Entries

『ViVid Strike!』に見る都築真紀の作風について

プリパラ公式親衛隊終了のお知らせかぁ。夏コミ前にプリスマスの最速申込、夏コミ終わったら今度はプリミュの最速申込に親衛隊限定イベントの告知と、「継続する予定があるのなら10月以降でもいいのでは?」というものが立て続けに発表されていたので、「10月の更新はないだろうなぁ」と予想していたら案の定か。
『プリパラ』も今年で三年目。大体子供向けアニメは「持って三年ぐらい」というのがあるので、それに従うと来年3月末で終了するだろう。現に物語自体も当初から目標に掲げられていた「神アイドル」に向かって収束しつつあり、これ以上続ける気があるのか?という感じになりつつある。個人的には終わることそのものは妥当だと思っているので、寂しさを感じることはあれども納得はしているのだが、気になるのは続編ないし後継作の発表があるかどうかだなぁ。
まあ数字だけ見ればここで『プリパラ』と言う作品を手放す選択肢はない。『アイカツ!』一強だった時代を終わらせ、三年目となり目新しさが既に薄らいでいた頃にもかかわらず、過去最高の回転数を記録するほどの作品である。ほぼ間違いなく後継作は発表されるだろう。アニメサイドとゲームサイドの仲も良いことから、おそらくそちらを原作としたアニメの制作も始まると思うが、それがどういう作品になるのか。
親衛隊終了ということで本格的に終わりの兆しが見えてきた『プリパラ』だけど、最後まで応援したいなぁ。



2004年から展開されてきた『魔法少女リリカルなのは』シリーズの最新作となる『ViVid Strike!』は、シリーズ四作目となる『魔法少女リリカルなのはViVid』の一年後の世界を舞台に、フーカ・レヴェントンとリンネ・ベルリネッタの二人の少女が思いをぶつけあう様を描いた作品だ。
『なのは ViVid』と同じ世界観ということもあり、ナカジマジム所属のヴィヴィオやノーヴェと言ったキャラクター達はそのまま登場し、物語もスポーツ格闘技の路線をそのまま継承したものとなっているが、一方でリンネの弱者を平然と見下す態度やフーカがかつて置かれていた境遇など、都築真紀の得意とする「ハートフルさの中に織り交ぜられた暴力の悲劇性」は『ViVid』以上に強められている。
特にその悲劇性が発揮されていたのが四話のリンネの過去だろう。
フーカと同じように孤児だったリンネ・ベルリネッタはその誰に対しても慈しむ優しさを見初められ、資産家であるベルリネッタ家の養女として引き取られる。自分を見初めてくれた養祖父や両親となってくれた養父・養母に恥じぬよう、新しい生活に馴染もうと努力するリンネであったが、その「孤児出身」という経歴や類まれなるスポーツ全般への才能故にクラスメイト達から執拗なイジメを受けてしまう。当初はイジメに耐えていたリンネであったが、その「イジメに耐える」という選択をした結果、養祖父の死の間際に立ち会うことが出来ず、その深い後悔から自らの弱さを憎み、弱い存在は無条件で見下す苛烈な人間へと変わってしまうのだった。
自分を虐めてきた女子生徒達に対する関節を破壊する、眼鏡をかけていようがお構いなく下駄箱に頭を叩きつける、逃げようとして転んでしまった生徒の顔めがけて蹴りを叩き込むなど、四話における彼女の過剰なまでの暴力的制裁は、自分へ悪意を向けてくる存在にやりたい放題させてきた今までの自分との決別としては妥当なものだ。また現在の彼女が振るう圧倒的な強さの片鱗を感じさせ、その悲劇性を印象付ける良い描写であるが、こうした暴力表現を見せられて驚く人もいるだろう。
しかしながらこれは「都築真紀」という脚本家の作家性ともいうべきものではないかと筆者は考える。
なぜなら、氏の作品にはこうした「他者を傷つけるための力を振るわなければならなくなってしまった人間の悲劇性」が存在しているからだ。
そもそも第一作となる『魔法少女リリカルなのは』からして魔法少女的なハートフルさがある反面、フェイト周りの描写は過激なもので、暴力的手段を取る理由が悲劇的なものであった。
フェイトは自分の存在価値を「ジュエルシードを集めた事によって母親が認めてくれるかどうか」でしか見出すことが出来ず、ジュエルシードを手に入れることが出来なくて母親に制裁を受ける際にはそれを「仕方がないもの」として受け入れており、「犯罪である」と分かっていても、彼女は「母親の愛」という無償の愛を手に入れるために戦い続けていた。
『A's』では自分達を道具ではなく家族として受け入れてくれた八神はやてを救うために、ヴォルケンリッター達は他者を傷つけて闇の書の完成を目指していたし、『StrikerS』ではヴィヴィオを始め自分のルーツがルーツなだけに暴力を振るう手段をとるしかない存在ばかりであった(黒幕であるジェイル・スカリエッティですらそうであった)。
以上のように都築氏はそうした「暴力を振るうに足る理由」を一貫して悲劇として描いてきた。なのはシリーズとは関係ない『DOG DAYS』も、レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワがビスコッティへの侵攻に執着する理由も未来視によって得た「友人が死んでしまう」という結末を変えるためと、「強引な手段を取るしかないこと」の悲劇性は忘れられていなかった。
しかし氏の作品には暴力を振るわざるを得ない事への悲劇と対になるように、「改心するきっかけ」というのも与えられている。
『なのは』においては「フェイトと友達になりたい」という高町なのはの存在だったし、『A's』においてはその罪を悔い改める機会が与えられていた。『StrikerS』も自分のルーツとは関係なく生きていく道を選択することができた。『ViVid Strike!』も都築真紀氏の作品である以上、改心するきっかけは「フ―カ・レヴェントン」という形で既に存在している。
確かにリンネのやったことは良い事だとは言えない。「弱者だから」という理由で他者を見下すことはかつての自分の弱さ、ひいては養祖父が認めた「優しさ」「慈愛」を否定する事であり、亡くなった養祖父の差し伸べてくれた手を汚している事に他ならないのだから。
しかしそんなリンネにもこれまでの行いを悔い改め、変わるためのきっかけが必ず訪れるだろう。
都築真紀が描く『ViVid Strike!』がどのような顛末を辿るのか。見届けたいところだ。


スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2295-fd7abd77

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター