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『アイカツ!』完結と新たなアイドル活動の始まりによせて

プリパラ神アイドルシリーズ。2日から稼働開始なのでプレイしてきたけど、基本的なゲーム性は長押しが追加されたぐらいでほぼそのままなのに印象としてはほぼ別物のように感じる。正直ここまで触り心地が変わるとは思ってなかった。ここまで変更されたのは「アイドルの頂点に位置する存在が君臨する世界へ挑む」と言う神アイドル編のコンセプトを拾い上げ、「神アイドルの世界」を表現しているのだと思うが、それにしても楽しい。譜面が変更された事で覚えなおさなきゃいけなくなった事も多いけど、全然飽きない……。新曲も全部いいし、じゅのんもいいキャラ立てをしていると思う。サイリウムジュエルマイクも手に入れたので使用してみたけど、サイリウムチャームのダメな点を改良していて良いものだ……。楽しいしいいんじゃないかな、今回。これなら三年目も戦えると思う。
残念な点としてはプリズムストーンショップの廃止か。あれだけは残念だ。選択方式だと例えランダムであったとしても、自分自身で選択できる事もあってそこまで不満感出なかったけど、今回は不満感が結構出るよなぁ、これ。



2012年10月8日。その日、ある作品が世界に誕生した。
その作品の名は『アイカツ!』。
バンダイナムコが販売する同名のアーケードゲームを原作に、サンライズが『ママは小学四年生』以来20年ぶりに製作を担当した女児向けアニメである。当時流行の兆しを見せていた「アイドル」を題材に、アイドルに憧れを抱いた少女がトップアイドルへ上り詰める過程を描いたその物語はメインターゲットの女児だけでなく大人まで魅了し、2016年3月31日までの約三年半を全力で駆け抜けた。
『アイカツ!』の何がここまで多くの人を惹きつけたのだろうか。
三年半という長期間放送していた事や、三年目で主人公がバトンタッチした事もあって、本作には様々な要素が詰め込まれている事もあって一概に「これが魅力だ」と言い切る事はできないが、自分は「相手の足を引っ張る悪人がいないが故の残酷な構図を描きながらも、自分にできる全力を見せ続けるアイドル達の姿が魅力的だった」という事が『アイカツ!』が年令や性別を超えて多くの人に愛される作品になることが出来た大きな要因ではないかと思う。
『アイカツ!』と言う作品はアイドル達の視点でテレビの向こう側に広がる「芸能界」というショーの世界を描いている。
ショーの世界には「頑張った」という事に価値はない。そこにあるのは「多くの人を楽しませれたかどうか」だけだ。そのため、どれだけ頑張ったとしても結果(多くの人を楽しませられなかった)が振るわなければ価値が無いと投げ捨てられてしまう。
全力を出すのは当たり前。大事な事は自分ではなく他人の心を震わせられたかどうか。
『アイカツ!』で描かれる世界は一見すると華やかに見えるが、そこで描かれている華やかさは「結果が振るわなかった無数の敗北者達の存在」とワンセットだ。それは『アイカツ!』の中でも十分に描かれているのだが、『アイカツ!』が面白いのは自分が敗者にならないために、他者の足を引っ張ろうとする「悪人」が不在であることである。
『アイカツ!』のアイドル達は絶対に他者の足を引っ張ろうとしない。むしろ全力で競い合い、素晴らしいパフォーマンスを完成させために一緒に努力を積み重ねていく。
それは「足を引っ張る悪人がいる世界」よりも残酷な世界だ。
なぜなら「結果が振るわない」ということは「自分の努力が足りなかった」と結論付けるしか無いからだ。
『アイカツ!』の世界は確かに「悪人がいない優しい世界」かもしれない。しかしその世界は悪人がいないからこそ、一瞬でも怠惰である事を許さない。『アイカツ!』は優しさだけでなく、残酷さと厳しさでできている世界でもあるのだ。その点は各種楽曲(特に「ヒラリ/ヒトリ/キラリ」が顕著)の中でとりわけ強調されている事でもある。
優しく残酷で厳しい世界だからこそ、全力でパフォーマンスによってチャンスを掴みとり、夢を一つづつ叶えていくアイドル達。
そんなアイドル達の姿が魅力的だからこそ、『アイカツ!』は三年半という長い年月を、ファンに愛されながら全力で走り抜ける事ができたのではないだろうか。

本作は大きく「神崎美月に憧れてアイドルの道を目指した」という少女・星宮いちごとその仲間達を描いた「いちごGENERATION」と、そんな星宮いちごにアイドルの資質を見出されてアイドルになることを決めた大空あかりとその仲間達を描いた「あかりGENERATION」の二つにわけられる。
どちらの物語も「アイドルが夢を叶えていく瞬間」がとても感動的なのだが、両者を見比べてみると面白いのはいちごGENERATIONは「互いに意識し合えるライバルと競い合う」という点に比重が置かれた物語になっていて、あかりGENERATIONは「共に歩んでいける仲間との出会い」に比重が置かれた物語になっている事だろう。
この違いは両者の作品の広がり方にも現れているのだが、いちごGENERATIONの方向性をある意味決定づけたのは二年目で「ドリームアカデミー」というライバル学校が登場させた事だろう、優れたアイドルの才能を持つ生徒しかいないスターライト学園とは違って、ドリームアカデミーには「アイドルになりたい」という強い思いで輝くアイドル達しかいない。スターライト学園には在籍出来なかったアイドル達(特に音城セイラ)は星宮いちごの新たなライバルとなり、意識し合い、競い合いながら共にアイカツ界の頂点を目指して努力を積み重ねていく。
最終盤では立場も資質も異なるライバルと競い合っていたからこそ生まれた「夢への思い」が、星宮いちごを神崎美月をも超える存在へと押し上げてくれた。「優れたライバルとの出会い」。それが星宮いちごをより大きな存在へと成長させてくれたのだ。
一方、星宮いちごから直々にバトン、もといマイクと杓文字を引き継ぐ形で幕を開けたあかりGENERATIONだが、こちらは「共に歩める仲間」を中心にした物語となっている。あかりGENERATIONではたまに競い合う事もあるけれど、基本的にアイドル達はそれぞれの夢を叶えるためにひたむきに頑張っていく。
大空あかり、氷上スミレ、新条ひなきの三人がそれぞれの道を見つけ、歩んでいく過程が丁寧に描かれた116話・117話は、大人であればあるほど考えさせられる本作屈指の名エピソードだろう。またそれぞれのスターライトクイーンにかける想いを描いた166話や、いつも一緒だからこそ自分の道を歩む決意を固める174話も「あかりGENERATION」という物語の面白さを端的に表したエピソードであるように思う。
このようにあかりGENERATIONは「それぞれの道がある」ということを念頭に置いた作劇となっているのだが、その道は様々なものと出会う事で変化していく。特に顕著な変化として描かれているのが氷上スミレで、物語が始まった当初は自分が足を踏み入れた世界の残酷さに怯えているだけであったが、大空あかりや新条ひなきとの出会いやロリゴシックのデザイナーとの問答を経て、自分の心に最初からあったスターライトクイーンになることで叶えたい「自分だけの夢」を見出す。
こうした「出会いによる変化」に比重を置いた物語になったのはいちごGENERATIONとの差別化もあったのだろう。
しかし大空あかりが星宮いちごと出会わなければ物語が始まらなかったように、一つ一つの出会いが人を強くしてくれる。
交換留学生や全国ツアーで巡った全ての人やもの、出来事が「スターライトクイーン」につながっていくような終盤の展開は星宮いちご達では絶対に描けなかったものの一つだ。これまでの全てをぶつけてスターライトクイーンへと挑戦する彼女達の姿は、本作を締めくくるのに相応しく、とても美しいものであった。

星宮いちごと大空あかり。二人のアイドル達を中心に描かれてきた物語は2016年3月31日で一旦幕を下ろした。
しかし夢が次の夢に繋がっていくように、一つの結果が新たな出会いへと導くように、彼女達のアイドル活動に終わりはない。
ならばこれは「終わり」ではなく「始まり」とも言えるだろう。
全てのアイドル達の物語はまだ始まったばかり。
我々も『アイカツ!』アイドル達に負けないように、自分自身の物語をより充実したものにするべく「アイカツ!」していこう。
向かう場所はミライの中に。新しい夢がどこへでも自分を連れて行ってくれるのだから。




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