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『逆襲のミルキィホームズ』七転八倒で未来へ進む敗者達の物語について

キンプリ。リピーターが多い作品なので、友人知人から「何回ぐらい見てるの?」と聞かれるので書いておくと、現段階で53回を見てます。うち六回ぐらいは応援上映会での視聴で、その六回のうち一回は舞台挨拶、一回はグンナイ上映会ですね。去年『劇場版プリパラ』を30回ほど見た時に「ここまで見ることはない」と思っていたんだけど、まさかキンプリでここまで見ることになるとは思ってなかった。キンプリは凄い。
こういう視聴回数の話になると「回数を競っている」と言われますが、自分としては別に回数を競っているわけではないです。「もっと深く作品を理解しよう」「もっと作品を楽しもう」と思って通ってたらこれぐらいになってたってだけの話です。
キンプリは台詞ではなく行間で語る部分も多いので何度も何度も見ないと分からないことが多い。だから何度も見て作品を理解しようとすると複数回どうしてもかかってしまう。まあ25回目ぐらいでストーリーは大体理解して、それ以降は音楽やプリズムショー演出の方に着目して見ていたり、友人をキンプリへ誘ったりしてたんですけど。
またキンプリには「応援上映会」という「今しか味わえないもの」があるのも大きいですね。同じ会場に同じ人が何度もいることはないし、その時の体調や気持ちなども考えると一度の応援上映会で体験できる事は一つしかない。そこも考えると、やっぱり応援上映会は六回ぐらい行くわな……。楽しいし。あと楽しいし。
そんなキンプリも今週末から来週末で終わってしまうので、見ていない人は早く見に行こう。大丈夫。優しくするから(コウジ君が)。




2009年からブシロードが展開しているメディアミックスプロジェクト「Project MILKY HOLMES」。その名の通り、未熟な四人の少女探偵達を描いたゲーム『探偵オペラミルキィホームズ』を原作にしたプロジェクトで、アニメ、漫画、音楽などへと展開を開始。2014年9月には2nd STAGEへと移行し、アニメ第四期シリーズ『探偵歌劇 ミルキィホームズ TD』やソーシャルゲーム『トイズドライブ』など様々なメディアで展開する一大プロジェクトとなった。
そんな「Project MILKY HOLMES」の一つの集大成として2月27日に封切りとなった作品が本作『劇場版 探偵オペラミルキィホームズ ~逆襲のミルキィホームズ~』である。
総監督を務めるのは一期、二期シリーズで監督を務め、最近では『プリパラ』で活躍している森脇真琴。脚本は一期、二期シリーズでシリーズ構成を担当していたふでやすかずゆきが脚本を手がけ、森脇真琴監督と縁の深い桜井弘明が現場を担当する「監督」としてミルキィホームズの世界に参加する。
物語はグンマから幕を開け、「トイズ」「怪盗と探偵のライバル関係」「皆を守る探偵のミルキィホームズ」「アルセーヌとアルセーヌに忠誠を誓った怪盗帝国」「明智小衣率いる警察官四人娘G4」というものをテンポ良く見せ、ミルキィホームズが再びトイズを失うまでをオチとして手際よくまとめている。『ミルキィホームズ』一期、二期シリーズの特徴といえば「色んなものを詰め込んだ物語」だが、『逆襲のミルキィホームズ』はまさにその「色んなものが詰め込まれた物語」であり、わずか七分で『ミルキィホームズ』の世界観と本作の導入部分を綺麗に説明し切り、劇場版であることを印象づける派手なアクションシーンまであるのだから石破天驚である。
ホームズが子孫に残した、敗者であればあるほど強大な力を与えるという「敗者復活の宝石」を巡るミルキィホームズ、謎の怪盗、G4の攻防もボケとツッコミの応酬の中でスピーディーに展開され、ミルキィホームズらしくアレンジされた「モリアーティ教授の復活」という驚きもあり、劇場版らしい共闘に熱くなれるなど、ストーリー面でも出来は抜群。一瞬足りともダレる事なく最後まで全力疾走しており、「映画となった『ミルキィホームズ』」として完成度の高い作品に仕上がっているのだが、本作で特筆すべきは何と言っても「七転八倒」だろう。
「七転八倒」とは本来の意味である「起きては転ぶを繰り返す」と言う意味ではなく、本作では「七転び八起き」「どんなことが起きても屈しない心」の意味合いで使われる。
ミルキィホームズ達はまたしてもトイズを失ってしまい、ダメダメな姿を何度も何度も晒してしまう。怪盗の尾行中に「粗挽きウィンナーの試食」に屈してしまうなど、一期・二期で見られたかのようなダメダメな姿を見せているのだが、彼女達はどれだけトイズを失っても前へ前へと進もうとする。そんな「どんなに涙を流したとしても、決して諦めずに前へと進む」不屈の精神は、ホームズに敗れた過去を改竄することで「自分の敗北すらもなかったことにしよう」とするモリアーティ教授と対照的だ。
そしてトイズを失ってしまっても、どれだけボロボロにやられたとしてもなお諦めようとしないミルキィホームズだからこそ、モリアーティ教授の思惑を退けて勝者として世界の平和を取り戻す。先祖が残したものすら守りきれない自分の不甲斐なさで流した悔し涙すらも決して無駄にせず、何度も立ち向かうミルキィホームズだからこそ多くの人達にダメダメでも愛されているのだ。

また本作ではもう一人の主人公となっている怪盗アルセーヌも面白い。
これまでアルセーヌはトリックスター的な立ち位置にいたのだが、本作では「部下であるトゥエンティとストーンリバーが洗脳され、彼女と敵対することになる」という展開が描かれ、アルセーヌは「自分にとって、自分を慕ってくれる怪盗帝国とは何か」を問い直す事になる。
自身を主君として崇めるトゥエンティとストーンリバーと戦い、彼女が出す「二人の忠義」への解答は「怪盗帝国」な四人組らしい代物だ。
そしてこの解答があるからこそ、エンディング後の展開に繋がる。

エンディングで描かれるのは探偵と怪盗の戦い。
しかしそれはこれまで何度となく『ミルキィホームズ』で描かれてきたものを過去にするものだ。
これまでの物語の中で描かれてきた「怪盗」と「探偵」を再定義した上でこれまでの物語を込めた新しい「探偵対怪盗」の姿。
それは新たな物語の幕開けを予感させるものであり、同時に「これまでの集大成」に相応しいものである。
『探偵オペラミルキィホームズ』の物語は一先ずここで閉幕したが、本作が描く探偵と怪盗の物語は未来永劫、永遠に続いていくのだろう。
親から子へ受け継がれるように「七転八倒」の精神は繋がっていくに違いない。
「Project MILKY HOLMES」の第三幕の幕開けに心からの期待を込めて本稿を擱筆する。






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