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『ブブキ・ブランキ』『ナースウィッチ小麦ちゃんR』2016年1月のアニメにおける3DCGの注目点について

FGO。年末年始イベントの代わりに新章追加で年末年始を乗り切る戦略は正しかったと思うのだが、その後に始まった今イベントが面白いかというと、それはもう「『これまでのイベントで一番面白かった、グダグダ本能寺の人の帰還』というだけで面白い」というしかないのです。謎のヒロインXのデザインとか色々言いたいことはあるけどな! 「私以外のセイバーは死ね」ってお前、アサシンじゃねーか!
全体的にはグダグダ本能寺と同じ作りなのでその面白さはほぼ変わらない。大きな変更点も特になく、プレイした感じでもそこまで大きな変更点は見受けられない(強いて言うなら高難易度クエストが充実している、とかそれぐらい)。なので面白いっちゃ面白いんだけど、「報酬がセイバーリリィ」というのはなぁ。セイバーリリィ、星3よりは強いのだが星4と比較すると見劣りするし……。単体宝具ならまだしも全体じゃあなぁ。まあ「股間から伸びるビーム」というだけで面白いといえば面白いのだが。
ちまちまと石稼ぎがてら流しつつプレイするかなぁ。元々やることなくて、ジャックの育成以外やってないから、それぐらいなら付き合う気になる……。黄金の果実も70個ほどあるしね。



アニメーションにおける3DCGを取り巻く環境は短い時間で大きく変化し、一年前には画期的だと持て囃されていた事でも一年後には普通となっている事も多い。
『プリティーリズム・オーロラドリーム』が毎週のように3DCGで作品の最大の見せ場である「プリズムショー」と呼ばれるエンターテイメントショーを表現してきた時には度肝を抜かれたし、続く『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』で一話ごとに衣装を変えてプリズムショーをやった時には「物語上自然ではあるけど、凄い事をやっている」と思ったものだが、『アイカツ!』や『プリティーリズム』の後継作である『プリパラ』ではそれが当たり前のこととして扱われている。(余談だが、『プリティーリズム・レインボーライブ』で男性キャラがプリズムショーをやった時の驚きと感動はあの時リアルタイムで見ていたからこそのものである。そんな『プリティーリズム・レインボーライブ』のスピンオフ作品である『KING OF PRISM』では男性ならではのパワフルなパフォーマンスを、3DCGで見事に表現しているので、時代の目撃者になるためにも是非見に行くべきだと言っておこう)
フル3DCGによって制作されたTVアニメの登場からそれなりに長い時間が過ぎたものの、以前本数そのものは少ない。しかしながら定期的に登場しているところを見ると、もはや「フル3DCGである」ということが注目点になる時代は過ぎ去ったと言ってもいいだろう。
しかしそれは「フル3DCGアニメ」は今や珍しいものではなく、「アニメの一様式」として定着した(あるいはしつつある)という事でもある。これまでアニメに携わってきたCGクリエイター達は、今「アニメの一ジャンル」となっている事を誇っていいし、これまで尽力してきた全てのクリエイター達は賞賛されるべきであろう。
昨年CG業界専門誌である『CG WORLD』が『CGWORLD大賞 2015』というものを開催していたが、今年もこういう企画は続けていただき、凄い事をしたクリエイターや制作会社達を「評価する場所」となっていただきたいと、毎月購読しながら思う次第である。

さて、2016年もまもなく一ヶ月経とうとしている。新番組も一通り「この作品の面白さとは何か」ということをアピールし終わった頃だろう。
自分は谷口悟朗総監督によるパワードスーツ×ポリスアクション作品の『アクティヴレイド』、信者と公言するほど大好きな京極尚彦監督による『GATE』、梅津泰臣が絵コンテを手がけ、おそらくロトスコープを用いたOPで熱い『ディメンションW』、背景美術と劇伴による作品世界への浸らせ具合がたまらない『灰と幻想のグリムガル』辺りに楽しませてもらっているのだが、「3DCG」と言う観点から言えばやはり『ブブキ・ブランキ』と『ナースウィッチ小麦ちゃんR』の二本は個人的に見逃せない作品だ。

『ブブキ・ブランキ』は岸誠二監督によるフル3DCG作品、『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』の制作を手がけた3DCG制作会社「サンジゲン」の十周年記念作品として制作されたオリジナルアニメ作品である。3DCG制作会社が製作を手掛けるということからも分かるとおり、本作は「全編フル3DCG」という「フル3DCGアニメ作品」で、『アルペジオ』でも見られたデフォルメ表現やアニメ的な表現がより発展した形で取り入れられており、「今現在のサンジゲン」というものを肌で感じられるような作品に仕上げられている。
その他の特筆事項としてはやはり「凄まじい物量のアイテムや人を自然に演技させている」ということがあげられるだろう。
一話や二話を見ても分かる通り、本作において描かれるものの物量は半端ではない。主人公達が使用する武器、ブブキにしても複数のパーツで構成されているし、それらのパーツの中には複雑に干渉しあうものも多い。ここまでくると自然な動きにするのにも並々ならぬ苦労がかかるはずなのだが、本作を視聴していて各種アイテムの動きやエフェクト周りの動きに違和感を感じる事は殆ど無く、また「次は二度と使わないだろうな……」と思えるような「生まれたての子猫に乳を飲ませる母猫」みたいなものまできちんと表現している。「そこまでするか!?」というものまでわざわざモデル自体を用意して演技させているのだから、本作の演出家もアニメーターも色んな意味で凄まじい。
ブブキ同士が合体して誕生するブランキとの戦いはおそらく本作の見せ場となるために用意されたものなのだろう。
「全員が意思を一つにしないと動かせない」という設定を反映して、一人が突っ走っている時は他のパーツは脱力され、意思が統一されているときは力強く立ちまわるなど上手に表現されている。
物語自体は二話まで見なければピンと来ない点があるものの、「サンジゲンの全力」ということもあって結末まで目が離せない作品だ。

『ブブキ・ブランキ』が豪速球であるのなら、『ナースウィッチ小麦ちゃんR』は変化球だ。
『The Soul Taker 〜魂狩〜』のスピンオフ作品として制作されたDVD作品『ナースウィッチ小麦ちゃんまじかるて』のリメイクにして初のTVシリーズとなる本作だが、最大の注目点は『プリパラ』でライブ演出を担当する菱田正和の弟子となる今中菜々が演出するライブパートだ。
サイリウムの表現や浮遊するステージでのアニメーションなど、『プリパラ』での経験が生かされたハイクオリティなライブパートに仕上げられているのだが、本作が恐ろしいのはこれも含めて「アイドルアニメのパロディ」として機能していることだ。
元々『小麦ちゃん』自体が「魔法少女パロディ」という要素を持つ作品なのだが、本作ではその「魔法少女パロディ」にハイクオリティなライブパートを付け合わせる事で、3DCGで描かれる事が多い今のアイドルアニメのパロディ的側面が持たされており、原典の根幹にあるパロディ要素がより進化したものとなっている。
深夜アニメであるためか、このライブパートでは『プリパラ』では絶対にできなかった乳揺れなども発生しており、パロディとしてのこだわり具合が半端ではない。
日本テレビ系であるため、関東以外では低画質なネット配信を頼るしかないのが難点だが、「3DCGによる素晴らしい出来のライブパートそのものが既にパロディ」というのは着眼点としてはユニークだ。

『プリキュア』がセルルックという今主流となっている方向性から外れる事で新たな表現を見つけたように、アニメにおける3DCGも様々な変化が起きていくことだろう。その変化の兆しを見るためにも、3DCGという観点から業界を見守っていくのもありなのかもしれない。





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2件のコメント

[C1655]

今期の3DCGアニメといえば亜人もあると思うのですが、この流れで名前が挙がらないのはなにか今ひとつだったのでしょうか
個人的にはブブキブランキより人物のデザインがのっぺりしている分、動きはより手描きアニメに近いと思います。

[C1656] Re: タイトルなし

『亜人』は「劇場版と同一素材を用いて別の監督が映像にしている」と言う作品なので、まだ見れてない状態では向き合い方として美しくないなーと思いまして。
アニメーション全体の出来で言うのなら、仰られる通りデザイン面で線が少ない事や製作を担当するポリゴンの経験値蓄積による上手い中割りもあって、リミテッドアニメに近い印象を受ける作品に仕上がっていると思います。
  • 2016-02-25
  • 水音
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