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『アイカツ!』あかり世代・いちご世代に見る作劇の違いについて

夏コミで頒布した『パーフェクトスマイル』ですが、委託するぐらいには余ったのでとらのあなに委託します。「委託します」というか、もう予約開始していました。100P超えとかなり分厚くなってますが、『プリパラ』の一年間を感じられる内容にはなっていると思いますので、夏コミに行けなかった! 買いそびれた!と言う人は是非。

とらのあな - パーフェクトスマイル

で、冬コミですけど、「『ラブライブ!』で申し込んで『ラブライブ!』の本が出ない」という状態が続くのも良くないので、冬コミは『ラブライブ!』で申し込んで『劇場版ラブライブ!』になると思います。六月に公開されたタイトルなので十二月なら何とかなるだろうという判断なんですが、実際にどうなるのかは分からない……。うちは本当に気まぐれだからな……。うっかり『アイカツ!』で出してしまうかもしれぬ……。



ソレイユ発案による一大イベント、大スターライト学園祭の開催が告知され、いよいよ三年目の完結へ向けて走りだした『アイカツ!』。大空あかりは氷上スミレと新条ひなきと共にユニット、ルミナスを結成し、紅林珠璃、天羽まどか、黒沢凛の結成したユニット、バニラ☆チリ☆ペッパーと共に大スターライト学園祭のステージを目指して努力していく。星宮いちごに憧れた事からアイドル活動が始まった大空あかり。そんな彼女の物語の一つの決着として、「星宮いちごと同じステージに自分と仲間の力で立つ」というのは申し分ない形だといえるだろう。実力的には確かにいちご達ソレイユのほうが上。しかし自分自身の力で憧れの存在と同じ場所に立った時、きっと彼女の世界はまた一つ広がりを見せる。そしてその広がりが四年目へ。スターライトクイーンのステージへと繋がっていくのだと思うと、三年目にして一つの決着を描こうとする姿勢はなかなかに挑戦的な構成だ。
さて放送開始からまもなく三年目を終えようとしている『アイカツ!』だが、この三年間を振り返ってみると様々な出来事があったように思う。
シリーズ初となる『劇場版アイカツ!』に作中楽曲を歌うSTAR☆ANISのワンマンライブ、プロジェクションマッピングとホログラム演出を組み合わせたイリュージョンライブなど、「王道」とも言えるものから「挑戦的」と言えるものまで様々なものがあったが、この一年間で個人的に最も大きかったのは「星宮いちごから大空あかりへの主人公の交代」である。
この主人公の交代劇が上手く行った大きな理由としては二つあるように思う。

一つ目の理由としては「バトンタッチ」というものを丁寧に描いたということが上げられるだろう。
『アイカツ!』では半年ほどかけて「大空あかり」というキャラクターを描写してきた。憧れる星宮いちごと資質そのものが違う事や性格的にも全く違う事などを時間をかけて、丁寧に描写してきた。これらの描写があったからこそ、大空あかりは「星宮いちごからバトンを受け継ぐ存在」となった時に説得力が生まれたのだろう。その「バトンタッチ」の物語も、101話で「大空あかりから見るバトンの継承」、劇場版で「星宮いちごから見るバトンの継承」と二段構えで描いていたのがまた面白い。これは「バトンを渡す側」と「バトンを受け取る側」の双方がいるからこその「繋がり」が「物語を継承する」という事だという意味なのだろう。こうした双方向で描かれる「バトンタッチ」が「憧れの連鎖」と「物語の継承」を魅力的に輝きに変えてくれていたのだ。

二つ目の理由として個人的に上げたいのは、星宮いちご達「いちご世代」と大空あかり達「あかり世代」とでは「作劇面で異なる作品として制作されている」ということだ。というのも、あかり世代はいちご達と比べると「競い争う事」にさほど重みを置いておらず、どちらかといえば「自分自身に打ち勝つ」という事に比重を置いた作劇になっているからだ。
このような変化をつけたのはおそらくあかり世代を「いちご世代の焼き直し」にさせないためだろう。同じ学校が舞台となる以上、どうしても「いちご世代と似たようなイベント」というのは発生してしまう。そこで同じ事をやってしまうと単なる焼き直しにしかならないのだ。また同じ事をやったとしてもいちご世代には「二年間の積み重ね」があるだけに、何の積み重ねもないあかり世代では純粋にスケールダウンした印象になってしまう。それを避けるためには根幹から物語を変えるしかない。
だからあかり世代は「誰かと競い争う事」には比重を置かない作品になったのだろう。
「スケールダウン」や「焼き直し」といった悪い印象の残る作品にしないためには妥当な判断だといえるが、では『アイカツ!』と言う作品の魅力があかり世代になってから失われたのかというとそうではない。
あかり世代には「ライバルと競い争う事で輝きを高めていく」という物語は存在しない。しかし「己自身の心と向き合い、弱い自分を乗り越えていく」という物語がある。
誰もが弱い自分を必ず持っている。
どれだけ努力を積み重ねても、自分が求める結果が出ない事もあるし、一つしかない勝者の椅子を巡る争いの中で自分が負かした相手の涙で心を痛め、そうならないようにするために孤独を選んでしまう事もあるだろう。相手の事情を分かりすぎているからこそ、自分の中で自分自身の意見を封じ込めてしまうこともあるに違いない。
しかしその弱い自分に負けるのではなく、そんな自分に向き合って乗り越えた時に世界は広がる。より美しい世界が眼前に広がっていくのである。
大空あかり達「あかり世代」が描く物語とはそんな「己に打ち勝った時にしか見えない世界の美しさ」だ。
そしてこの世界の美しさは「ライバルと競い合い、認め合う事で輝きを高めていく」といういちご世代では決して描けなかったものの一つでもある。こうして作劇面で明確に変化をつけているからこそ、いちご世代のトップアイドル達に埋もれる事なくあかり達はあかり達らしく輝けているのではないだろうか。

四年目ではスターライトクイーンカップが描かれるなど、「二年がかりのシリーズ構成」であることが明らかになった『アイカツ!』。『アイカツ!』らしく、そして大空あかりらしいスターライトクイーンの姿に期待したいところだ。

 





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