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『Fate/Grand Order』のメインシナリオに見るライターの性質の違いについて

冬コミの進捗状況ですが、アイカツ!本はほぼ完成済み。ラブライブ!サンシャイン!!本は編集作業の最中です。「アイカツ!もラブライブ!サンシャイン!!も両方出したい……。なら両方出せるようにスケジュールを組めばいい!」ということで実際にやってみたんですが、やっぱりつらいものはつらい。というかゲームが完全に滞るのが痛い。こっちはゲームを燃料として動いているところもあるというのに!

コミックマーケット91。当選しているので、よろしくお願いします。【三日目 東2 V18-a 魔界戦線】です。
新刊はラブライブ!サンシャイン!!とアイカツ!です。
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ディライトワークス開発・運営の『Fate/Grand Order』で四カ月ぶりとなる新シナリオ「第七特異点 絶対魔獣戦線バビロニア」が12月7日に実装された。この「第七特異点 絶対魔獣戦線バビロニア」は紀元前2600年頃のバビロニアを舞台に、人類全てを滅ぼそうとする三女神同盟に抗い続けるギルガメッシュ達人間を描いた物語で、2015年7月30日のサービス開始以来紡がれてきた物語の一つのクライマックスとなる物語である。
サービス開始直後からプレイしてきたユーザーの一人としては「ようやく完結するのか……」「一年半ぐらい付き合ってるんだな……」「ところでさらっと『観測できなくなった未来の時間』が変更されてません?」と言いたくなるような導入であり、人造生命体であるが故に寿命が尽きかけているマシュの運命に第七特異点突破者のみを対象とした大規模レイドバトルとなる事がアナウンスされている終章の存在など気になる事が多いが、ともあれようやく実装された第七特異点をまずは楽しんでいきたい。終章までの事を考えると三週間ぐらいしかないけども。

で、本題である。
本作のシナリオは『Fate』という作品を保有するTYPE-MOONに縁の深いシナリオライター達――具体的は奈須きのこと東出祐一郎と桜井光の三人――によって執筆されている。全ての物語の起点となる序章、物語の転換点を迎えた第六章(そしておそらく今回実装された第七章も)は奈須きのこが、第一特異点と第三特異点、第五特異点を東出祐一郎が、第二特異点と第四特異点は桜井光がそれぞれ担当しており、ライター陣の特色を活かして演出される物語はどれも面白く、どの世界も魅力的だ。

例えば東出祐一郎が描いた第一特異点も第三特異点も第五特異点もシチュエーションと構図がとにかく面白い。
第一特異点は「邪竜百年戦争オルレアン」というサブタイトルからも分かる通り1431年のフランスを舞台に、なぜかはぐれサーヴァントとして召喚されてしまったジャンヌ・ダルクと共にオルレアンを襲うドラゴンの脅威に立ち向かう物語であるが、読み進めていけば分かるように本作の根底にあるのは「『魔女』と辱められ、殺されてしまったジャンヌ・ダルクはきっと世界を呪っているに違いない」というジル・ド・レイのジャンヌ・ダルク観である。
そのジャンヌ・ダルク観に聖杯が結びつき、聖女ジャンヌ対竜の魔女ジャンヌ・オルタという構図が誕生。二人のジャンヌ同士の戦いと言う構図が成立し、両者の衝突にドラマが誕生する。またサブストーリーとして挿入される「サーヴァント」という二度目の生を得たからこそのモーツァルトとマリーアントワネットの出会いと別れは甘酸っぱくも切なく、『Fate』という作品だからこそ出来るシチュエーションは二次創作的ではあるものの、だからこその美しさと熱さがある。
第三特異点では「イアソン率いる英霊海賊軍団にフランシス・ドレイク達の協力を取り付けた主人公達が対抗する」という海賊対海賊の構図を誕生させ、第五特異点ではケルト神話という古き神話から登場した英霊達が神話を持たないアメリカの英霊達と戦う構図がまずあり、そこにアルジュナとカルナの因縁やラーマとシータの悲恋などが盛り込まれており、総じて東出祐一郎が担当した物語はシチュエーションや構図が先にあり、点と点が結ばれて線になるが如く物語が作り上げられていく――という特徴があるように思う。
一方、桜井光はどちらかといえばキャラクターを掘り下げていくシナリオを作るタイプであり、第二特異点も第四特異点も物語としてはナビゲーターを務める英霊達の内面に踏み込んだシナリオである。
第二特異点はネロ・クラウディウスが英霊として限界した歴代のローマ皇帝達に自分の治世とアイデンティティを揺さぶられ、「このままで本当に良いのだろうか」と自問する中で自己を確立する物語であったし、第四特異点は「父親に反逆してブリテンを崩壊へと導いたモードレッドがなぜロンドンを守るために戦うのか」というところに切り込み、「父上が守ろうとしたものだから俺が守る」と言わせるなど、「二度目の生を得た英霊が登場する作品」ということを活かした作劇が多い。
特に後者のモードレッドは黒化したアーサー王と敵対する事もあり、彼女の中における父親の価値とそんな父に相応しい存在になろうとした彼女の努力(とそれだけに裏切られた事による絶望)を感じさせる秀逸な展開であった。
奈須きのこについては終章がまだ展開されていない事もあり詳しい事は完結後に述べるが、個人の思いと生命賛歌に満ちた物語だったように思う。第七特異点冒頭でマシュの寿命について言及された今、第六特異点でマシュが得た思いはきっと人類史を破壊したソロモンにも深く突き刺さるはずだ。

第一部完結まであと少し。第七特異点が終われば次は終章である。
英霊やユーザー達が感じた思いとライター達が紡いできた世界が、どのような未来を切り開いてくれるのだろう。
ワクワクしながら「男性キャスター殺し」というあまりにもソロモンに刺さりまくるライダー「女王メイヴ」と、バイクでひき逃げ野郎ことライダー「酒田金時」を育成しながら終章の開始を待ち続けたい。
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