Entries

『第三次スーパーロボット大戦Z』クロスオーバーで紡がれる人間の絆と強さについて

『アイカツ!』もそろそろ三年目が終盤に差し掛かるので四年目の情報公開がされ始めているのだが、ロードムービーになるとは。流石にこれは読めなかった。
でもあかり世代だったら「そういうことも出来るか」と納得したのも確かである。いちご世代は「ライバルと競い争うことで自身を高めていく」という発想が根底にあって、「自分の外側に常にライバルがいる」という状態が続いていて、スターライト学園でトップクラスの実力になったあとはドリームアカデミーがその役割を担っていた。一方で三年目のあかり世代は「自分こそが最大のライバル」と言う路線になっていて外側にライバルを必要としていない。だから三年目は競争の図式そのものが希薄になっていて、スターライトではない学校からやってきたアイドル達も「ライバル」と言う側面は薄らぎ「仲間」が濃く出た描かれ方になっていて、「仲間からの刺激で変化していく」と言う物語を構築している。そういう意味ではいちご世代とあかり世代は全く違う作品だといえるだろう。いちご世代で描ける事はあかり世代では描けない。逆も然りである。だから「あかり世代はどうしても合わない」と言う人がいるのも仕方がない。描かれているものが全く違うのだから。
で、今回発表された四年目のロードムービーはそんなあかり世代の「仲間からの刺激による変化」の発展型と言ってもいいだろう。。今までは「学校の外からやってくる」と言う図式で転校のプロセスを挟まなければならなかったけど、ロードムービーなら拠点を変えていけば各地域にいるアイドル達に会いに行くことが出来る。そして会ったアイドル達から受けた刺激があかり達を変化させ、少しづつ成長していく。そういう物語であるのならば、三年目の流れを踏襲されていると言っても良いだろう。「まず最初に訪れるのが北海道」と言う辺りで「スターライト学園は一体どこにあるんだ」感があるがまあそれはそれである。
どちらかと言えば問題は紅林珠璃や黒沢凛や天羽まどかのようなキャラクターを切り捨ててしまうのかどうかである。切り捨てるわけはないと思うのだが、人気は一年目でもトップクラスだったものの、結局準レギュぐらいに落ち着いてしまったユリカ様のように準レギュに落ち着いてしまうような気がしないでもない。俺は「氷上スミレのワンコ」と化した黒沢凛が結構好きだったし、まどかの「いい性格してるっぷり」、紅林珠璃のミュージカル力の高さが好きだっただけに、一抹の寂しさを覚えないでもないぜ。グラシアス!つまりありがとう!とも一時のお別れとかつらすぎるぜ。
まあどうなるのかは全く知らないが、四年目も面白そうで何よりだ。あとはアーケードゲームの方のアップデートがなぁ。ソフトウェア面でのアップデートは予想済みだが、流石にハード面ではかなりの厳しさがあるのよね、『アイカツ!』。何だかんだで四年でハード面でのアップデートはスピーカーが筐体前面に移動したぐらいで、あとは通信インフラの強化ぐらいだしな……。



発売から既に三ヶ月以上経過しているが、ようやく『第三次スーパーロボット大戦Z天獄編』をクリアした。
2008年に『スーパーロボット大戦Z』が発売されてからというもの、ずっとプレイしてきたシリーズが無事に完結を迎えられた事を嬉しく思う。αシリーズ以来となるスパロボ王道シリーズだが、今回のZシリーズの面白さをあえて一言で表すのであれば、個人的に「クロスオーバーの醍醐味が存分に生かされた物語」になるだろう。本シリーズはとにかく「クロスオーバーする」ということの意味と面白さをよく理解しており、参戦作品を理解していれば理解しているほど熱い展開でプレイヤーを楽しませてくれる。
本作のクロスオーバーの根幹を成すのは『超時空世紀オーガス』だ。
時空震動弾の暴走により生まれた混乱時空を舞台にした『オーガス』だが、Zシリーズではそんな『オーガス』をシリーズの根幹にあえて据える事で各作品の世界設定をほぼそのままに同一世界として再構成されている。アストラギウス銀河を舞台にする『装甲騎兵ボトムズ』もほぼ設定はそのままで多元世界に組み込まれているし、ブリタニア帝国の植民地、エリア11と化した日本を舞台にした『コードギアス 反逆のルルーシュ』もほぼそのままである。
特に『コードギアス』の再現に関しては素晴らしいものがある。純粋な日本を舞台にしている作品も多い『スパロボ』において、「植民地化された日本」という設定の『コードギアス』は共存させにくく扱いにくい。しかし本シリーズでは「日本が二つ存在している」と言うアイデアを採用し、片方を「植民地化された日本」として描くことで『コードギアス』を再現しているのである。そのため、『コードギアス』のハッタリを効かせた作劇も非常に忠実なのだが、この「もう一つの日本の存在」が決して「制作上の都合」ではない辺りも素晴らしい。物語上の理由もきちんと付けられており、「もう一つの日本」は物語の中にしっかりと馴染んでいるのである。
他の作品もそうである。『ガンダム00』は『ガンダムW』とクロスオーバーしており、『ガンダム00』世界出身のイオリア・シュヘンベルグの求めた理想には『ガンダムW』のゼロシステムが必要だし、人間を捨てた新人類であるヒディアーズと人類の戦いが行われた『翠星のガルガンティア』の世界は「シャア・アズナブルがアクシズを落として核の冬をもたらしたからヒディアーズ化して新天地を目指した」という過去を持つ。今上げたクロスオーバーネタはほんの一例で、非常に多種多様な作品が設定レベルから検討を重ねられた魅力的なクロスオーバーが行われている。確かに本シリーズのクロスオーバーは「「『オーガス』の参戦」というある種の禁じ手を使って世界ごと作品を共存させる」という力技によって成立している。しかし一つ一つのクロスオーバーネタを見ていけば、本作は決してインパクトの有る力技だけで構成された作品でないことがよく分かるだろう。多くのクロスオーバーネタに関してはむしろ繊細ささえ感じさせるぐらいである。このバランス感覚に関しては褒められても良い。『創聖のアクエリオン』と『アクエリオンEVOL』の共演に関しては力技過ぎて逆にアクエリオンっぽかったことだけは間違いないが。まあ『アクエリオン』だから仕方がない。
そんなクロスオーバーの素晴らしさで唸らされる本シリーズだが、シナリオ面でも非常に素晴らしかった
第一作となる『Z』は多元世界誕生直後の混乱した世界だからこそ「情報に惑わされずに自分たちの目で見る事」を特に大切に描いていたし、『第二次Z』シリーズでは「偽悪」をテーマに守りたいものや信じるもののためになら悪行に手を染めることすらも厭わない男の生き様を見せつけてくれた。そして最終作となる『第三次Z』のテーマはおそらく「絆」で、多元世界の誕生によって紡がれた絆を力にした主人公達が一万二千年の節目ごとに発生する滅びに立ち向かう!という非常に壮大な物語となっている。
この『第三次Z』の素晴らしかったのは敵となる御使いも主人公達も目的は同じであることだろう。
どちらも「一万二千年ごとに発生する滅びを乗り越える」という目的のために行動しているという点では同じ存在である。しかし敵となる御使い達は全ての人類を見下して滅びの後に創造される新世界を自分達に都合の良い世界にしようとしている。一方の主人公達は全ての人類と手を取り合い、全ての人達の意思によって新世界を創造しようとする。
この違いが両者を相容れない存在へと変え、どちらか一方が意志が折れるまで戦う運命を決定づけているのだが、その最終決戦が素晴らしいのは、主人公が敵すらも「この世界に生きる一人の人間」と認めて「力を貸せ」と協力を頼む事だろう。これは全ての人間を見下し、自身こそが「神」であると驕っていた敵には出来るはずがない事であり、様々な人と関わった様々な事を噛み締めながら一歩づつ前へと進んできた一人の人間である主人公には容易く行えてしまう事でもある。
先ほどまで剣を交えていた相手とすらも手をつなぎ、人間として絶対的災厄である滅びに立ち向かう姿は本作が描いてきた「絆」を象徴するものであり、『スパロボ』というシリーズの一つのテーマである「鋼の精神」そのものだ。そうして乗り越えた先にある新世界もまた人々の思いが反映されたものと、とてもこのシリーズらしいものとなっており、「新たな世界の始まり」を感じさせてくれる。
人間たちの姿を描いたZシリーズの結末として、人間であることを力強く肯定してくれるこの結末ほど相応しいものもない。

αシリーズ以来の王道シリーズとなるZシリーズが七年かけて無事に完結を迎えたわけなのだが、スパロボというシリーズはまだまだ続いていく。既に『BX』の発表がされているが、『ガンダムAGE』はともかく『騎士ガンダム』はさすがに驚きである。主人公を演じるのが松岡禎丞で、「記憶喪失の女の子を拾った事をきっかけに、意志のあるロボットに乗り込んで戦う事になる何のスキルもない少年」という松岡君以外の何物でもない辺りはもう驚きとかそういうレベルじゃない。キャスティングでも遊びすぎではないか! そのキャスティングだけで買うが!
まあ何にしてもである。自分としても2008年から続くシリーズの一段落ついたこともあり、しばらくゆるいスパロボがやりたいので、一つよろしくお願いしますという気分である。ゼーガペインが参戦したソシャゲ版もやるが。

なお『第三次Z天獄編』のトップエースは主人公で、『コードギアス』のカレンとスザクがそれに続く形になった事を記録しておく(四番目に『ボトムズ』のキリコ)
ゼロも頑張ったのだが、一歩及ばず。しかし蜃気楼の新武装であるゼロビームは「ルルーシュが中二的な身体を無意味に捻ったポーズでカットイン」「やることは拡散構造相転移砲を撃つだけ」「ゼロビームという名前がダサい」という点もあって、今作の捏造武装の中でも特に好きである。やっぱりルルーシュはこうじゃないと困る。

 
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2161-e00bc863

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター