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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』メインキャラの配置の巧みさについて

『アクエリオンロゴス』。一話を見た時から「戦隊ヒーロー物のシナリオ構造だな」という印象は受けていたんだけど、まさか本当に戦隊ヒーロー物を意識していたとはなぁ。驚きである。「戦隊ヒーローを参考にしているロボットアニメ」としては最近では『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』なんかもそうなんだけど、そういう作品がシナリオ面に関しては一定以上の評価を得ている辺り、メインキャラクターが多い作品にとっては「戦隊ヒーロー物の作劇スタイル」っていうのは「一つの答え」と言ってもいいものなんじゃないだろうか。実際面白いしなぁ、戦隊ヒーロー物。『ニンニンジャー』の詰め込みコメディドラマっぷりは前番組との落差もあって、「付いて行けない」と思うことがなくもないのだが。
しかし『アクエリオンロゴス』は河森正治が殆ど関わってない『アクエリオン』なんだけど、きちんと『アクエリオン』らしさを押さえつつ、物語でもキッチリ見せてくるのでとても面白い。アクション面でも戦闘フィールド形成系ということもあって、無限拳の解釈を変えつつ面白い映像を作っているし、各種アクエリオンのデザインもなかなかよい。新たな『アクエリオン』であるとともに『アクエリオン』というシリーズを続けていく方法としてはこの『ロゴス』のやり方というのはいいんじゃないだろうか。少なくとも自分は好きだなぁ。
スパロボに早く参戦していただいて、佐倉綾音で無双させてください。お願いします。



自分達を囮にして逃げ出した大人達に見切りをつけて、自分達の力で生きる場所を勝ち取ろうとする少年兵士達の姿を描いた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。「ガンダムシリーズの生みの親」である富野由悠季監督による『ガンダム Gのレコンギスタ』の放送終了からさほど間隔を開けること無く放送開始となった「ガンダムシリーズ」の最新作となる本作はロボットアクションや「大人達への反逆」という分かりやすい面白さとシビアな価値観を上手く織り交ぜており、今期放送開始となった作品郡の中でも特に注目度が高い作品の一つである。
現在五話まで放送されている本作だが、視聴していて面白いのは「メインキャラクターが絶妙な位置に配置されており、誰か一人に物語を背負わせていない」ということだ。全員が全員とも物語を背負っており、それぞれの戦うべき「戦場」を見事に描いている。
例えばオルガはCGSを抜けた少年兵達で結成された鉄華団の指揮官であり、鉄華団全体を総括するリーダーとして位置づけられており、その戦場は一兵士達である三日月達と比べると戦術よりは戦略寄り。先の先をも見据えた立ち回りを要求されており、鉄華団全体の勝利を目指す戦場に身を置いている。その辺りの自覚については五話におけるユージンとのやり取りでも表現されている。
一方、オルガの相棒であり主人公として位置づけられている三日月は徹底して「ガンダムパイロット」「兵士」として描かれている。
オルガに全ての判断を委ねるほどの全幅の信頼を寄せている三日月だが、とにかく彼はオルガという指揮官の命令に従って戦う兵士として描写され、オルガの命令があれば躊躇なく人を殺す存在である。また子供が戦場で兵士として戦っている事について疑問を呈するクランクのような存在にうんざりとする姿を見せている点からも彼が「兵士」として配置されている事が分かるだろう。
また「兵士」としては昭弘との比較もとても面白い。三日月がオルガに判断の全てを委ねているのに対して、昭弘はあくまで自分自身の意思でオルガに付いて行くことを選択しており、三日月とは違う「兵士」の姿を見せている。こうした配置もまた魅力的だ。
ビスケットはビスケットで最前線に立つことが多いオルガの副官として立ち回り、オルガでは気づけなかった点に気づいて情報を回したりと兵士達のバックアップを務めるなど魅力的な「参謀」として描かれているのだが、オルガに反抗的な態度を見せるユージンはメインキャラクターで唯一の「常識人」だ。彼の存在が面白いのは、オルガやビスケットや三日月といった「卓越したスキルを持つ存在達」とごくごく普通の人達を繋いでいる事で、ユージンの存在によってオルガ達の能力の高さや戦略のトンデモさ加減に気付かされる。また彼のようなある意味「普通の視点」がある事で、鉄華団の中にも色々な人がいることがよく分かる点も大事なところだろう。
ここまで鉄華団の立ち位置についての話をしてきたが、物語の中心にいるのはクーデリア・藍那・バーンスタインである。そんな彼女の立ち位置はどうなっているのかというと、彼女の立ち位置は物語が進むに連れて変化し続けている。
最初は「世間知らずで使命感に燃えるお嬢様」であったクーデリアだが、三日月との出会いやギャラルホルンのCGS襲撃によって自身が追い求める理想と現実の違いを知り、使命ではなく「今自分に出来る事」を模索し、その果てに人にはそれぞれ自分が戦うべき戦場があることを知った彼女は自分の戦い――地球のアーヴラウ政府との交渉を開始する、という変化に富んだ面白いキャラクターとなっている。現在は物語を牽引し、鉄華団を導く存在となっているが、彼女が今後どうなっていくのだろうか。またアトラも三日月を追いかけて鉄華団に加入するなどアクティブな姿を見せている。クーデリアだけでなくアトラの変化にも注目したいところだ。

敵として登場したマクギリス、ガエリオの両名とも面白いキャラクターとなっているが、気になるのはギャラルホルンの立ち位置だろう。なぜ彼らが火星都市の独立運動を疎ましく思っているかは未だ作中では描かれていない。現在の描写を見る限りでは「独立運動を好ましく思っていない」ぐらいの描写しかされていないのだが、ギャラルホルンを始め地球の人々はなぜ火星の独立運動を疎ましく思っているのだろうか。
その辺りが描かれる事で物語は今の「生活を守るための仕事」から大きく変化していくのだろう。その変化が現在の立ち位置に対してどのような変化をもたらすのだろうか。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。
物語全体の行く末も各キャラクター達の命運もとても気になる作品である。



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