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『アイカツスターズ!』ファンとアイドルとファーストライブについて

ツキウタ。「高熱で倒れた姉の代わりに握手会に参加することになった少年」というところから、アイドル達の魅力を見せていくのはいいと思う。アイドルアニメの一話で大事なのは、アイドル達の魅力をきちんと見せておくことだし、この作品を何となく見ている人達の視点に合わせて「名前ぐらいは聞いたことがある」という少年を軸に話を組み立てていくこの作りそのものは、実に王道的な作りで面白い。掴みとしてはこれでいいんじゃないかな。「最後は合同ライブで締めますよ」と公言も出来てるし、何より「アイドル達に触れた事でファンになる」という過程を見せられてるし。
ライブパートは以前にも書いた通り3DCGで表現。「3DCGによる男性アイドルのライブ表現」ってアニメではなかなか見かけない事ではあるんだけど、『ツキウタ。』があえてその表現に挑んでいるのは興味深い。今年は『KING OF PRISM』が既にあり、『ドリフェス!』のアニメ化が秋に控えているなど、「男性アイドルのパフォーマンスを3DCGで表現しよう!」という流れそのものはかなり来ているわけで、その流れの中に『ツキウタ。』が参加した事で業界全体が広がる面白さが生まれていて面白いと思う。おそらく最後を飾るだろう合同ライブではどんなライブを見せてくれるのかな。ライティングもいいから、楽しみだ。



8月公開予定の劇場版の情報がキービジュアルと共に公開された『アイカツスターズ!』。主役級の扱いとなっている虹野ゆめと桜庭ローラの二人の友情にスポットが当たる事やS4の四人がついに同じステージに上がることなどが発表されているが、どんな物語が展開されるか期待される。同時上映の短編映画『アイカツ!ねらわれた魔法のアイカツ!カード』共々公開日まで注目だ。
映画が盛り上がる一方、TVシリーズの方も1クールが過ぎて物語は次のステージへ向けて動き出している。
特に10話「ゆめのスタートライン」は『アイカツスターズ!』にとっても虹野ゆめや桜庭ローラ達にとっても、重要な事を描いた一話であった。

ある日突然学園長に呼び出された虹野ゆめ。何でも予定されていた白鳥ひめの定期ライブがやむを得ない事情で中止になり、代わりに虹野ゆめのファーストライブをやりたいのだという。これまでのステージとは違い、自身にとって初めて実際に観客を動員してのライブということもあって一人で盛り上がる虹野ゆめだったが、蓋を開けてみればチケットは全くと言っていいほど売れていないという。チケットが全く売れない現状に気を取られたゆめは練習にも身が入らず、練習に付き合ってくれた教師からも怒られてしまうのだが……という内容の10話は、虹野ゆめにとって外せないファーストライブの様子を描いたエピソードだ。
ひょんなことから舞い込んできたファーストライブの話に気持ちが舞い上がり、その幸運に感謝する虹野ゆめの気持ちは分からないでもない。誰だってステージに上がればスポットライトが当たる瞬間を待つしかないのだから、偶然とはいえ(実際には学園長の考えだが)、スポットライトが当たる事が確約されたのなら誰だって舞い上がるだろう。運も実力のうち。幸運を招き寄せるのも実力の一つなのだから。
しかし「幸運を招き寄せる実力」があったとしても、世間的な虹野ゆめの評価や人気は、本来ステージに立つ予定だった白鳥ひめとは比べ物にならないほど見劣りする。ドラマ出演やCM出演など様々なイベントを経験し、メディア露出こそ増えているが、今の虹野ゆめは所詮は「四ツ星学園にたくさんいるアイドル達の一人」以外の何物でもない。業界内で評価が高くても、虹野ゆめの人気は「大したことない」のだ。
そして「ファーストライブのチケットが全く売れていない」という現実は、ファーストライブに舞い上がった虹野ゆめの甘い幻想を容易く打ち砕く。
実力はあるかもしれない。業界内では「まあまあやる」と思われているのかもしれない。しかし「アイドル・虹野ゆめ」はまだまだ未知数で、まだまだファーストライブを行う会場を埋めるほどの人気は得られていない。
その現実に打ちのめされた虹野ゆめは練習にも身が入らないほど落ち込んでしまうのだが、ここで大事なのは「虹野ゆめは一人ではない」という事だ。
虹野ゆめには桜庭ローラや七倉小春といった一緒にアイカツ!をする仲間がいる。結城すばるのように、からかいつつも気にかけてくれる相手もいる。仕事で忙しいにも関わらず、会いに行けばきちんと相手をしてくれるかつての仕事相手もいる。そして人数こそ少ないながらも、「アイドル・虹野ゆめ」を応援してくれるファンもいる。
そんな自分を心配し、応援し、気にかけてくれる人達に思いを届けるために虹野ゆめはステージに立つ。
「会場に何人いるかなんて関係ない。ただ見てくれている、応援してくれている人達に自分の想いを届けるために」と歌う虹野ゆめの姿は、彼女が夢見た「アイドル」そのものだ。
ファーストライブは成功だったかどうかでいえば商業的に見れば失敗だと言わざるを得ないだろう。しかし虹野ゆめにとっては間違いなく成功だ。なぜなら彼女はようやく「ファンのために」歌う事が出来たのだから。
アイドルというのは実力だけでは出来ない。アイドルというのはファンがいてこそ、観客がいてこそステージの上で輝くことが出来る。
彼女はあの日、アイドルとして大切なことを身をもって体験したのだ。

なおもう一人の主人公である桜庭ローラも七話「シンプル イズ ザ ベスト!」で一つ、大きな成長を遂げている。
この話では「個性的なアイドル」を求めるオーディションに参加する事に決めたローラが、個性について研究すればするほど自分の個性を見失っていく様子が描かれているのだが、彼女が最終的に行きついたのは「無理に着飾らない」というスタイルだった。
「個性」というものは自分からでは分かりにくい。「個性的」と言われれば言われるほど「個性とは何か」という気持ちになってしまうのは当然のことだし、「個性的なアイドルを求める!」と言われればコスプレもどきのような派手さを求めてしまうのは無理からぬことだろう。
しかし個性とは一人一人の自然体な姿から生まれるもの。
桜庭ローラは虹野ゆめや清掃員のおじさんの言葉からそのことに気づき、見事オーディションを制し仕事をつかみ取る。
こうした過程を丁寧に見せ、着飾らない姿でローラの成長を見せつけたこのエピソードは実にローラらしいエピソードであった。





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