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『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』傑作選(前編)について

今年のラブライブ!の帰りに友人から「鷲崎健さんの新作アルバムのクラウドファンディングが熱い」と言う話を聞いて、「それは面白い! この祭りに乗るしか無いぜ!」と最小金額でとはいえクラウドファンディングに参加したんだけど、まさか投資したお金でミュージックビデオまで制作されるとは。しかも久保ユリカ可愛いヤッター!

What a Pastaful World ~なんてスパゲティ世界~ MV

少額とはいえ自分がお金出したものがこうして形になって還元されると嬉しいのだが、最近クラウドファンディングの成功事例を見ていると本当に「お金を出したい人が好きなだけお金を出せる」というのが大事っぽいなぁ。アニメでも『Dies irae』や『この世界の片隅に』『リトルウィッチアカデミア』はそういう仕組み作りがきちんと出来ていて、出資したい人が気持よくお金を出せるようにしている。素晴らしい。
とはいえ、TVシリーズで同様のシステムを構築するのはなかなか難しいだろうなぁ。『Dies irae』も「アニメ化企画は水面下で進行中」と言う状況で「最後の一押し」として「ファンがどれだけいるのか」を示すためにクラウドファンディングと言う形で世に問うた形だし。クラウドファンディングで集めたお金をそのまま製作費に!というのはなかなか厳しいんじゃないかな。特に今のアニメってのは製作委員会方式で、複数のスポンサーからお金を出してもらい、そのお金でアニメを制作してグッズへのライセンスやら何やらでスポンサー資金を還元するシステムなわけで、「必要なのはスポンサーでパトロンではない」というのはありそうだし。とはいえ、色々と変わりつつある世の中だし現状の収益システムは瓦解すると予想している人も多いわけで、パラダイムシフトが起きるかもしれない。それをクラウドファンディングが引き起こすかどうかはわからないけどね。
まあ何にしてもまずは鷲崎健さんのミュージックビデオでも可愛い久保ユリカを見ようじゃないか。



2012年4月から2013年から3月にかけて放送された『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』は、前作『プリティーリズム・オーロラドリーム』から三年後の世界を舞台に、幼い頃に誓い合った夢を叶えるためにプリズムショーの世界へ飛び込んだ上葉みあとヘインの二人の少女を主人公とした物語である。
前述したように『オーロラドリーム』の続編として制作されている本作だが、この『ディアマイフューチャー』は『プリティーリズム』三部作の中でも特に独自色の強い作品となっている。主人公達は実在のアイドルをモデルにしているし、「国境を超えた友情」というものが根底に込められた作劇も前作である『オーロラドリーム』や次作である『レインボーライブ』にはなかったものだろう。全体的な作りとしてもコメディ色が強く、パロディや不条理ギャグなども散りばめられており、『オーロラドリーム』から見続けてきたファンの中にも「『ディアマイフューチャー』はちょっと別枠」という者も多い。しかし「今は分からなくてもいつか分かる」と信じて本気の物語を作っていくが『プリティーリズム』の精神であるのなら、本作もまた「本気の物語」の宿る作品だろう。自分はそんな「本気の物語」である『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』が大好きである。少なくとも自分にとってはこの作品こそがオールタイム・ベストアニメだ。それほどまでに大好きである。
そんな『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』のBD-BOXの前編がついに10月16日に発売されるという事で、今回収録されている一話から二十六話の中でも個人的に特に面白かった回を五本ほど解説しておく。

■一話 「ハローマイフューチャー」

プリティートップ主催のプリズムショーイベント。そのクライマックスを飾るのは今や国民的プリズムスターユニットとなったMARsだった。その人気に違わぬ完成度の高いプリズムショーを繰り広げたMARsだったが、そんな彼女達のプリズムショーに一人の少女が乱入する。乱入した少女の名は「上葉みあ」。まいあは乱入するやいなや、春音あいらにプリズムショー勝負を挑んでくるのだった――。
本作の主人公である上葉みあは春音あいらとは真逆の性格である。春音あいらは夢を持たないし、どちらかと言えば引っ込み思案な性格をしている。そんな夢を持たず、引っ込み思案な性格をしている少女が目の前の出来事にとにかく真剣に向き合っていたからこそ『オーロラドリーム』は感動的な結末を迎えることが出来たのだが、上葉みあはそんな春音あいらとは全く違うタイプだ。
「打倒!春音あいら」という夢を持っているし、性格も積極的で何より自信家だ。なにせプリズムショーを一度もやったことがないのに春音あいらに挑戦するぐらいである。自信家というしかないのだが、そんな「上葉みあ」というキャラクターを冒頭のやりとりだけで描き切っている点は賞賛に値する。
また春音あいら達MARsの立ち位置や本作の主役ユニットであるPrizmmy☆の面々も忘れてはならない。前作からの年月を感じさせるかのように「遠い存在」としてさり気なく描写し、そんなMARsの三人に憧れるれいな、かりん、あやみという三人の姿をみあに負けないぐらいに描写している。だからこそ四人のやりとりが心地よく、また楽しい。
キャラクターのデフォルメが多いなど前作からの作風の変化に戸惑いを覚えるが、様々な可能性を感じさせるこの一話は「予感」に溢れる素晴らしい「第一話」だ。

■三話 「ゲット!マイファンコール」

第三話ではみあ達Prizmmy☆のメジャーデビューが描かれる。「レッスン風景やプライベートの姿をブログにアップし、期日までにファンの支持を集めればデビューさせる!」という社長の提案を飲んだ四人は、早速ファンの支持を集めるために奮闘するのだが、自分が一番と突っ走るみあが三人の心をバラバラにしてしまう。
この三話で重要なのは「自分が一番!」というみあが自身の考えを改めて四人でデビューするために行動し始めることだ。これまでの上葉みあは横暴な存在であった。しかし「自分以外の人間」を認めることで彼女は一つ成長を遂げ、仲間達の心をつなぎ合わせる役割を果たす。この過程を丁寧に描写しており、四人の心が一つになった事で生まれる「Prizmmy☆」というユニットに特別な意味を与えてくれている。
またその後の展開でも重要な役割を果たすファンコールはこの三話でも活用されている。「ファンの支持を集めてこそのスター」というのはアイドルとファンの関係性を思わせるものだが、このファンコールシステムがあってこそグレイトフルシンフォニアが感動的であるため、ファンコールシステムの産んだ奇跡の一つとしてこの三話を留意しておきたい。

■十話 「みあ脱退!?あいらとガチバトル」

一話で春音あいらに勝負を挑んだみあだったが、実際に二人の戦いが描かれたことはこれまでなかった。みあはまだプリズムショーを始めたばかりの存在で、あいらは国民的スターであるため、当然といえば当然の話なのだが、この十話ではついにみあとあいらの勝負が描かれる。
その決着こそあいらの圧倒的な勝利で終わったものの、「みあと一緒なら事務所を辞めてもいい」と言い切る仲間の存在はみあにとって一生の宝物といえるだろう。その結束の強さがあるから、敗れても彼女は前を向いて進んでいく事が出来るのだ。
またここであいらに負けた事がみあの新たはモチベーションとなる辺りも無駄がない。全体的にはコメディタッチではあるが、本作の真面目さと茶目っ気の両方がバランスよく配置されている十話は、非常に本作らしい一話だといえるだろう。

■二十一話 「羽ばたきの心、シンフォニアの目覚め」

『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』の前半のストーリーにおいて特に素晴らしい一話は何か、と問われれば、自分はこの二十一話を上げるだろう。それほどまでにこの二十一話は素晴らしい一話だ。
伝説のシンフォニアシリーズの一つ、シンフォニアトップスを巡る戦いもいよいよ最終決戦を迎える中、ヘインは「自分には誇れるものが何一つない」と苦悩していた。ヘインの様子がおかしいことに気づいたみあは、「ヘインは努力家だから」と元気づけようとするのだが、そんなみあに対してヘインは「努力だけは誰でも出来る」と言い放つのだった――というこの二十一話で重要なのは「上を目指して努力し続ける事は誰でも出来る」とした上で「突出した才能がない人間の嘆き」を描いている事だろう。
みあは天才とするのなら、もう一人の主人公であるヘインは努力家だ。ヘインのその実力は才能ではなく努力によって作り上げられたものである。そしてそんな努力家だからこそヘインは突出した才能がない現実を突きつけられ、「努力だけは誰でも出来る。だが努力だけでは超えられない壁もある」という事実に苦悩する。周囲が秀でた才能を発揮しているからこそ、自分の歩みの遅さが焦ってしまい、「努力だけは誰でも出来る」と思い込んでしまうのである。
しかし自分の良さは自分自身では意外と気づけない。みあが見せたのはヘインが見つけることが出来ないヘインの素晴らしさだ。「努力だけは誰でも出来る」と言うのは確かにそうだろう。しかし努力するからこそヘインはみあとは違う魅力を手にする事ができる。
天才と努力家。才ある者と才なき者。
そんな難しい問いに対して毅然として立ち向かい、しっかりとした答えを出したこの二十一話は『プリティーリズム』シリーズの中でも指折りの傑作回だ。

■二十六話 「白と黒のウェディング」

この二十六話では、本作のクライマックスを飾るグレイトフルシンフォニアに繋がる阿世知欽太郎のエピソードが展開される。
プリズムアクトにシンフォニアシリーズを生み出した阿世知欽太郎が、一体何を考えてこれらの要素を作り出したのか。
これらが二十六話で掘り下げられる事で、物語は一気に後半戦へと向けて加速していく。
希望に溢れていた頃の姿がこうして色濃く描写されているからこそ、絶望と虚無を抱えて本格的に姿を表した時の悲しみが際立つ。
全体的にみあ達の存在は薄めだが、本作で欠かすことが出来ない「大人」である阿世知欽太郎に迫った二十六話は、全体の中でも重要な一話だ。

『ディアマイフューチャー』全体の中で言えば前半戦は「仕込み」と言っても過言ではないだろう。しかし前半戦を使って個々の要素を仕込んでいるからこそ、後半戦での物語展開が際立つ。阿世知欽太郎の救済にグレイトフルシンフォニア。本作の面白い点が詰まりに詰まった後半戦を楽しむために前半戦も大事である。
そんな二十七話から五十一話を収録した後半戦は十二月に発売される。後半戦も注目である。。
余談ではあるが、BD-BOXには実写パートも収録される。こちらもかなり面白いため、機会があれば見ていただきたい。

  


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