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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』と少年兵達のシンボル化するガンダムについて

『プリパラ』の黄木あじみについて。情報公開された時から妙に幼さを押し出したキャラクターデザインをしているなーとは思っていたのだが、ここまで幼さを押し出していたのは大人だったからか。なるほど。納得である。
らぁら達のキャラクターデザインを年上への憧憬を込めた背伸び感のあるデザインだとすると、あじみのデザインは「子供と同視線にするためのデザイン」だ。あじみには「大人」と言う設定が与えられているが、仮にあじみを大人を感じさせるデザインにしていたとしたら、おそらく「大人した大人」として受け止められていただろう。あえて幼さを押し出したデザインにすることで、彼女は「大人であり子供である」という曖昧さが生まれ、「子供と視線を合わせられる大人」と言う強みが生まれる。校長と言う立場である大神田グロリアや北条そふぃの姉であるコスモはどちらかと言えば「年上」や「大人」としての立ち振舞いを求められるのでこうした事は無理で、あじみにしか出来ないことだといえよう。言動も行動もエキセントリックすぎて、大人っぽさは全く無いけど。まあああいうキャラは折を見て大人としての振る舞いを見せてくれればそれでいいので、アレで正解といえば正解である。
これで一通りのキャラクターは出揃ったのだがどうなることやら。来週からはオータムドリームアイドルグランプリだが、どうなるのかなぁ。



新たな「ガンダム」である『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』が面白い。なぜなら、戦場でしか自分達の居場所を確立できなかった少年兵達が必死で生きようとする姿が第一話の中でも十全と描かれているからだ。
本作の舞台となるのはテラフォーミングが完了して地球と同じような環境を手に入れた火星。植民地と化し、富を吸い上げられている火星では地球からの独立機運が高まっていた。民間警備会社の少年兵部隊に所属する三日月・オーガスとオルガ・イツカは上司である大人達から火星都市クリュセの独立運動の指導者、クーデリア・藍那・バーンスタインの護衛を命じられる。しかしその夜、武力組織ギャラルホルンが彼らの基地を襲撃。大人達はオルガ達少年兵部隊に足止めを命じたまま逃走してしまう。絶体絶命の中、オルガと三日月は基地の動力源として利用されていたガンダム・バルバトスを起動し、ギャラルホルンに立ち向かう――。
本作には今までのガンダムでは余り見かけなかったユニークな要素が幾つもある。
舞台となるのがテラフォーミング化した火星である事もそうだし、主人公達のガンダムが元々は動力源として利用されていた事もそうだろう。作中にモビルスーツが登場するまで主力として利用されている兵器が「モビルワーカー」と呼ばれる機体である点もなかなか面白いが、その中でも特に重要なのは三日月やオルガをはじめとするメインキャラクター達が「大人達の都合がいいように使い捨てられながらも、そこにしか居場所がない非正規の少年兵である」という点だ。
本作の一話で大半をかけて描いているのはそうした三日月達の置かれている境遇で、彼ら三日月もオルガも他の少年兵達もとにかく大人達によって不条理に傷めつけられ、無理難題を押し付けられている。作中でも言及されているように、一話の大半をかけて「大人達は少年兵達を弾除けの道具としてしか見ていない」という事、そして彼らがその現状を理解しながらも、そこにしか居場所が無い事を本作は淡々と描いている。ある意味冷淡な姿勢とも取れるが、だからこそ「そういうもの」として描写される戦場での少年兵達の信頼関係が際立っていて面白い。
悪態づきながらもオルガの指揮能力を認めている節があるユージンに、最前線で指揮を行うオルガの代わりに後衛を守りながらも状況の変化を伝えるビスケットなど、司令官でありリーダーであるオルガを中心とした関係性が一話の中で見事に表現されている。また何だかんだ言いながらも少年兵達ほぼ全員がオルガの指揮官として一定の評価を下しているように描かれており、その評価が間違いではない事をギャラルホルンとの攻防の中で見事に表現されている。「オルガの指揮に従っておけば大丈夫」という印象すら覚える少年兵達の信頼関係だが、オルガ個人にスポットを当ててみると、ガンダム・バルバトスに乗り込んで戦う三日月との信頼関係が酷くいびつなものである事に気がつく。
一話の中で断片的な描写として語られているオルガと三日月の過去だが、これらの描写から察するに三日月とオルガは共犯関係かそれに近しい関係なのだろう。三日月はオルガを全面的に信頼して人殺しすら厭わないほど善悪に対して境界線が存在しないが、オルガは善悪の分別がついてしまっているがために三日月が犯した「殺人」に対して背負い込んでしまっているのだろう。
だからこそオルガは三日月に対して「自分達の居場所」を示そうとしたのではないだろうか。贖罪であるかのように。
こうした信頼関係はいびつではあるものの強固であるが故に裏切らない事への安心感があり、逆境を乗り越えるだけの力を感じさせる。ギャラルホルンのモビルスーツと戦うガンダムバルバトスはそんな「逆境」を超える彼ら二人の信頼関係の力とも言えるだろう。その姿は少年兵達のシンボルとなるだけあってとても印象的で勇ましい。
肩を始めとしてフレームが露出しているなど未完成の雰囲気漂うガンダム・バルバトスだが、大人に見捨てられた少年兵達のシンボルとしてどういった完成を見るのだろうか。それに連動するかのように少年兵達の関係性も変化していくのだろうか。
一話からどういった展開を見せるかわからないが、三日月達の生き足掻きながら切り開く「居場所」がどのようなものであるかも含めて、二話以降の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を楽しんでいこう。

余談だが、9月19日に劇場公開された『心が叫びたがってるんだ。』は本作の監督である長井龍雪が監督を努め、シリーズ構成を担当する岡田麿里が脚本を手掛けるなど、絶妙なタイミングで公開された作品である。公開時期と本作の放送時期が重なったのはおそらく偶然だろうが、両者を見比べてみると面白いものが見えてくる、かもしれない。

 


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