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『STAR☆ANIS アイカツ!スペシャルLIVE TOUR 2015 SHINING STAR*』に見るライブ公演における作品再現について

劇場版ガールズ&パンツァー。内容としては「廃校阻止のために頑張ってきたのに、大人達の横暴で廃校決定。しかし生徒会長と母親達の働きかけのおかげで『大学選抜チームに勝利すれば廃校は阻止』と言う約束を取り付けた西住みほ達大洗女子は、島田流家元の娘が率いる大学選抜チームに挑む。「大洗女子八両に対し、敵は三十両。おまけにルールは殲滅戦」と大洗女子にとって圧倒的不利な状況。策もろくに立たないまま試合当日を迎えた大洗女子に助っ人としてやってきたのは、今まで戦ってきたライバル達だった! 短期留学制度で大洗女子に加わり、合計三十両のドリームチームとなった大洗女子は廃校阻止を勝ち取るため戦いに挑む!」という話で、上映時間120分ほどの中で90分ぐらいは戦車戦。「劇場版をやります」と聞かされた時に思い描いていた通りのものを、「劇場版」という豪華な舞台できちんと見せたエンターテイメント作品だったと思う。
テレビシリーズでは尺の都合や「フラッグ戦」と言うルール上「奇策からの一発逆転」が多かった中で、今回は正面から三十両対三十両という派手な戦いを描いており、特にファンでもない人間が見ても大変面白い戦いだったように思う。島田流と比べれば即席チームな分、上手く連携が取れてない部分はあるけど、それぞれの特色を活かして地力で勝る大学選抜チームを打ち破っていく姿は実に痛快。
「無駄な努力」と大人達が切って捨てた戦車道での全国大会優勝だけど、その「無駄な努力」で得てきたものが「無駄」と笑った人間たちの思惑を真正面から打ち破るのだから痛快極まりない。ただそれは視聴者視点での話であって、試合をする当事者達がそういうものを背負っていないのでこの辺は「神の視点ならではの面白さ」である。「余計なものを背負わせない」というのはテレビシリーズでもそうだったけど、今回は特にそういう部分に配慮したんじゃないかなぁ。
今回のゲテモノ兵器枠としてはカール自走臼砲とT28超重戦車の二つもあって、特にカール自走臼砲の初弾着弾シーンはゲテモノメカとトンデモ演出好きとしては死ぬほど好きだぜ……。あそこはエフェクトもSEも含めて最高すぎる……。
しかし今回「見ろ」と言われて『ガールズ&パンツァー』を見たけど、「水島努」と言う監督は作品の中に自身のエゴを持ち込まなさすぎて、「凄い」を通り越して恐怖すら覚える。普通エゴや「無意識なこだわり」って自然と作品に現れるものだと思うのだが、水島努監督作品にはそういったものが殆ど存在しない。
こだわりやエゴが強すぎると「狂気」だが、無さ過ぎるのもまた狂気だが、今回の『劇場版ガールズ&パンツァー』は特にそうした傾向が強く、水島努が今まで手がけてきた作品の中でも一際狂気じみた作品となっている。これを作れる監督は普通じゃないし、怪物だと思うので多額の予算を割いてオリジナルの映画とか作って欲しい。



昨今のアイドルアニメにおけるライブ公演は、高いレベルのライブパフォーマンスを求められている。
「アニメ本編でキャラクター達が行うパフォーマンスと同等レベルのものを、キャラクターを演じるキャスト自身によって再現される」ということがスタンダード化しつつあるからだ。
年々キャストに要求されるものは多様化し、ハイレベルなものを要求されているように感じられるが、アイドルアニメのライブ公演における「アニメキャラの再現」はその点においてはある種の極地ではないかと思う。当然それは難易度が高い事ではあるのだが、しかしそのハードさがあるために再現された時に発生する感動も一際大きなものとなる。
そんな「ライブ公演におけるアニメキャラのパフォーマンスの再現」という点において代表例と言えるのが『ラブライブ!』だ。当初はキャスト自身にやらせるつもりはなかったものの、1stライブで成功させて驚きと共に高い評価を集めた事で以降のライブではスタンダード化。『ラブライブ!』というコンテンツの一つの特徴にまであげられるようになった。
また「I-1 Clubが吸収する」というファン驚愕の新展開が発表された『WakeUp,Girls!』もまた「キャスト自身にアニメキャラのパフォーマンスを再現させる」という事を積極的に行っている。これは企画概要から鑑みるに当初から再現を前提にしていたと思われるが、その再現にはアニメキャラとキャスト自身の境界線を薄くなるような展開をしている『Wake UP,Girls!』だからこその面白さがある。
この流れは深夜アニメだけに留まっておらず、女児向けアニメのイベント公演においても浸透しつつある。
例えば『プリパラ』の主役六人を演じるI☆Risは『プリパラ』のイベントなどで「かしこま!」という作品を代表する名台詞を用いたり、作中でキャラクターが着用するサイリウムコーデに身を包んで、そのパフォーマンスを積極的に再現しようとしている。
イベントで発言した世迷い言まで筐体の方で収録されていたりと、アニメだけに留まらないコンテンツだからこその強みを活かした展開でファンを楽しませてくれる。二月にはミュージカルの開催が予定されており、主役六人をキャスト自身が演じる事がアナウンスされているが、どういった演出になるのか期待が高まるところだが、バンダイナムコとランティスが展開している『アイカツ!』もまたそうした流れの中に身を置く作品であるが、『アイカツ!』の特異なのは作中ギミックを活かして作中楽曲を歌うキャスト(≠声優)を作中に登場するアイドルとしてショーアップしている点だ。
『プリパラ』『ラブライブ!』『Wake Up,Girls!』と上げてきたが、これらの作品は全て本編でキャラクターを演じる声優が作中楽曲を歌っている。しかし『アイカツ!』は本編でキャラクターを演じる声優とは別に、作中楽曲を歌う役者(リアルアイドル)達がキャスティングされている。
本編でキャラクターを演じる役者がボイスアクター(=声優)なら、作中楽曲を歌うアイドル達はいわばボーカルアクターだといえるだろう。一人のキャラクターに二種類の役者がいるからこそ、キャラクター達は歳相応の姿を見せる本編とライブステージでのギャップが魅力的なのだが、ライブ公演においてもその辺りを意識してかステージに立つボーカルアクター達はアニメで彼女達が演じるあのアイドル達へとショーアップするために、アニメと同じ振付のダンスパフォーマンスはもちろんのこと、作中でアイドル達が愛用するブランドをイメージした衣装や「オケオケオッケー」や「世界の中心はここね!」といったコール&レスポンスなどのギミックが導入されており、ステージに立つボーカルアクター達を全編に渡ってアニメに登場するアイドル達のように感じさせてくれる。
今年五月から初夏にかけて行われ、11月にソフト化された『STAR☆ANIS アイカツ!スペシャルLIVE TOUR 2015 SHINING STAR* 』において、とりわけ印象的なギミックは『アイカツ!』本編でも毎週用いられているアイカツシステム起動時のBGMの用い方だ。
毎話での見せ場となるライブシーン直前で用いられる事もあって、「アイカツ!といえばこの曲」という印象の強い楽曲だが、このライブでは前説を務めたAIKATSU☆STARS!の直後、本編直前に用いられるということもあって、ステージに立つ彼女達がまるで「アイカツシステムを通過してステージに立っている」かのような錯覚をもたらしてくれる。
ステージ全体の活かし方も上手く、セットリストもいちご世代二年間の物語の中から鉄板曲を押さえながらも、ファンなら「おっ」と言いたくなるようなツボをついた選曲となっており、光作中に登場するスターライト学園とドリームアカデミーの両校合同ライブのような趣きすら感じさせるライブに仕上げられている。
前述したように「アニメキャラクターのパフォーマンスを再現させる」ということはスタンダード化しつつあり、珍しい事ではなくなっているが、「見ている子供たちに色んな音楽に触れて欲しい」というメッセージを込めるほど音楽に対してこだわりを持つ『アイカツ!』だけあって、BGMの用い方という点においても白眉なものを見せたこのライブは「イベント公演における作品の再現演出」において重要なライブだといえよう。
様々なブランドが登場し、また当時の最新曲だった「恋するみたいなキャラメリゼ」まで登場するこのライブは『アイカツ!』と言う作品に触れる入り口としてはパーフェクトなライブ公演である。

来年3月19日から21日にかけてはSTAR☆ANISとAIKATSU☆STARS!の合同ライブが予定されているが、『アイカツ!』四年目からはアイカツシステム起動時のBGMが変更されている事を踏まえてどういう演出がされるのか気になるところだ。
熱いアイドル活動、『アイカツ!』。ボーカルアクター達がつくり上げるそのライブ公演もまたアイカツ!である。



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