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『魔法つかいプリキュア!』東映とシリーズが一周するプリキュアについて

キングオブプリズムのバレンタイン応援上映会に出席してきたんだけど、やっぱりキングオブプリズムの煌めきは本物だった。「応援上映会は初めて!」と言う人が滅茶苦茶気合の入れた格好でやってきたりするし、連れられてきただけの人でも次第に慣れてサイリウムをちゃんと振ってたりする。こういうのはいいよなーと思いながら見てたんですけど……ミナト先輩にバブみを感じる人多すぎだろ、京都会場!!!いや確かにバブみを感じないわけではないけど、予想以上にバブみを感じる人が多い多い。ミナト先輩が出てくるだけで「ママー!!」と黄色い声が上がるのは面白すぎるでしょう!? なんだこれ!
全体的には第二回とかなのに練度の高い会場で最高だったなーと。法月仁の挙動に合わせて皆サイリウムを振るし、杖をペシペシしようものなのならちゃんとペシペシする。「その時は……殺す!」では「殺す!」と皆で叫ぶ。「応援上映会」の楽しさって「皆で同じものを見て盛り上がれる」と言うものだと思うんですけど、本当に楽しかった。バレンタイン上映会、企画してくれてありがとうと伝えたいですね。



今年2016年は『魔法使いサリー』の放送開始から50年に当たる一年だ。それはつまり「『女児向けアニメ』というジャンルが誕生してから今年で50年」ということでもある。
そんな東映アニメーションにとって一つの節目となる一年に制作された作品が『魔法つかいプリキュア!』だ。
2004年から展開されているプリキュアシリーズの第13作品目となる本作はシリーズとして初めて「魔法つかい」をモチーフとして起用。魔法界からやってきた少女と人間界で暮らす少女が出会い、共に成長していく――という「繋がり」を意識した王道的な物語が展開されている。
本作で注目なのは東映アニメーションが最初に始めた『女児向けアニメ』というジャンルに類型される作品のオマージュ的な要素が随所に込められている事だろう。
例えば「魔法界」という異世界からやってきた少女・リコは「魔法界から人間界にやってきた少女」という点で『魔法使いサリー』の夢野サリーを彷彿とさせるものだし、そんなリコと出会って伝説の魔法使いであるプリキュアへと変身し、魔法使いとして修行をすることになる人間界の少女・朝日奈みらいは『ひみつのアッコちゃん』の鏡アツ子を想起させる。
『魔法使いサリー』のような「魔法などの超常の力を先天的に所有する」というタイプを「先天的魔法少女」、『ひみつのアッコちゃん』のような「様々な理由で後天的に超常の力を取得する」というタイプを「後天的魔法少女」と分類する事もあるが、今回の『魔法つかいプリキュア!』はそのどちらもが主役級と、『魔法使いサリー』『ひみつのアッコちゃん』の二作を制作した東映にしか出来ない熱い主役像を構築している。
一方で『美少女戦士セーラームーン』以降、魔法少女の文脈に組み込まれ、プリキュアシリーズの魅力の一つとなっている「バトル」「複数ヒロインに依るスーパー戦隊路線」と言った要素は本作でも健在なのだが、本作では殴る・蹴るといった「格闘系アクション」の中に箒などの「魔法使いらしいアイテム」を組み込んでいたりと、「魔法使い」と言うモチーフを印象づけるアクション芝居がされており、「あえて魔法使いをやることの意味」とその自信が窺える。
物語面においても「魔法学校での修行」という点では『ハリーポッター』シリーズからの流れを思い出させるが、「見習い魔法使いが修行する」という点で言えばプリキュアシリーズよりも前に制作され、「日曜朝8時30分」という枠を定着させた『おジャ魔女どれみ』の流れを汲むものだとも言えるだろう。
まだ始まったばかりで今後の展開次第とはいえ、こうした点からは「50週年記念」という一つの節目として総決算的なものを感じてしまう。

また「東映制作の魔法少女アニメ」を一周させるような作りである一方で、本作は「プリキュア」としても一周させるような作品に仕上げられている点も面白い。
初期シリーズの『プリキュア』は「変身する少女達が互いに手を繋いで変身する」と言うスタイルが基本となっていたが『Yes!プリキュア5』以降、プリキュアに変身する少女達はそれぞれ一つづつ変身アイテムを持って変身する!というスタイルが定着。『スイートプリキュア♪』で一時的に復活したものの、基本的には『Yes!プリキュア5』のスタイルを踏襲する形となっていた。しかし本作では久しぶりに「二人が手を繋いで変身」というスタイルが取られており、両者の絆が印象深くなっている。
「手を繋ぐ」というスタイルの復活は本作のテーマが「手を繋ぐ」である事に起因するもののようだが、「二人一緒でなければ変身できない」という制約があるからこそ「相手の事を理解し、互いの良さを認め合う」ことでの強さが生まれる。
全く相反する性格の二人が手を取り合うからこそ生まれる強さで今日まで続くシリーズの道を切り開いた『ふたりはプリキュア』。そんな『ふたりはプリキュア』を原点に持つプリキュアシリーズの最新作として、これほどまでに熱い復活もない。

『フレッシュプリキュア!』以降すっかりお馴染みとなった3DCGによるエンディングアニメーションだが、前作の『Go!プリンセスプリキュア』でフル3DCGによる短編アニメを制作した経験を活かして、単に「ダンスしている」というだけではなく芝居を組み込んだダンスへと変化を見せている。
箒をギターに見立てて奏でる、二人のプリキュアが背中を預け合う、手を繋ぐなどの仕草はこれまでのプリキュアのダンスではあまり持ち込まれてこなかった。特に「箒をギターに見立てる」と言う演出は本作のエンディングの最も特徴的な部分ではあるのだが、こうした芝居を込めたダンスを出来るようになったのは『Go!プリンセスプリキュア』の経験があったからではないだろうか。
常に一段階上の新しい表現を求められているプリキュアのエンディングだが、本作のエンディングは前シリーズまでの積み重ねを感じさせる見事な出来である。

プリキュアシリーズでありながら、どこか懐かしさを感じさせる作品となった『魔法つかいプリキュア!』。
女児向けアニメの次の50年を東映がどうデザインしていくかも含めて注目していきたい。








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