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『アイカツスターズ!』今の自分で掴みとる評価と友情について

キンプリ本こと『プリズムサンシャイン』の告知記事はこちらです。とらのあなだと何故か予約が打ち切られているんですが、完売はしていないと思うのでそのうち復活すると思います。本当に何故打ち切られたんだろう……。よく分からんぞ……。

『アイカツスターズ!』。今日の記事がまた『アイカツスターズ!』であるように、案の定ハマっているというか桜庭ローラに二秒で陥落したんですけど、作品として一番でかいのは「『アイカツ!』でライブパートを担当していたサムライピクチャーズは今回はモデリング協力でアニメーション部分には関わってない」ってことだろう。サムライピクチャーズの代わりにアニメーションを担当しているのはサンライズD.I.Dスタジオ。つまり『アイカツスターズ!』は基本的には自社で完結するような座組になっていて、あんまり外部に出てこない感じなんだよな。
これがいい事なのか悪い事なのかは分からないけど、サムライピクチャーズが三年半かけて得た経験値が『アイカツスターズ!』にそこまで反映されてないのがちょっとつらい。CGディレクターの井上さんは『バトルスピリッツ』なんかでもいい仕事をしてるんだけどね。ライブの演出ってそれとはまたちょっと違うから……。



「キャラクターの成長を描く」と一言で言うのは簡単だが、実際に描くのはなかなかに難しい。「キャラクターが動き出す」という言葉があるように、キャラクター達はクリエイター側が最初に想定していた方向とは全く違う方向へと歩み始め、異なる魅力を放ち始める事もあるからだ。そんな「キャラクターが動き出す」という事が可能性としてはあり得る以上、長期間展開されるシリーズの最初の段階で「キャラクターが辿り着く境地を描く」という選択をする事は勇気がいる事だろう。
しかし最初に「キャラクターが成長の果てにたどり着く姿」を提示できていれば、一人の人間が一つづつステップアップしていく姿を分かりやすく、より具体性のある形で描く事ができる。
『アイカツスターズ!』が一話で虹野ゆめの「最終形」を描いたのは、一話のライブで見せたようなパフォーマンスが出来るようになる過程と、彼女がアイドルとして経験を積んで一話のライブパフォーマンスを完成させた瞬間を楽しんで欲しいからなのだろう。
一話で見せたあの巨大で美しい器に実績と努力という「中身」が入った時、どんな輝きを放つのだろうか。
虹野ゆめとその仲間達の一年後の姿に期待したいところだが、そんな「虹野ゆめの最終形」を見せて彼女の一年後の姿に期待をもたせた一話を踏まえて制作された二話は、『アイカツスターズ!』という物語の導入として素晴らしい一話であった。
新入生全員が体験するライブステージで、新入生とは思えないとんでもないパフォーマンスを行った虹野ゆめは一躍注目の的に。しかしいざ練習が始まってみると、虹野ゆめには特別な能力も飛び抜けた身体能力もない事が判明。「本当は大した事ないのでは?」「本気を出していないのでは?」と周囲に疑念を持たれてしまうのだった。
冒頭で書いたように「一話のライブパフォーマンスは虹野ゆめが一年間で辿り着く地平」と位置づけた上で、今の彼女の実力に話を振り戻す。その過程で他の新入生達の結果が振るわなかった事や、『アイカツ!』では見られなかった辛辣な言葉などの反応を交える事で、虹野ゆめの未熟さと彼女が最終的に辿り着く姿の落差が強調され、虹野ゆめが周囲の辛辣な声にも負けずにひたむきに頑張る姿に彼女の持つ「アイドルの輝き」が好印象に映る。
自身の未熟さを飲み込んだ上で頑張る姿には一話で見せた姿へと辿り着けそうな予感を感じさせる部分もあり、ステップアップする『アイカツスターズ!』のフィッティング演出もあってようやく『アイカツ!』ではない『アイカツスターズ!』と言う物語が始まった事に実感を湧かせてくれるが、この二話で素晴らしいのは「桜庭ローラが虹野ゆめを認める理由」だろう。
当初は周囲の新入生たちと同じように虹野ゆめの実力にも疑念を抱いていた桜庭ローラだが、一緒に同じステージに立つ事が決まって打ち合わせしたりと共に行動する中で、虹野ゆめの本来の実力と彼女が自分の未熟さを理解した上で周囲の声にも負けずに頑張ることが出来る強さを持った人間であることを、彼女が自分と同じように歌が好きで、今の自分にできる最高のライブのために力を尽くす人であることを知って、少しづつ彼女に対する思いを変化させていく。
だから虹野ゆめが「本気を出していない」「実力を出し渋っている」という周囲な言葉に、桜庭ローラは我慢できない。
クジの結果とはいえ、虹野ゆめを一番近くで見ていたのは桜庭ローラである。
「発声がまともにできていない」と指摘されれば腹筋を行ったりと発声練習に励み、自分が指導を入れた楽譜を見ればきちんとそれに合わせて練習を励む。
自分には周囲が求めるような実力はない。自分の未熟さを理解しているからこそ練習に励める虹野ゆめの姿を知っているからこそ、ローラは「今の虹野ゆめ」を正当に評価して彼女をバカにする周囲の人々に怒りを露わにする。一緒に競い合いながら高みへと登っていけるライバルとして認めているからこそ、ローラは「知ろうともしない周囲」に対して怒るのだ。
一話で大きく印象づけた虹野ゆめの「新入生なのに凄い」という印象を利用して、今のゆめに正当な評価を下すローラとのライバル関係へと着地させているこの展開は、双方の間にある強い信頼関係が現れている。
この二話で二人の少女の信頼しあって作り上げたステージは、二人のアイドルの原点であり、二人のライバル関係の始まりになるのであれば、これほど美しいものはないのではないだろうか。互いに認め合った二人が「S4」という唯一の席をめぐって競い合う未来を楽しみにしたい。

ところで『アイカツスターズ!』は二話からは明確に『アイカツ!』とは異なる物語を展開しだしているのだが、『アイカツ!』から大きく変わっていると感じるのは「学校」よりは「芸能事務所」という側面が出始めている事だろう。
特にそう感じるのは理事長の「才能がない」と判断したアイドル達への処置だ。
『アイカツ!』の特徴の一つであった「学校と芸能事務所の融合」は『アイカツスターズ!』にも引き継がれているのだが、『アイカツ!』がどちらかといえば学校的側面が強くでていて、「アイカツ!ブートキャンプなど最終的には本人次第とはいえ、成長できる機会は多い」など、本当の意味での落ちこぼれは発生しにくいシステムが組まれていたのに対して、『アイカツスターズ!』の四ツ星学園は理事長の発言を聞く限りでは「落ちこぼれは切り捨てられる」という過酷な世界のようなのだ。
どちらが正解なのかはさておき、「同じような入れ物」でもこうした点で変化をつけていくのは面白いし、基本的には一話完結のコメディだった『アイカツ!』とは違う大きな成長物語を描こうとする佐藤監督の思惑のようなものを感じさせる。
最後にどうなるのか。
まずは一年。じっくりと楽しんでいこう



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