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最後まで全力でシナリオを描き切った『チェインクロニクル』と『Fate/Grand Order』について

二年ほど前に「ソーシャルゲームでシナリオを重視しているものってどれぐらいあるの?」と聞かれたことがある。
当時からそこそこの本数をプレイしていた自分は「なくはない。そして面白いものは面白い」と答えつつ、同時に「そうか。世間的にはその程度の認識なのか」という落胆を抱き、それでも「いつか来るんだろうなぁ。シナリオ重視のゲームが広まっていく瞬間が」という想いと『セブンズストーリー』の存在を胸に生きてきたのだが、2016年はそんな自分のかつてからの想いが報われる一年だった。
なぜなら『チェインクロニクル』と『Fate/Grand order』という二作のシナリオを完結まで見届けることが出来たからだ。

『チェインクロニクル』は2013年から展開されているゲームで、2014年前半にユグド大陸を舞台にした義勇軍と黒の軍勢の戦いを描いた第一部が完結。2014年7月17日より舞台をユグド大陸外に移した第二部「チェインクロニクル~絆の新大陸~」が開始。2016年に3年にもわたる義勇軍達の物語が無事に完結を迎えた。
「絆」「繋がり」を中核に据えたシナリオは第二部が始まった頃から触れ始めた自分にも楽しめたし、大陸全土を回って種族の違いや政治争いを超えて繋いだ絆で黒の軍勢と戦う最終決戦は燃えに燃えた。第二部ではユグド以外の大陸が舞台になって種族だけでなく文化背景そのものが全く違う者達と絆を繋いでいく展開が多く、それらが結実する第二部の最期は絆を大切につないできたからこその奇跡。展開そのものはよく言えば王道、悪く言えばベタではあるが、一つの大陸を巡る物語そのものが大きな物語であったため、この全てを包括する展開は非常に熱いものだった(余談だが、この第二部のラストはパーティー編成によってシナリオに変化があるという挑戦的な試みがされていて、「自分が戦っている!」感が強いシナリオで、この点も個人的には高く評価したい)。
現在は義勇軍達の戦いから五年後を舞台にした第三部「チェインクロニクル3」が展開されており、今度は「複数人の主人公による群像劇」として面白いシナリオを紡いでいる(もちろんこれまでのキャラは全て使える)『チェインクロニクル』は、シナリオを大事にしているソーシャルゲームの中でも一歩先を征く作品になっているように思う。「第一部の途中でもし義勇軍が負けていたら」というifの物語を描いたアニメなど精力的に展開している本作は去年のソーシャルゲームの中でも特に大切なタイトルの一つだろう。

『Fate/Grand Order』は先日も書いたようにリアルタイム性を重視していた作品だった。年末に完結するように構成された作品であった。とはいえ最初から最後まで「年末完結」が一貫されていたかどうかでいえば怪しい。というか、おそらくされていないだろう。というのもプロジェクトの発表があった段階で公表されていたものは「2015年に始まり、2015年中に完結する予定」だが、様々な事情による延期に次ぐ延期により実質的なスタートは2015年の7月末となり、「年末に完結する」は夢のまた夢へとなっていたからだ。おそらくスタート段階でリアルタイム性を重視した当初の構想は瓦解していた事は間違いない。しかしその構想を貫くためにあえて「完結までを半年伸ばす」という思い切った判断をした。そのことにより現実と連動したリアルタイム性が復活。相棒となるマシュや絆を紡いだサーヴァント達と共に全力で駆け抜けることが出来た。その判断があったからこそ、様々な色に満ちた未来を迎えた事を意味する日の出は多くのユーザーたちの心を魅了することが出来たのだろう。あの「半年伸ばす」という判断がなければおそらく今日の評価は得られていまい。そして年末に完結したことからこその人気の沸騰っぷりである。
新たなユーザー達がガンガン参加し、攻略情報は活性化し、自分の推しているサーヴァントを宣伝し合う。
「マスターとサーヴァントの絆はここに極まり」である。人と人とのつながりもここに極まりである。
現在は第一部と第二部の間を繋ぐ1.5部の展開がアナウンスされており、その準備中であると予想できるが、綴られることが決まっている四つの物語がどのようにつながってくるのか注目したい。

『チェインクロニクル』も『Fate/Grand Order』も、両作とも人気のあるソーシャルゲームなのでシナリオが完結してもゲームそのものが終わる事はもちろんない。しかし「今展開しているシナリオを最後まで描き切った」という事実は、「このゲームのスタッフは例えゲームそのものが終わるとしても、きっと最後まで描き切ってくれる」という信頼を生み出す。それはゲームにとっても、スタッフにとっても、そしてユーザーにとってもかけがえのない至宝になるものだ。その至宝を与えてくれたことに一ユーザーとして感謝を述べたい。本当にありがとう。


ケイオスドラゴン?  『サンダーボルトモバクソゲー』で友人が顛末を書いてくれているので読んでほしいですね。


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