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『アイカツ!』茨の覚悟で目覚める求道者としての「アイドル」について

灰と幻想のグリムガル。友人が関わっている案件ということもあって、視聴しないわけにはいくまい!と気合を入れて視聴してみたのだが、どこか懐かしさを感じさせる背景美術と淡い色合いを基調とした色彩センス、そして劇伴の優しい旋律と合わさって作品世界を徹底的に堪能させる作りになっていて、物凄く穏やかな気持ちにさせてくれる不思議な作品に仕上がっていた。
いや正直これは凄いと思う。派手さは全く無いんだけど、見ていて居心地の良さを感じさせる。そう思わせるのはやっぱり作品自体がスローテンポながら様々な部分で雰囲気づくりに成功しているからで、その雰囲気だけで十分に楽しませてしまうのだから凄いというしかない。劇伴も会話も無くても間が持っているというのも凄すぎる。何なんだこの作品。
話自体はまだ何ともいえないのだが、ここからどうなっていくのだろう。
続きが気になる作品だなぁ。



昨年夏に公開された劇場版アニメ『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』のソフト発売を目前に控えた『アイカツ!』。「シリーズ初のイベント型劇場版アニメ」ということもあってスマホアプリ連動による仕掛けや3D映画化など、挑戦的な仕掛けを無数に施す事で、「映画」ではなく「イベント」として徹底的に楽しませてくれたあの『ミュージックアワード』がもう一度、今度は自宅でも見られる!という事はとても「アツい」ことだ。
そんな『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』の発売日は2月2日。心を熱くして待ちたいところだが、そんな『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』に負けないぐらい、本編も熱い盛り上がりを見せている。

「出会いによって私たちは変わることが出来た」という経験から「皆に会いたい」という想いを胸に、ルミナスとして全国ツアーを開始した大空あかり、氷上スミレ、新条ひなき達。全国を飛び回った事で出会えた大地ののと白樺リサの二人を始めとする各地のアイドル達や大勢のファン達が彼女達をまた一つ大きく成長させてくれた。
そんなルミナスの全国ツアーも「ファンとともに作り上げたホワイトクリスマス」という最高の形で幕を下ろした。そして、彼女達が待ち望んでいたスターライトクイーンを目指すための戦い――スターライトクイーンカップがまた今年も幕を開ける。
魅力的なアイドル達の中、誰がスターライトクイーンになるのだろうか。
「あかりGENERATION」と題打たれた今シリーズの集大成となるエピソードに突入した事もあって最終回まで期待したいところだが、そんなスターライトクイーンカップの開催が告げられた166話「私が見つけた最初の風」は主人公の一人である氷上スミレにスポットを当てた一話で、「氷上スミレ」というアイドルの物語としてクライマックスとなるエピソードだった。

このエピソードで重要なのは「氷上スミレはどんなスターライトクイーンになりたいのか」という事だが、そもそも「スターライトクイーンになる」という事は「スターライト学園の頂点に立つ存在として、スターライト学園のアイドル達全員を牽引する存在になる」ということでも有る。
三年連続スターライトクイーンの座を守り切った神崎美月やそんな神崎美月の後を引き継いだ有栖川おとめ、そして有栖川おとめの背中を見続けた事で「自分にしかなれないスターライトクイーン」となった北大路さくら。本作でスターライトクイーンとして君臨した存在達はいずれも「アイドル学校・スターライト学園」という存在を背負う存在として「自分の理想のアイドル」を追い続ける覚悟を固めた傑物ばかりだった。
理想とするアイドル像と相応の覚悟。
その二つが備わっていたからこそ彼女達は、「アイドル学校・スターライト学園の代表」という責任を背負わされても決して折れず、自分の追い求めた「アイドル」という姿で笑顔と共に立ち続ける事が出来たのだろう。スターライトクイーンは決して「憧れ」だけではなれないのだ。
そんなスターライトクイーンを巡る戦いに参加するというのだから、参加するアイドル達には当然のように「理想とするアイドルの姿」と相応の覚悟が求められていく。
ある者は自分にアイドルになるきっかけをくれた「皆の笑顔のきっかけになれるアイドル」という理想を胸に。ある者は「楽しくなれるアイドル」という夢を胸に、スターライトクイーンを目指す事を決意するのだが、しかし氷上スミレには彼女達にはある「理想とする姿」がない。スターライト学園を目指したのも「姉が勧めてくれたから」という理由だし、「自分が勝利することで傷つく人がいる」という現実を受け止められるだけの覚悟も持ち合わせていない。言ってしまえば彼女にはスターライトクイーンを目指すための資格が無いのだ。親友である大空あかりや新条ひなきは既に持ち合わせているにも関わらずである。
だからスターライトクイーンを目指す戦いの幕開けの感動に震えながらも、彼女だけは「目指すアイドルとしての理想」も、結果として誰かを傷つけてしまう事への覚悟もないことに悩んでしまうのである。
しかしアイドルを始めたきっかけこそ「他人に勧められたから」であったものの、彼女がアイドルとしてここまで走り続けられたのは彼女の胸の中に「目指すアイドルの形」が最初からあったからだろう。
親友たちと語り合う中で彼女は己を見つめ直し、自分なりのアイドルの形をついに見つけ出す。
それは「歌でアイドルの道を極めたい」という『求道者』という形。
自分なりのアイドルの姿を見つけたことで覚悟と自信をその身に宿した氷上スミレは、より強く輝くアイドルへの変貌を遂げる。
そのことは夢小路魔夜とのやりとりからもよく分かる。
彼女はあの時「自分が一番」だと言った。「いつかはきっと……」と自分の好きな気持ちにすら「誰よりも一番」という順位をつける自信すらなかった少女が、である。その「自分が一番」と信じられる自信は、氷上スミレが最初に出会った時よりも遥かに強く、そして眩しいほどの輝きを放つアイドルとなった事の何よりの証明だ。
今の彼女はもう一人で何でも出来る、強い「アイドル」なのである。

この話ライブパートでもその点は意識されているのか、「いばらの女王」というオケオペラ調の楽曲の中で氷上スミレの自信と覚悟を感じさせる凛々しい表情や姿などの記号が随所に散りばめられている。
「輝きの中 進むの」でワンポイントで差し込まれる逆光の中で歩む姿や「夢や光や歌が美しい事を伝えるためなら、感情を偽ることすら受け入れる」という歌詞など、今回手にした自信の溢れた凛々しさが存分に表現されており、氷上スミレの成長具合がとても印象的だ。
彼女が選びとった運命が眩いものであることを物語る表情も素晴らしく、パワーアップした氷上スミレの魅力がたっぷりに仕上げられている。氷上スミレの物語の一つの到達点としてこれほどまでふさわしいものはないだろう。生まれ変わった彼女の美しさの宿った素晴らしいライブであった。

主人公三人の中で一歩先んじる形で「スターライトクイーン候補」としての実力を示した氷上スミレだが、大空あかりや新条ひなきも負けているわけではない。大空あかりはチームメイトである瀬名翼との絆をより強固なものとし、新条ひなきはヴィヴィッドキスのミューズだ。
その他のアイドル達も氷上スミレに触発される形でより高みを目指していくだろう。
スターライトクイーン候補達がどのようなステージを見せてくれるのだろうか。
彼女達のアツいアイドル活動は今アツく燃えている。




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