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『プリパラ』全力で楽しませる趣向が凝らされた「24.5時間テレビ」について

劇場版プリパラ。ソフトを購入してからというものほぼ毎日のように見ているのだが、全く飽きないから驚きである。ここまで飽きずに見続けられるのは「ライブ形式」「ルート分岐」という本作独自のギミックがあるからだろう。特に後者のルート分岐は「コレがなければとっくに見飽きてる」と断言できるほど素晴らしいものだと思う。なぜならその日の気分で視聴する内容を変えられるからだ。
本作では「物語中盤でルート分岐し、ルートによって後半10分ほどの内容が異なる」という仕掛けが用意されていて、映画館では週替りでルート1~3を上映していた(ルート4だけは金曜最終の上映のみ)のだが、ソフトでは「自分の観たいルートを選んで上映」という形で再現されており、毎日異なる内容をその日の気分で決めて流すことが出来るのだ! おかげで一時間ほどの内容のうち、50分ぐらいは同じでも全く飽きない。飽きなさすぎてちょっとどうしようかと本気で思ってるぐらいだ。ヤバイぞコレ!
本作のコンセプトの一つには「アトラクション」だという。映画館で上映していた頃は選択肢なんてものはあってないようなものだったが、ソフト化で選択できるようになるとここまで面白くなるとは……。ミーもまさかこんなことになるとは思ってなかったクマよ!



『プリパラ』63話の「トモチケは世界を救う」はとても完成度の高い一話だった。全面に散りばめられたギャグやパロディの瞬間風速的な面白さを「24.5時間テレビ」というパロディの中で包み込んでおり、何度見ても楽しめるように上手く構成されている。『プリパラ』におけるコメディ回は今までも「コメディとしてやたら完成度が高い」という話が多かったのだが、この「トモチケは世界を救う」はその中でも一、二を争うほど出来がいい一話ではないかと思う。
なぜこの話がここまで完成度が高いのか。
それはこの一話を構成する三つの要素をバランスよく配置しているからだ。

まず一つ目に上げたいのは有名なバラエティ番組のパロディを数多く投入していることだ。
大元となる「24.5時間テレビ」は言うまでもなく『24時間テレビ』だし、らぁら達のマネージャーであるクマとウサギが深夜で展開していたのは『恋のから騒ぎ』とそのパロディである『恋のかま騒ぎ』だ。他にもひたすらボケ倒してコンベアで運ばれていく内容から『爆笑レッドカーペット』のパロディであることが推察できるだろう。この他にも様々なバラエティ番組のパロディがこの一話の中に詰め込まれており、ネタを一つ一つ取り上げていてはきりがない。テレビ局の垣根を飛び越えた「日本のバラエティ番組」のクロスオーバー状態である。それを短い時間の中でとにかくやれるだけやる!と言わんばかりに詰め込んでいるのだから面白くないわけがない。
もちろん出演するキャラクター達の魅力も損なわれていない。むしろキャラクターごとに合わせて選択されているぐらいで、各番組の元ネタになっている番組に触れていれば触れているほど、キャラクター達の魅力を活かして選択していることがよく分かるだろう。とりわけ大神田グロリア&リナちゃんコンビの出し方は非常に上手いもので、「笑わせよう」とするスタッフの執念すら感じさせるほど面白いネタであった。

二つ目に24.5時間テレビを最初から最後まで見続ける紫京院ひびきの反応がある。
「みんな友達!みんなアイドル!」というプリパラの理念を否定して、選ばれた一部の人間達だけが切磋琢磨する「セレパラ」を目指す彼は本作における実質的な敵役であり、主人公であるらぁらを敵視しているのだが、なぜか彼は番組開始から番組終了まできっちり見続けるという妙に行儀の良い行いをしているのだ。
「暇つぶし」という割に多くの人が視聴をやめている中、ただ一人で番組を見続けているひびきの姿はもうそれだけで面白いのだが、らぁら達が何かするたびに彼がするオーバーリアクションは「楽しませよう」とする仕掛けでは多大な貢献を果たしている。
例えば「ぷり」が語尾につくみれぃの番組で語尾に「ナチュ」をつけた緑風ふわりが登場した際にはティーカップを思わず落としてしまうほどの動揺し、「執事に命じて人海戦術でクレームを入れまくる」という大げさにも程があるリアクションを見せる事で完全にギャグにしてしまっている。これを何度も差し込んで繰り返しネタとして昇華しきっているという点も見逃せない。
「語尾は身体に毒だ」など迷言も連発して笑わせにくる彼は24.5時間テレビの影の立役者と言っても過言ではないだろう。

最後の三つ目は「勝手に走ってる雨宮」である。
24時間テレビと言えばチャリティマラソンが有名だが、『プリパラ』の24.5時間テレビでもマラソンの様子は描かれている。
パロディ元の24時間テレビと違うことはただ一つ。本家が番組企画として走っているのに対して、『プリパラ』では番組と何の関係もないところで雨宮が勝手に走っているということだ。
みれぃのために、無駄にアグレッシブな行動で「凄い」と「気持ち悪い」の境界線を全力で走り抜ける応援活動に励んできた雨宮だが、そんな雨宮の活用方法を検討した結果が「勝手にマラソンを走り出す雨宮」というのだから恐ろしい。CM直前、直後に差し込まれる雨宮の様子が感動寄りの演出をされればされるほど、「番組と何の関係もないところで勝手に走っている」という部分が際立つ。
EDで描かれる雨宮がゴールを迎える瞬間などは「雨宮」と言うキャラクターの魅力を全てギャグとして組み込んでおり、大げさなまでの感動的な演出が笑いを誘う。番組企画ではない以上、ゴール会場の準備も雨宮自信が行っているわけであり、「自分で勝手に設営したゴールに向かって自分で勝手に走っている」という雨宮は凄いというしかない。全く尊敬したくならない辺りも流石である。
「3DCG化された雨宮が何故かカポエラ風ダンスを踊るという案があった」という事が、放送終了後に本作のCGディレクターを務める乙部善弘氏によって明かされているが、個人的にはこのマラソンの方が雨宮らしさが生きていて良いように思う。
「凄いが全く尊敬出来ない」という雨宮のキャラクターとしてのポテンシャルの高さを見せつける、この「勝手に走る雨宮」は最高に面白いものだった。

「「友情パワーを見せつける」という目的で始めた24.5時間テレビなのに、ひびきのクレーム戦略により皆の心はバラバラ」という状態から綺麗にライブパートへ繋げて感動的なフィナーレを迎えた『プリパラ』の24.5時間テレビ。一話としては盛り沢山すぎる気もするが、上手くつめ込まれていてとても『プリパラ』らしい一話であった。
次回からはついにあじみも登場して物語もまだまだ盛り上がっていくが、たまにはこういうコメディ回を忘れずに展開して欲しいところである。

 

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