみスマイルやドレッシングパフェのステージを見て「自分もライブをしたい」と願うようになり、五十二話では彼女専用ブランド、ココフラワーと共についに念願のデビューを果たすのだが、面白いのはアイドルとしてデビューを果たしたふわりの姿とふわりにプリンセスの資質を見出したひびきの求めるプリンセスの姿にギャップが発生していることだろう。
緑風ふわりは自然たっぷりのパルプスで育ったということもあって、普段の行いもプリンセスとは程遠いもの。パラ宿へやってきても毎朝日課として山羊の乳搾りをしていたり、ベッドで寝るのではなく床で雑魚寝していたりと非常に「自然育ち」という事を意識させる描き方がされている(なおふわり登場回は「パルプスの少女ふわり」というサブタイトルが表す通り、全編に渡って『アルプスの少女ハイジ』のゼーゼマン編のパロディとなっており、これが非常に出来がいいパロディとなっているため必見である)。
ライブでもその「自然育ち」というふわりの個性は生かされている。着用するのはふわり専用として新たに登場したブランド、ココフラワー。ヨーロピアンな民族衣装をコンセプトにしたブランドだが、全面に花があしらわれており、「ナチュラル」な属性通りの可愛らしさがあるデザインだ。サイリウムコーデも「派手」さは控えめに品のある輝きとなっており、デザイナーのこだわりを感じさせる。
ライブパフォーマンス自体も歌う「コノウタトマレイヒ」は童謡を彷彿とさせる楽曲になっているし、そのダンスも上下の動きが激しくスキップが組み込まれているなど見ていて楽しくなるものになっている。
本作『プリパラ』のライブパートの特徴の一つであるメイキングドラマ「不思議の泉のオーケストラ!」もふわりの故郷であるパルプスが舞台となっており、ふわりのパルプスへの思いを感じさせるのだが、このふわりのライブを見た紫京院ひびきはふわり自身を表したパフォーマンスに全くと言って関心を示していない。むしろ楽曲とメイキングドラマに変更を告げるなど、ルーツであるパルプスへの思いを込めた「ふわりらしさ」に関しては否定的な見解を示しており、ふわりとの間にギャップが生じているのである。
このギャップをあえて描いているのはひびきが求める「プリンセスの姿」と、そんなひびきのためにふわり自身が歩もうとするプリンセスへの道が異なるからだ。
おそらくではあるが、ひびきが求めている「プリンセス」という存在はふわりじゃなくてもいいのだ。彼が求めているのは「自分の理想のプリンセス」であって、「プリンセスとなったふわり」ではない。だからふわりが自身のルーツへの思いを込めたライブパフォーマンスを見ても、その出来には一定の評価を下すものの自身の好みの方向へと強制を命じてしまう。そこには「緑風ふわり」に対する感情はおそらくないのだろう。もしあるのであれば「不思議の泉のオーケストラ!」のようなふわり自身を表したものに対して、変更を命じる必要はない。パルプスへの思いが宿るそのメイキングドラマまで変更するということは「パルプス育ちの少女」というアイデンティティを持つふわりを否定する事と等しいのだから。
こうして考えてみると、ふわりにとってテーマになっているのは「プリンスが求める姿と自身の姿とのギャップ」なのだろう。
彼女が求める理想の自分は「プリンスが認めてくれるような立派なプリンセスになること」というのは間違いないが、プリンスが認めるプリンセスの姿はおそらく「パルプスの少女ふわり」と言う姿を真正面から否定するものに違いない。ふわりが「パルプス」と言う場所で育ったという過去を捨て去るのであれば別だが、おそらくそうはならないのだろう。なぜなら彼女は「パルプスの仲間」にプリンセスになる約束を交わしてパラ宿へとやってきたし、マネージャーとなったトリコもパルプスの経験を持つふわりだから友達になることが出来た。「アイドル・緑風ふわり」を作り上げている一つの要素として「パルプス」がある以上、彼女はパルプスを捨て去ることが出来ないのだ。
となってくると、ひびきの求める姿とのギャップがふわりを惑わせるに違いない。
そこで彼女がどういう結論を出すのかは分からないが、ふわりが活動するプリパラは「女の子の夢を叶える場所」だ。
彼女の夢がプリパラでどのような形で結実するのだろうか。物語はまもなくグランプリへと突入するが、そこで描かれるふわりとひびきのギャップの物語を期待したい。

 


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