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『ラブライブ!サンシャイン!!』曜の疑念と千歌の願いとアニメ的なライブ演出について

キンプリ続編制作決定おめでとうございます。発表があったのは10月で、試写会があったのが12月のこと。試写会で見た友人から「絶対に好きだと思う」「何かやりたくなると思う」とだけ言われ、実際に自分で視聴してみて「なんだこれは!?」と衝撃を受けたのが1月9日で、それ以降「とんでもない作品だから見てくれ」とずっと言い続けてきたわけですが、無事に今回新作が発表されて本当に良かった。ここまで応援してきた甲斐があったのもそうだけど、何よりキンプリからプリリズの世界に触れた人と一緒に喜びを分かち合えたのがとにかく嬉しい。キンプリの発表当時はヤクザ達と「見に行く」と言う話をするしかなかったからね……。
しかし続編ではエーデルローズ存亡の危機にまで話が及ぶのか……。法月総帥は「聖を叩き潰す」ということを目的にしているわけなので、氷室聖が折れるまでは手を緩める気がないのは分かる。しかしかつて自分が代表を務めた場所であっても容赦なく存亡の危機にまで追いやろうと考えている辺り、本当に復讐鬼としてぶれがない。怖いな……。



『ラブライブ!サンシャイン!!』11話「友情ヨーソロー」は、浦の星女学院のスクールアイドル部の最初期メンバーである高海千歌と渡辺曜の友情を描いた一話だった。二人のその友情の描写はお互いのことを思いやるが故に二年間もすれ違いを続けていた小原鞠莉と松浦果南を踏まえてのもので、とても感動的なエピソードに仕上げられている。

高海千歌の後押しもあって、桜内梨子は今度こそ逃げずにピアノが大好きな気持ちに答えを出すためにピアノのコンクールへと旅だった。千歌達Aqoursも、次こそは梨子と一緒にステージに立つためにラブライブ!の本戦へと進むべく特訓を始めるのだが、梨子と千歌のダブルセンターだったところで梨子が離脱してしまい、急遽フォーメーションを組み直す事に。梨子の代役として選ばれたのは、千歌との絆も深い曜! しかし曜は曜で千歌と今のスクールアイドル部に様々な想いを募らせているのだった……。

このエピソードで重要なのは何と言っても「千歌の思いと曜の思いがすれ違っている」ということだろう。そしてそのすれ違いは千歌と曜が幼馴染で、長い付き合いがあるからこそのものでもある。
千歌と曜は昔から仲良しで、いつも一緒に過ごしてきた。しかし曜は「自分のやりたいこと」、つまり「自分が全力でぶつかっても良い」と思えるものに何となくで辿りつけていたのに対し、千歌はなかなかそれを見つけることが出来ずに燻り続けていた。曜はそんな高海千歌の事を知っていたからこそ、千歌がスクールアイドルに出会い、「μ'sのように輝きたい!」と言い出した時には他の誰よりも喜んでいただろうし、同時に他の誰よりも最初に千歌のその「全力」を応援し参加することに決めたのだろう。だから千歌がスクールアイドル部を立ち上げようとした時、最初に書類に自分の名を書いたのだ。それが一番千歌の力になるということだと思っていたのだから。
しかしそうやって千歌と曜が立ち上げたAqoursに梨子が加入して、続いて花丸やルビィや善子の一年生組が加入して、すれ違っていた想いをぶつけあって二年前の後悔を終わらせた三年生が加入したことで曜の中に僅かな疑念が生まれていた。
その疑念とは「千歌は私と二人でスクールアイドルをやる事は嫌だと思っているのではないだろうか」ということ。
これは千歌を長く見ていた曜だからこその疑念だろう。しかしそれを千歌本人に聞いてみるのは千歌はそんな事を言わない人間だと分かっていてもなかなかに怖い。だからここまで彼女は仮面の笑顔で千歌に気づかれないように立ち振舞ってきた。この点は渡辺曜という少女の美徳である困った点でもある。同じ想いを経験した人間――小原鞠莉以外に気づかれていない辺りが本当に困ったものである。
しかし本音でぶつかってみなければ何も分からないし、何も変わらないのである。
そのことを二年前に松浦果南と本音でぶつからなかった事で学生にとって長くて短い二年間を無駄にしてしまった小原鞠莉に「経験者」として言わせてしまう辺りが実にニクい。小原鞠莉のアドバイスが渡辺曜に「高海千歌に思い切ってぶつかってみる」という気持ちにさせていく流れはこれまでのエピソードの蓄積があってこそのものであり、素晴らしい展開だ。

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そして思い切ってぶつかってみたからこそ分かった「千歌も曜が一緒だったからこそやりたかった」という想いが曜の疑念を払拭させる。そしてその想いが二人を最高のステージへと導いていく。

ラブライブ!の予選で梨子を抜いた八人が「想いよひとつになれ」で見せたパフォーマンスは、彼女達らしいスクールアイドルの輝きに満ちた最高のパフォーマンスだった。センターを務めるのはようやく想いをぶつけ合い、友情を確かめ合った高海千歌と渡辺曜。他の六人は二人を支えるかのように振り分けられ、フォーメーションの変化と曜の身体能力を活かして導入部分をビシっと決めていく。パフォーマンスと最初と最後にピアノをタッチするかのような仕草が取り入れられ、八人でのライブでこそあるものの梨子の存在を意味する演出も忘れられていない。
特に印象的なのは従来のどのライブよりもアニメ的なダイナミックなカメラワークから繰り出される四人+四人の決めポーズと、サイリウムをも見せていく演出だろう。前者は本来なら入りきらないだろうアングルでありながら上手く調整して四人づつフレームの中に収めることで、ステージに立つ八人の少女を「千歌サイド」「曜サイド」に解体。後に統合することで「同じステージに立っている」「ダブルセンター」という印象を強くしている。

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後者のサイリウムの表現だが、サイリウムの表現そのものというより「なぜ今回はその表現が含まれていたのか」という事に着目したい。

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これまでの『ラブライブ!サンシャイン!!』ではサイリウムの表現がそれほど多く用いられていたわけではなかった。ファーストライブもそうだし、以降のライブにおいてもサイリウムの表現は多く見られたわけではなかったのだが、今回あえてサイリウムの表現が用いられていたのは彼女達がようやく「観客を意識したパフォーマンス」を出来るようになったと言う意味なのではないだろうか。
そう考えてみると、これまでのステージでサイリウムの表現が用いられてこなかったのも「ステージで失敗しないようにパフォーマンスすることに精一杯だった」という理由で説明がつく。

今回観客を意識してパフォーマンスができるようになったAqoursだが、ラブライブ本戦はまだまだこれから。梨子も自分の心に決着をつけたわけだが、九人のステージはどのようにして生まれていくのだろうか。もうひと波乱ありそうなところだが、残る二話が彼女達にとって意味のある物語であることを望む次第である。

ところで「この11話は千歌に嫉妬する曜なのだから、実質百合嫉妬回ではないですか?」という質問には筆者は「YES。ちかりこに対して嫉妬する曜は実質百合です」と応えるだろう。土曜の夜からこんなに濃厚な百合をやっても大丈夫なのかは分からないが、一先ず「凄いものを見せられた」とだけ書いておく。百合最高。

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1件のコメント

[C1686]

いつも楽しく読ませてもらっています。

今回の11話は一話のまとまりとしては無印含めてもトップレベルによくまとまっていたと思いました。
最後の嫉妬百合って一言で言えばそれだけなのも面白いですね。

千歌が幼馴染みだからこそ踏み込んで言えない事もあって、いい意味でよそ者の梨子には言えたおかげで今回曜がその気持ちを知る事が出来て、一人相撲してたんだな、バカ曜だなって結末が本当に綺麗でした。

これからも感想楽しみにしてます。

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