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『ラブライブ!サンシャイン!!』渡辺曜を強調する映像とアニメへと伸びる道を示した「恋になりたいAQUARIUM」について

二次会にて9月11日に東京国際フォーラムにてオバレのイベントが開催される事が発表されましたが、今週末からとらのあなでキンプリ評論本『プリズムサンシャイン』の販売が開始されます。
今回は分厚くない薄い本ですが、内容はいつもどおり濃いです。水星さんにはエッセイを、ルグレイさんにはテキストとイラストを、泉信行さんには「キンプリを見て笑顔になるとはどういうことか」についての論考を書いていただいております。値段は350円です。予約上限に引っかかったらしく、現在は予約不可になってますが、在庫はまだ(自分が確認している限りでは)あるので、GW中にキンプリをもう一回見る前に是非読んでみてください。

プリズムサンシャイン

なお完売した場合は再販が直ぐにできない状態ですので、その辺りだけはご了承ください。




2016年7月にアニメが放送開始が予定されている『ラブライブ!サンシャイン!!』は静岡県沼津市にある浦の星女学院に通う九人の少女達によって結成されたスクールアイドルユニット「Aqours」のアイドル活動を描いた作品だ。
4月1日にファイナルライブを終えた『ラブライブ!』の姉妹作品として『ラブライブ!』と同じく電撃G'sマガジンの誌上連載からスタートし、2015年10月7日に1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」を発売。1月11日には初のイベントを成功させるなど、スクールアイドルとして一歩づつ確かに歩み始めている。
この1月11日の初イベント後にニコニコ生放送で放送された番組にて発表されたのが先に述べたアニメ化の第一報であったが、そんなアニメ化発表後となる4月27日に発売されたのがAqours2枚目のシングルとなる「恋になりたいAQUARIUM」である。
高海千歌と桜内梨子のダブルセンターを始め、様々な形で『ラブライブ!サンシャイン!!』らしさを演出していた「君のこころは輝いているかい?」のミュージッククリップは「Aqours」と言うスクールアイドルの魅力を伝えるにはパーフェクトと言っていい出来であったが、今回の「恋になりたいAQUARIUM」は第一回センター総選挙の結果を受けて制作されており、総選挙で一位に輝いたフェリーの船長に憧れるスポーツ少女・渡辺曜を中心に、前回とは異なる視点からAqoursの魅力を描き出す。

この「恋になりたいAQUARIUM」のミュージッククリップで重要なのは「『センターである渡辺曜を際立たせる』という点に比重を置いている」という事だろう。フォーメーションからレイアウト、演出、ドラマの内容に至るまで、このミュージッククリップでは「渡辺曜」という少女が常に中心に居続けるのである。
まずフォーメーションについてだが、「左右に四人づつ配置して中央に渡辺曜を置く」という形を基本形とし、変化するときも渡辺曜のポジションは大きく変化しない。二番突入時に他の八人はラインダンスのようなフォーメーションを取るのに対して、渡辺曜は八人の背後に立ち、一人だけ他の八人とは違うダンスを行う。
こうした1人+8人というダンスは1人側に振られたキャラクターを注目させる。今回で言えば1人側に振られた渡辺曜に意識が行きやすいダンスとなっており、今回のセンターである彼女の存在感を際立たせている。
演出面でもその点は意識されており、ダンスパフォーマンス中の渡辺曜以外のキャラクターを描いたカットでは渡辺曜を基準として右側に配置されているキャラクターには右から左へのPAN、左側に配置されているキャラクターには左から右へのPANで入り、カメラが静止した際に必ずセンターに配置されている渡辺曜が見切れるようなレイアウトが組まれている。
こうした演出やレイアウトによって渡辺曜がセンターである事を印象づけつつ、フォーメーションごとのキャラクターの立ち位置を理解しやすくさせている。こうした点は「ダブルセンター」という軸を中心に組み立てて「『Aqours』と言うユニット」を見せなければならなかった「君のこころは輝いているかい?」では見られなかった点でもあり、「2ndシングルだからこその強み」だと言えるだろう。
またドラマも渡辺曜を視点に高海千歌・桜内梨子(所謂二年生組)との友情がテーマとなっており、桜内梨子の登場で千歌と距離を感じていた渡辺曜がそれを飛び越えて再び仲良くなる過程を丁寧に描いている。渡辺曜だけでなく千歌側にもカメラは向けられているが、物語の中心に据えられているのはやはり渡辺曜であり、ドラマ作りにおいても「渡辺曜が今回のセンターである」と言う意識は徹底されているようだ(余談だが、ダンスパートでも渡辺曜は二年生組と同じフレームの中に収まっているカットが多い。これもまたドラマとのリンク性を考える上では大事な点だろう)
こうした渡辺曜をセンターとした演出やレイアウト、ドラマや一つ一つのシークエンスの組み立て方もあって、最後のサビで一列になったAqoursが二つに割れてセンターに立った渡辺曜とそんな渡辺曜から伸びる光る道という演出に驚きが生まれる。
この道は画面中央奥からフレームアウトするまで伸びるという事からおそらく「Aqoursからこのミュージッククリップを見ている我々=ファン」への道筋という意味もあるのだろう。
「アニメ化が決まった後だからこそファンに向かって伸びる道を歩いて行く」ということに、「必ず貴方に会いに行く」という強い意味を感じさせる。パーティクルの演出など細やかな演出も効いたこの演出は今回の最も重要な演出なのではないだろうか。
『ラブライブ!サンシャイン!!』とAqoursの新たな始まりを予感させるこの「恋になりたいAQUARIUM」は、Aqoursを応援する全ての者達にとって重要になる作品だといって間違いないだろう。
Aqoursがどんな輝きを持つ道を歩むのか。7月からのアニメに期待が膨らむ素晴らしいミュージッククリップである。

余談ではあるが、三重に重ねられたティアードスカートの魚鱗と腰や背中にあしらわれた半透明なリボンによるヒレなどの衣装に、大型水槽を泳ぐ魚群や水槽内に差し込む陽光などの「伊豆・水戸シーパラダイス」というロケーションを生かした舞台演出など、見るべき点が非常に多いミュージッククリップに仕上がっているが、個人的に面白いのはサブリメイションが担当する3DCGパートの比重が増えているということだ。以前まではバストアップショットでも手描きが用いられる事が多く、手前と奥にキャラクターが配置される際には手前だけは手描きであることが多かったのだが、今回は多くのパートにおいて3DCGとなっている。
ここまで多くのカットをサブリメイションが担当したのは技術的な進歩と演出し切れる自信があったからだろう。カメラを横切る際にはカメラ目線の仕草を入れるなど、細かいキャラクターの描写も効いており、Aqoursを知っていくのにもうってつけな素晴らしいミュージッククリップに仕上げられている。
『ラブライブ!』は元々3DCGが使用されることが多い作品ではあるが、今回の3DCGの担当箇所の多さは地味ではあるが今後を変えていくに違いない。7月からはTVアニメの放送を予定しているが、そのTVアニメでもサブリメイションが3DCGを手掛けるようだが、今回のミュージッククリップは信頼を寄せるには十分過ぎる映像だろう。
酒井和男監督達が創り出す『ラブライブ!サンシャイン!!』のライブパートが、Aqoursの魅力あふれるものであることに期待したい。



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