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『μ's Final LoveLive!』という死と向き合った話 その1

9月末に『ラブライブ!』最後のソロライブを収録した『μ's Final Lovelive!』が発売された。発売されてしまった。
「楽しみにしていなかった」といえば嘘になる。私はこの日がやってくることを一日千秋の思いで待ち続けていた。そう言っても良いだろう。しかし楽しみと同時に「ついにこの日が来てしまった」という想いを抱いていた。
なぜならこの映像は私にとって「精神の死と向き合う」という事に他ならないからだ。
『ラブライブ!』が始まったのが今から遡ること六年前となる2010年のことで、私が『ラブライブ!』と出会ったのは4年半ほど前になる2012年2月のこと。つまり4年近く『ラブライブ!』というコンテンツを応援し、共に歩んできたわけであり、その4年半の日々に区切りをつけたこのライブの映像をひとたび見てしまえば4年間の日々をどうしても思い出してしまい、その結果、『ラブライブ!』と共に歩んできた日々が与えてくれた喜び、楽しさ、希望のあまりの大きさを噛み締めることになるだろう。そうなった時に私は私の精神がそこまで持つかどうか。
私は私が信じられなかった。
この映像を見た時に耐えられるだけの精神力を自分は有しているのだろうか。仮に精神的な死を迎えた時に、立ち直るのにどれだけの時間がかかるのだろうか。
そうした事を考えれば考えるほど、私の意識はソフトから遠のいていき、自分の体力や精神力を言い訳にして見ることから逃げていた。4月1日に感じたあの「今が最高!」と思えた瞬間を見る事から逃げていた。
しかしながら視聴する機会というものはいつか必ずやってくる。
私にとってはそれは先日のことだった。
とりあえず一本ほど長めの原稿を完成させた翌日、たまたま時間が出来てしまったのである。体力もある。精神力もある。ついでに原稿が終わった解放感でテンションもMAXである。
ならば……見るしかあるまい。
そんなわけでディスクを挿入して再生した私は幸福の死を迎えたのであるが、やはり素晴らしい映像だった事は間違いなく、これから見る人のために良かったところを書いておく。今が最高!

■DISC 1

・オープニング

『Final Lovelive!』はオープニングから凄かった。4thライブでは観客の映像とゴンドラに乗ったキャラクター達をリアルタイム合成するオープニングを見せ、5thライブではやたら手の込んだ奥行きのある映像を作り上げてきたが、今回のオープニングはアニメーションである。作中に登場したあのアルパカが生まれるシーンから始まる事もあり、実質『プリティーリズム・レインボーライブ』なのでは????という気すらするが、まあスタッフ的には京極監督や音響監督の長崎行男さんを始め『プリティーリズム・レインボーライブ』と共通するスタッフもいるのでまあプリリズなのだろう。アルパカの誕生を入れたのは「多くの人達に見守ってもらいながら私達はここまで来ることが出来て、その結果様々なものが生まれた」という暗喩だと考えれば納得がいく。あ、適当なこと言ってますからね。
「僕らのLIVE 君とのLIFE」を彷彿とさせるような高坂穂乃果の走るカットからの『ラブライブ!』の今日までの歩みをライブ会場を巡る形で見せていくのは、今日まで一緒に歩んできた者達の思いを呼び起こす最高の演出の一つだ。ハートの形のバルーンをパスして繋いでいき、東京ドームへ。ハートのバルーンを抱きしめた穂乃果を中心に回り込み、背後に回ると同型の無数のバルーンがあるのは「皆の大好きでここまでやってこられたんですよ」というスタッフ側からのメッセージではないだろうか。
そうでなくても「本当にここまできたんだ」と実感させるこの映像は何度見ても最高だ。死んだ。

・僕らのLIVE 君とのLIFE
・僕らは今のなかで

この二曲を最初に持ってきたのは両曲とも『ラブライブ!』にとって始まりの楽曲だからだろう。
「僕らのLIVE 君とのLIVE」は『ラブライブ!』というプロジェクトそのものの始まりを象徴する楽曲で、「僕らは今のなかで」は『ラブライブ!』が飛躍するきっかけとなったアニメのOPを飾った楽曲で、本ライブのテーマとなっている「『ラブライブ!』の歴史の再現」を考えるとこの二曲で始める以外の選択肢はあるまい。
「僕らのLIVE 君とのLIFE」の時に中央モニターに流す映像にあえてCD付属のPVを選択しているのも、そのテーマを補強するものではないかと思う。しかし両脇のモニターでコールを入れて欲しいところをきっちり押さえてきたり、煽り気味のアングルで空間の
奥行きを見せたり、背後にも観客がいることを見せたりしてくるのは「東京ドーム公演」ということを感じさせるためとはいえ、見ていて「最高」としか思えなくて心が死ぬ。超最高。

・MC

この九人いれば九通りのコール&レスポンスがある状態もこれで最後か……と思うと辛いものが有るのだが、実際の映像では「これで終わりか」ということを全く感じさせなくて「プロかよ」という感想を抱いてしまう。いやプロなんだけど。プロの声優なんだけど。でも初期の頃はここまで上手くなかったんだよなーと思うとやっぱり泣きそうになる。
コール&レスポンスも初期の頃は全員分なかったわけで、このコール&レスポンスも含めてここまでの蓄積である。最高。

・夏色えがおで1,2,Jump!

事前の告知通りこの辺りから南條愛乃抜きでのパフォーマンスが入るが、それはさておき映像で見るとカメラワークに滅茶苦茶こだわっていて興奮する。PVのカット割りやアングル、カメラワークを再現しようとする試みそのものはよくあるが、今回のソフト化においては単なる再現で終わらせるのではなく、その辺りを上手く差し替えていて同一化が図られていて、「これが出来るのが最高なんだよなぁ」という想いで胸がいっぱいである。
それにしても振付が可愛い。超可愛い。可愛すぎる。
『ラブライブ!』の好きな点の一つに「振付の可愛さ」があるが、夏色えがおは全ての楽曲の中でも有数の可愛さでは。最高。

・Wonderful Rush

ステージそのものが観客の頭上を這うようにして動くので、同一フレームの中にサイリウムを振る観客と八人が存在している。そのことで出て来る「今ここにいた」という実在性と臨場感はやっぱり素晴らしい。モニターの中でコールが表示されるのはこの曲なら必須ではあるのだが、カメラワークがライブ的ではなくアニメ的な方向に寄っているので幾つか印象深いカットが生まれているのもこの曲の魅力ではないかと思う。
しかし内田彩メイン楽曲は比較的激しい振付が多いなぁ。その分ハマったときの楽しさがあるのでやっぱり最高。

・友情ノーチェンジ

前半はWonderful Rushで移動後のステージ、後半はトロッコ移動という構成。
「友情ノーチェンジ」自体2014年以来なので久しぶりの楽曲だが、最後ということで入れてきたのは嬉しいところだが、トロッコには南條愛乃が登場。ダンスパフォーマンスこそないものの、やっぱり南條愛乃がいる/いないは印象として相当変わるので、こういう形でも出てくるだけで安心する。
しかし移動ステージ→トロッコの流れは凄い。捨て席ないのでは??という気になる良い演出である。

・もぎゅっと"love"で接近中!

今日までの歩みをまとめた「μ's collection」を挟んで一曲目。衣装はもぎゅっとのPVで登場したメイドドレスで、今までもぎゅっとの衣装は何だかんだで再現されてこなかったのでここで登場というのは度肝を抜かれた事を思い出す。このメイドドレス、アイドル衣装とは路線が全く違うし、フリル多めスカート短めなのが凄く可愛い。スカートは短ければ短いほど可愛いとは『アイカツ!』におけるやぐちひろこの名言だが、その事を改めて思いださせる。可愛い。
演出も冴えているもぎゅっとのPVは「九人のシルエットで入って真姫パートで姿が見える」という導入になっているが、今回のライブでは真姫パート直前まで照明の数を減らして、真姫パートでライトアップする演出になっている。ここにカメラのピントを暈す演出を挟むことで、擬似的にではあるがあのPVの演出が再現されている点に感動を覚えるし、細かいカット割りやアングルもPVの演出を踏まえてのもので、異常なまでに京極演出の再現度が高い。
自分が初めて見たのはこの楽曲のPVなので、ここまでライブで再現してきたことに「この映像だけで勝ったな」という気持ちになった。最高&最高。

・baby maybe 恋のボタン

μ'sの全ての楽曲の中で一番好きな楽曲が、例えショート版でも最後のライブで聞けたという喜びに勝るものはない。自分がどれだけこの楽曲が好きかという話をすると、無駄に長いこの記事が更に長くなる可能性があるので「一曲分の絵コンテを一週間ぐらいかけて切ってしまうぐらいに好き」という事を述べるだけで止めておくが、通路を使って移動しながら歌っているだけなのにどうしてこの楽曲はこんなにも情景描写がすぐに思い浮かぶのだろうか。楽曲の持つ物語性という点において、完璧以外の何者でもないし、この「思いが通じるかどうかわからないけど、勇気を出して告白してみる」という覚悟した乙女の恋心たるやいじらしいし、振付のその辺りの拾いっぷりは流石である。

・Music S.T.A.R.T!!

ステージ後方のモニターと会場の中心付近にあるステージを同一フレームに納める若干煽り気味のカメラ位置に飯田里穂へのズームイン。俯瞰で捉える辺りなど、カメラチームの細かい小技が効きまくった映像の作り込み具合にシビれる。ラストサビ直前の真姫ソロではバストアップショットから更にズーム。背景にいる観客達を淡くすることで、イメージカラーの赤を強くして印象深くさせている点や影の使い方、またライティングなんかも見ていて惚れ惚れする。
ちょっと変わった演出をやっている楽曲も多いが、このときの演出は本当にいい。
ここまでリッチな映像を作っても許される存在になったんだ……という強さは平気で心を殴りつける。死ぬ。

・MC2

もぎゅっとの衣装のお披露目程度でそこまで面白い要素はないが、ここまでダンスパフォーマンスの中もぎゅっとの衣装を見てきたわけで。このMCパートでようやくその衣装の可愛さを見比べることができるようになるわけです。スタイリストも凄いなぁ、と思うのはきちんと各キャラの髪型を再現してきている事で、当たり前のことではあるんだけど、そういうところに気を配ってもらえるのはファン冥利に尽きる。最高。

・ユメノトビラ
・ススメ→トゥモロウ
・Wonder zone
・これからのSomeday
・Love wing bell

ライブ中は無限に思える時間も現実的には有限なので、ここ最近のライブではほぼフルでやっているこの辺の楽曲をメドレー形式で処理してしまうのは繋ぎ方と構成に依るけど「あり」だと思うのです。で、メドレーですが、繋ぎ方と構成が凄くいい。二期曲はともかく一期曲はメンバーの数が最小三人とかだったりするわけで、「一度退場して登場する」とか「トロッコを使う楽曲を用意する」とか、とにかく体力を削らないような事がされていて実に上手い。トロッコなら南條愛乃も出せるので、南條愛乃の印象を薄くしないための措置としてもこの辺りは良いんじゃないかなぁ。Pile様が徳井青空の袖を掴むとか「公式百合かよ」みたいなのもあるし、アルパカ遊ばれ過ぎだし……。

・Dancing stars on me!

5th ライブの演出が良すぎたので「アレは超えられないだろう」と覚悟していたのだが、予想は裏切られるもの。期待以上のものを見せてきて、3月31日の時もびっくりしたものその1。
まずアニメにおける京極監督の演出を演出意図も含めてきちんと演出に組み込んできている点が素晴らしい。曲入りのあのジャックオーランタンの登場は楽曲のイメージを引き出すのに最適だし、あれが入れば次の流れも見えてくる。
次に紙吹雪がカボチャになっている点がいい。この楽曲はハロウィンの楽曲なので、アニメや5th ライブではハロウィンの仮装を彷彿とさせる衣装に身を包んでいたけれど、今回のライブはもぎゅっと衣装にエプロンというものでそのあたりの記号性が薄れている。「そこにどうやってハロウィンっぽさを足すか」と考えた時に、紙吹雪をカボチャの形にするのは単純ではあるが視覚効果としては最適だ。そこにライブ特有の臨場感のあるカメラが合わさることで迫力もあるしで文句の付け所がない。
強いて言うなら相変わらず楠田亜衣奈のダンスのキレが良すぎて、彼女をメインにすると他の人との差が見えてしまうことか。いや楠田亜衣奈のダンスは滅茶苦茶上手いからいいんだけども。

・Happy maker!

この楽曲と言えば行進で、当然このライブでも「みんな!続け!」と言う新田恵海の台詞に答える形で通路を歩いてメインステージに向けて行進が行われるんだけど、この直後にユニットパートへと突入することを考えた時に「ここでこの楽曲を持ってくる」というのは相当凄い事だと思うのです。
まず動いていてもおかしくないのでメインステージへと移動しだしてもおかしくない。二期の最後を飾った楽曲なので「ここで一区切りかな」と思わせる事もできる。それでいてちゃんとパフォーマンスは面白い!というこの三拍子が揃うのは確かにこの楽曲しか無いんだけど、ここでそれを切るかー!と感心する。もうちょっとあとでも良かったのに!
とはいえ、アニメ関連楽曲をここで消化しちゃわないとあとがきついのも確かで……。
まあそういうところも含めて「構成がガチガチで遊ぶところが全くない、ファイナルライブに相応しいセットリスト」なので、これでいいんですけどね。しかし最後に横に広がるところが本当にいいよなぁ。奥行ある縦から横へのフォーメーション変更の立体感よ。こういうところも含めてμ'sってバケモノなのでは……という気もする。いやあ本当に最高ですね。



一枚目だけでかなりの量になったので二枚目以降はまた後日やります。


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