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2016年に公開されたアニメ映画についての総評(暫定版)

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今年2016年を一言で表すのなら「アニメ映画大豊作の年」になるだろう。
近年はイベント上映なども含め数多くの作品が映画館で上映されることが多いのだが、それを考慮しても今年はアニメ映画が話題になる事が非常に多い一年だったことに疑いの余地はないだろう。間違いなく今年はアニメ映画にとって十年に一度、二十年に一度級の大豊作の年であり、体験出来た事そのものに深く感謝を述べたくなるような奇跡のような一年だった。

そんな奇跡の一年の開幕を輝かしく飾ったのが1月9日に公開された『KING OF PRISM by PrettyRhythm』である。
2014年3月末で放送を終了した『プリティーリズム・レインボーライブ』の男性キャラクター達にスポットを当てたスピンオフ作品として制作された本作は「声出しOK!サイリウムOK!コスプレOK!」の応援上映会への注目と共に大ヒット。公開直後は続編の制作すらも不可能だろうと思われていた空気を吹き飛ばし、最終的に半年以上にも渡るロングランヒット作品となった。
プリズムの煌めきが日本全国へと広がりを見せていく最中である4月29日には『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』が公開されている。
『遊戯王』20周年記念作品として制作された本作は「闘いの儀」によってアテムを冥界へと送り出した後の武藤遊戯や海馬瀬人の活躍を描いたアフターストーリーとなる作品で、『遊戯王』らしい「友情」や「結束」、そしてまるで激しい格闘技のような展開を見せるカードゲーム描写により現在のファンはもちろん、かつてのファン達からも好意的に迎え入れられた。また前述した「応援上映会(本作では「大喝采上映会」と命名されている)」の開催やスタッフを招いてのトークショーなど、『遊戯王』を盛り上げる特殊な上映会も開催され、「20周年」という記念すべき一年に相応しいお祭りのような作品となった。
『ズートピア』が公開されたのもこの辺りである。肉食動物も草食動物も皆が一緒に暮らす理想郷「ズートピア」で起きた肉食動物の失踪事件を追う事になったウサギの警官ジュディとキツネで詐欺師のニックのバディが、捜査の中でズートピアの真実を知ってしまう……という本格的なミステリータッチな本作だが、物語の核となっているのは「偏見」と非常に刺激的な映画である。公開当時も「見ておくべき」と話題になった作品だが、今だからこそ見ることで気づけることもきっとあるはずだ。

庵野秀明と樋口真嗣が初代『ゴジラ』以来となる「ゴジラがもし今日本にやってきたら」を真剣に描いた『シン・ゴジラ』が歴代でも上位に食い込むような勢いを見せている夏には『劇場版アイカツスターズ!』が公開され、一部の狭いコミュニティ内の出来事ではあるが、様々な議論を巻き起こした。
その議論の内容というのは「本作の主人公である虹野ゆめと桜庭ローラはクライマックスでキスをしたのか。それともしていないのか」というもので、今夏の唸るような暑さよりも熱く思いを伝え合う二人の姿は己の望む映像を見てしまったとしても決しておかしなことではなく、こうした議論が巻き起こったことそのものが本作を物語っていると言えよう。なお筆者は本作において欠番カットがあるだけでキスはしている派である。

そして夏も終わりの8月26日には『君の名は。』が登場する。
新海誠監督が『言の葉の庭』以来三年ぶりに発表したこの作品は、「東京に住む少年と田舎に住む少女が入れ替わる」という男女の入れ替わり物。これまでの新海誠の作品にも見られた「運命の相手とのすれ違い」という要素が盛り込まれているが、積極的に他者のチェックを受ける体制の構築により氏の持ち味はそのままに、多くの人の支持を集めるエンターテイメント性の強い作品に仕上がっている。
9月22日には興行収入100億円を突破し、11月20日現在184億円もの数字を叩き出している大ヒット作品であるが、どこまで数字を伸ばすのか暖かく見守っていきたい。

9月17日には大今良時原作の『聲の形』が公開された。
週刊少年マガジンに読み切りが掲載された時も様々な議論を巻き起こした作品であるが、本作では連載版を原作として「主人公の一人である石田将也が自分の罪を許して世界に耳を傾けられるようになる」という物語に再構成された。そのため群像劇に近い構造だった原作からは大きく印象が異なるシーンもあるが、「映像になったこと」「音声がついたこと」により将也から見える世界の変化に救いを感じられるような作品となっている。「コミュニケーションの難しさ」と「通じ合った時の喜び」。その尊さを描いた『聲の形』は今年の中でも指折りの出来である。一度確認してみて欲しい。

そして歴代でも屈指の出来である『映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』を経て、11月12日には今年の大本命である『この世界の片隅に』が公開された。
こうの史代の同名作品に惚れ込んだ片渕須直監督が六年以上の年月をかけて完成させた『この世界の片隅に』は、戦時下における日常風景を描いている。知識の上では知っている事も多い戦中の出来事であるが、本作で「すずさん」と言う一人の人物を通じて描かれていくそれらの出来事は「知識」ではなく血の通った「体験」である。
「辛い」「苦しい」が日々の大半を占めていたとしても、時には「楽しさ」「嬉しさ」を感じることもあるだろう。それらも含めて「日常」であり、本作はその日常を緻密に描いている。そこがたまらなく愛おしいし、それが「戦時下だから仕方がない」とは思いながらも奪われていく様には作中人物と同じように辛く感じてしまう。
また昭和20年に突入してからは8月6日へ向けてのカウントダウンが始まっていくことから、見ていて胸を締め付けられるようなシーンが多い。これだけ笑っていたとしても8月6日には原爆は投下されるのである。「お祭りがあるから帰っておいで」と言ってくれた日には投下されるのである。見ていて辛いし苦しい。しかしそれでも日々は続いていくし、「ここで生きる」と決めた意思は止まることはない。そういう『この場所で生きる』と言う意志が何よりも美しいのである。

徒然と今年のアニメ映画にとって振り返ってきたが、これだけ上げてもまだ上げていない作品のほうが圧倒的に多い辺り、今年は大豊作であると言わざるをえない。残すところあと5週間ほどとなった今年だが、その五週間ばかりの間にも11月26日からは『劇場版艦これ』が公開され、12月には『ポッピンQ』と『モンスターストライク』と『チェインクロニクル』が公開されるという。何なんだ今年!である。いいぞもっとやれ!という気分である。
もっとガンガン色々な作品を見て、面白い作品があれば隙を見て応援していきたい。


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