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『ラブライブ!サンシャイン!!』合宿とコンクールと寄り道の終わりについて

新宿バルト9でのキンプリ上映が終わったそうで。お疲れ様でした。何だかんだで二回ぐらいしか行けなかったんだけど、公開初日からやってくれていた場所で何度か見られた事は良い経験になったと思います。まあ11日にキンプリイベントがあって、ライブビューイングもやってくれるそうなので、キンプリを映画館で見る機会はもう一回ぐらいあるんだけども。
しかしキンプリの話題の切らさなさは本当に凄い。定期的にしっかりと話題を投入していて、全く途切れることがない。どれだけ素晴らしい作品でも凄まじい速度で消費されていく今の世の中で、公開から八ヶ月以上も話題を切らさずに展開し続けているのは十分に賞賛に値する事だと思う。キンプリのこの話題の展開の仕方はスキーム化すれば色んなところで使えるものだと思うね。出来るかどうかは別だけど、出来たとしたら相当大きなものが返ってくると思う。キンプリもそういうヒットの仕方をしたからね……。「話題がある」ってのは大事です。

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お互いがお互いを想い合う心のすれ違いにより二年前に後悔を残してきた小原鞠莉・松浦果南・黒澤ダイヤが「今度こそ後悔を残さないために」と合流し、ついに浦の星女学院の九人のスクールアイドルが全員揃う事になった『ラブライブ!サンシャイン!!』。九人全員での最初のライブで使用された「未熟DREAMER」はバラード調の楽曲で、「花火大会」というステージ設定を活かして夜景と花火を用いて印象的に仕上げたライブパートと合わさり、九人が揃ったことの余韻に浸らせるような映像に仕上げられている。
東京で味わった悔しさを胸に、スクールアイドルの祭典「ラブライブ!」へと向けて今度は九人で走り始めたAqoursであるが、10話で描かれたのは桜内梨子と他の八人との「スクールアイドルとして活動する理由の違い」だった。

松浦果南達三年生組が加わって九人になった事もあり、ラブライブ!に向けて気合が入るAqours。今度こそ0ではない結果にするために合宿を行う事にした九人は、千歌の実家の手伝いで海の家に協力しながらスキルアップに励む。「大切なもの」をテーマにした新曲の制作も始まり、順調だったかに思われたが、千歌は梨子にラブライブ!の予選と同日に開催されるピアノコンクール出場の話が来ている事を聞いてしまうのだった……。

今回のエピソードで重要なのは高海千歌が桜内梨子にラブライブ!の予選と同日開催にも関わらず、「ピアノコンクールに出てほしい」と告げた事だろう。
ピアノや音ノ木坂学院から逃げ出す事で高海千歌達と出会い、Aqoursを結成し、スクールアイドルの面白さにも気づき始め、ピアノコンクールとラブライブ!の予選が同日開催だと気づきつつも、皆と一緒に活動している中でピアノコンクールを捨てて、ラブライブ!を選んだ桜内梨子。
そんな彼女になぜスクールアイドルへと誘った張本人である千歌は「ラブライブ!よりもピアノコンクールの方を優先して欲しい」と告げたのだろうか。
それは桜内梨子にとってAqoursもスクールアイドル活動も「寄り道」に過ぎないからだ。
そもそも桜内梨子が東京神田の音ノ木坂学院から静岡県沼津市の浦の星女学院にやってきたのは、幼少期から続けていたピアノが楽しいと思えなくなってしまったからだ。だから浦の星女学院ではピアノとは距離を置いた新しい学園生活を送ろうとしていた。
しかし梨子は千歌に出会い、スクールアイドルに誘われてしまった。スクールアイドルに人一倍の思いを持つ高海千歌に。
千歌のそのスクールアイドルにかける真剣な思いを知っていた梨子は何度も断った。しかし千歌はスクールアイドルを「寄り道でも良い」とまで言い切って、梨子をスクールアイドルへと誘ってくれた。
そんな千歌の言葉と想いに答えたからこそ桜内梨子はスクールアイドル活動を始めた。そしてそのスクールアイドル活動があったからこそ、梨子はピアノが楽しく思えていなかった頃を千歌を語れるようになるまで見つめなおす事ができるようになったのだ。
だから梨子が「ピアノのコンクールへの出場」というリベンジよりも、「Aqoursのみんなと一緒にラブライブ!」という道を選ぶ事は自然なことだ。Aqoursのみんながいたからこそ今の桜内梨子があるのだから。
しかしそれはピアノから逃げているに過ぎないのだ。
皆と一緒にやるスクールアイドル活動は確かに楽しいものだろう。一度手痛い失敗をしたピアノにもう一度挑むのは辛いものがあるだろう。しかし「千歌のスクールアイドル活動を真剣なものだと思っていたからこそ、寄り道気分では参加できない」と断っていたのに「寄り道気分でもいい」という言葉に乗ってスクールアイドル活動を始めたのならば、彼女は自分が挑まなければならないステージからは逃げてはいけないのだ。
千歌はそのことを理解していたのだろう。だから梨子にラブライブ!よりもピアノのコンクールへ参加することを求めたのだ。
「梨子がピアノのコンクールに出た事で皆でステージに立てなくなっても良い」。
その覚悟をした上で、梨子に「そのステージは絶対に外してはならないステージである」「自分の気持ちに答えを出して」と告げた千歌の姿は格好良く、そして愛おしい。そしてそんな千歌だからこそ、梨子はもう一度挑む気持ちを作ることが出来たのだろう。
今度こそ自分の気持ちに答えを出すために。そして待っていてくれる仲間達のために。桜内梨子は再びピアノに挑むのだ。

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今回から描かれ始めた「桜内梨子の寄り道の物語」は、「寄り道のつもりでやっていたものの、真剣になってしまった」のように目的をすり替えてしまっても特に問題ない物語である。実際梨子に視点を絞りきってしまえば上手くすり替えが行われており、それで決着をつけてしまってもいいことだろう。しかしその目的のすり替えを千歌だけは許してくれなかった。
千歌だけが梨子がスクールアイドル活動に加わった理由を知っている。だから彼女は梨子が逃げようとしている事に気づく事ができ、「梨子に再びピアノや自分の気持ちに向き合うチャンス」としてピアノコンクールへと彼女を送り出すのである。
この辺りの展開は実に見事なもので、二話から仕込まれていたものを上手く昇華した素晴らしい展開だが、結果として残されてしまったのは渡辺曜だ。
梨子にも梨子のステージがあるように、渡辺曜にも渡辺曜のステージがある。
彼女は水泳部と「掛け持ち」でスクールアイドル活動をやっている以上、彼女にも梨子と同じような物語が存在している。
長年傍にいた曜のステージに千歌は気づく事が出来るのだろうか。
その辺りに注目しながら、終盤戦を見守っていきたい。








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