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『Fate/Grand Order』二人のシナリオライターの代表作について

『アイカツ!』。10月から四年目を見ていると、「大空あかりはこんなにも本物なアイドルになったんだな」という実感が湧いてきて、それだけで感動してしまいそうになるのは本当に良くない。二年目の半ばに登場した時は本当にもうダメダメとしか言いようが無いキャラクターだったし、スペシャルアピールが出せない自分に不甲斐なさを感じて自己嫌悪に陥る事もあったけど、今はもう本物のアイドルなんだなぁ、大空あかり。大地ののや白樺リサの視線で示された外からの評価がそういう事を実感させ、また印象づけてくれる。こういうの、すごく大事だと思います。もはや親の目線だよなぁ、これ。
しかし四年目のOPのこのオールスター感は一体何なんだろうか。確かに筐体はスペック的にも厳しくなってきているので、五年目辺りで筐体ごとアップデートしそうな気配は濃厚なのだが、それにしてもここまで「今まで登場したアイドル達全員集合」みたいなOPをやられると、今のメンバーでの話が四年目で完全に終わりそうで全くもって穏やかじゃないぜ。
ののリサにも期待が持てるし、『アイカツ!』はこれからどうなっていくのだろうか。色々楽しみだなぁ。



ようやく第三章の配信予定が発表された『Fate/Grand Order』。サーヴァント軍団と死闘を繰り広げる「ネロ祭~勝ち抜け熱闘コロシアム~」にミスオリオンと共に団子を強奪する「月の女神はお団子の夢を見るか?」と様々なイベントや英雄王&坂田金時の登場で話題を切らさない努力を続けてきた本作だが、ようやく配信される事が決まった第三章でまた色々と大きく変化していく事だろう。第三章の舞台となるオケアノスは、『Fate/Zero』でも屈指の人気を誇る征服王イスカンダルが夢に見て追い求めた土地。その土地を舞台にどのような物語が紡がれるのだろうか。征服王イスカンダルの登場にも期待したいところだが、さてそんな本作のシナリオを手掛けるのは桜井光と東出祐一郎だ。
桜井光は『Fate』シリーズの原型である『Prototype』にて語られる八年前の聖杯戦争を描いたスピンオフ作品『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』とその外伝小説『Fate/Labyrinth』を、東出祐一郎は七騎対七騎でサーヴァント達が入り乱れて戦う「聖杯大戦」を描いた小説『Fate/Apocrypha』を手がけており、どちらも「『Fate』シリーズとは縁の深い」と言ってもいいほど馴染みのあるシナリオライターである。二人共「自分なりの『Fate』」と言う持ちあわせており、『Fate/Grand Order』でもその二人の『Fate』は発揮されている。第一章のジャンヌ対ジャンヌ・オルタなどは東出祐一郎の少年漫画的作風を感じさせるし、第二章のロムルスとの邂逅で悩むネロと、その迷いを振りきって皇帝であらんとする姿は桜井光がこれまで描いてきたヒロイン達の強さを彷彿とさせる。そんな二人の『Fate』をも内包する本作だ。本作をプレイしていて二人の『Fate』以外の作品に興味を持った人もいるだろう。
そこで二人の作品で個人的に面白かったタイトルを二本づつほど取り上げたい。

■ライアーソフト『黄雷のガクトゥーン』

シナリオライター・桜井光の代表作といえばスチームパンクシリーズである。
このスチームパンクシリーズは全ての作品で桜井光が企画原案とシナリオを手がけており、その独特の世界観とキャラクター描写は高く評価を得ているのだが、その中でも個人的に特に面白かったのが2012年にリリースされた『黄雷のガクトゥーン』だ。
スチームパンクシリーズでは蒸気技術の発展により我々の知る現代とは違った歴史を歩んだ世界が舞台となっているシリーズなのだが、本作の舞台となるのは二十世紀初頭のフランスはマルセイユ湾に浮かぶ学園都市。「密かに秘密結社による支配が完了し、学生であっても卒業しないかぎりは外に出られない」というこの学園都市にやってきた自称72歳の青年ニコラ・テスラは、転校初日に学園統治組織への反抗と学生達を救うことを宣言する――というところから物語の幕は開ける。
電気を操り、学生達を救うために戦うヒーロー、ニコラ・テスラ。その活躍を描いた王道ヒーローアクション物という装いの本作だが、作品が醸し出す空気感はジュブナイル物に近い。身分違いの恋愛など学生達が若いが故の割り切れない青い感情とすれ違いが怪事件を生み出すのだが、ニコラ・テスラはそんな怪事件に対して毅然として立ち向かい、彼らの悩みにも向き合っていく。そんなニコラ・テスラのヒーロー然とする姿は凛々しく、そして格好良い。
とりわけ物語のクライマックスではニコラ・テスラの弱さとその弱さが故の強さを見せるため、是非とも見ていただきたい。
なお本作には一年後を描いた続編『黄雷のガクトゥーン: シャイニングナイト』が発売されており、こちらも面白い作品となっている。

■ライアーソフト『漆黒のシャルノス』

『Fate/Grand Order』では章ごとに世界各地様々な場所が舞台となっているが、第四章では1988年のロンドンが舞台となる事がアナウンスされている。そんなロンドンを舞台にした作品が桜井光の手がけた作品の中にもある。『漆黒のシャルノス』がそれである。
物語の舞台となるのは1905年のロンドン。<<怪異>>と呼ばれる怪物と遭遇した事により意識不明になった親友を救うため、謎の男――The Mと契約したメアリ・クラリッサ・クリスティは異界と化したもう一つのロンドン「シャルノス」を駆ける事になる。
本作で面白いのはゴシックホラーテイストの作品になっていることだ。ロンドンに現れ、メアリを狙う怪物。そんな怪物から逃げるメアリの恐怖心を堪えながらも前へと進む気持ちをゲームシステムの中で見事に表現している。ゲームパートの難易度こそさほど高くないものの、メアリの感情をユーザーに擬似的に体験させるギミックとしては非常に面白いもので、物語への没入感に一役買っている。
また本作の鍵となるのは「絶望が待ち受ける明日を夢見ることを辞めた者」と「諦めない心」である。この辺りの落とし込みも見事で、AKIRAが描く意思の強さを感じさせるキャラクターデザインや藤野由佳がアコーディオンとして参加すると言う豪華絢爛な音楽も相成って、非常に魅力的な作品だ。

■ガガガ文庫『ケモノガリ』

東出祐一郎はライトノベル作家としても活躍しているが、そんな東出祐一郎作品の中でも個人的に氏の作風が特に現れていると思う作品が『ケモノガリ』だ。ガガガ文庫から2009年に発売され、2014年に全八巻で完結したこの『ケモノガリ』だが、その物語を簡単に言えば「金持ちや権力者の殺人ゲームの獲物に選ばれた高校生が、その殺人ゲームの中でその狩猟者としての才能を開花させていく」というものだ。一巻こそサバイバル物の要素を含んでいるものの、二巻以降は世界各地を回って殺人ゲームの主催者達とその配下となった殺人嗜好者達と戦っていくアクション小説である。そのため一巻で見られたサバイバル要素や友達が次々と殺されていく絶望感は非常に薄くなっているのだが、そのバイオレンス性はどの作品も共通。ゲテモノ兵器に悪趣味極まりない殺人ゲームの数々にはクラクラするのだが、敵の思惑を超えて数々の困難を打ち砕き、傷つきながらもヒロインを守るために敵を倒していく主人公の姿は非常に逞しい。
「敵が強いからこそ爽快感がある」。本作はそんな作品である。爽快さも含めて楽しんで欲しい。

■『吸血大殲』

東出祐一郎といえばこれを上げざるを得まい。この『吸血大殲』は氏がアマチュア時代に発表した二次創作小説である。
タイトルにも「吸血」とあるように、本作は「吸血鬼」が登場する作品のクロスオーバー作品であり、『月姫』や『HELLSING』『吸血殲鬼ヴェドゴニア』などの様々な作品を一つの世界観に共存させ、幾つかの事件が一つの大きな物語の流れを作り出していく。
二次創作でこそあるものの、氏のHPにて執筆分は全て公開されており、全四部と読み応えも十分。
氏の作品に対する深い敬愛の心が伺える快作である。

From dusk till dawn



ハロウィンイベントは奈須きのこ監修シナリオと、『Fate/Grand Order』はシナリオにも力を入れたタイトルである。そんなシナリオを執筆したクリエイターの作品に触れれば、きっとその魅力も伝わるはずだ。今回の記事がそんな魅力へアクセスする際の指針となったのなら幸いである。

ところで『Fate/Grand Order』のマリーアントワネットがやたらかわいい件について。
あれも桜井光だと聞いて「流石だなぁ」と思った次第。

  

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4件のコメント

[C1629]

ハロウィンイベントは奈須きのこ書き下ろしじゃないぞ・・・
twitterで「奈須 監修」で調べれば何故か削除された日記の画像が出てくる。

[C1630] 承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

[C1631] Re: タイトルなし

ありがとうございます。修正かけました。
  • 2015-10-19
  • 水音
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[C1635] 承認待ちコメント

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