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『ニーアオートマタ』があまりにも面白すぎる件について

先日発売された『ニーアオートマタ』が滅茶苦茶面白い。
あの「ゲーム」という表現を突き詰め、スタッフとユーザーが暗黙の了解で不可侵領域に設定していたセーブデータにも手を伸ばして「ゲームとしての演出」の中に組み込んでしまった『ニーアレプリカント』の続編という事でプレイしていたが、『ニーアレプリカント』の続編という事や自分があの『ニーアレプリカント』の表現に完全にやられた人間であることを抜きにしても総合的に完成度が高く、Cエンドを目指す三週目の途中ながらも「今年上半期を代表するタイトルの一つだろう」という手応えを得ている。
出来れば多くの人にこのとんでもない作品をプレイしてほしいので、本記事ではこのゲームの面白いと思う理由を書いていく。迷ってる人は是非参考にしていただき、「積むかも」と思っている人はネタバレを踏まないために早くやってください。

まずこのゲームが面白いのはその世界観である。
西暦5000年頃に突如外宇宙生命体エイリアンが出現。地球全土に自分達の兵器である機械生命体を送り込み侵略をし始めた。地球人類はその突然の攻撃に為す術無く撤退。人類は月へと逃れ、地球はエイリアン達の支配下に置かれていた。とはいえ人類も黙って地球が蹂躙されるのを見ているわけではなく、アンドロイド部隊を組織してエイリアンの手から地球を取り戻すべく戦いを開始する――というのが本編が始まるかなり前の出来事である。
本編開始時点での地球は機械生命体による攻撃で文明は完全に崩壊していて、人類は当然存在していない。地球で活動しているのはエイリアンが送り込んだ機械生命体と巨大化した植物と動物、そして人類がエイリアン殲滅のために作り出したアンドロイドだけである。文明はとっくに崩壊していて何も残っていない。プレイヤーが巡るのも廃遊園地に廃工場、廃墟都市に地盤沈下で沈みゆく水没都市、砂漠の中にそびえ立つマンモス団地であり、かつて人類がどう過ごしていたかを想像させるような場所ばかりだ。
そんな文明の残骸を支配する無機質で記号的な無数の機械生命体達……。
球体にカメラアイが二つついてるだけの簡素なデザインだが、その簡素さ故に「機械らしさ」を感じるし容赦なく破壊することが出来るのだが、正直この世界観だけで素晴らしいものがあるし、こうした廃墟が好きな人間にとってはたまらないものがある。
個人的に素晴らしいと思うのはその色彩設計だ。砂漠地帯は若干赤めの、遊園地は若干紫寄りの、森林地帯には若干緑めの色合いになっており、巡る場所によって全く異なる印象を残す。砂漠地帯の赤さ加減は太陽の強さと唸るような暑さを感じるところだし、遊園地は寂しさと触れれば壊れてしまいそうな儚さがあり、森林地帯は文明と機械生命体と動物が暮らす世界ながらも不思議な秩序を感じてしまう。
プレイヤーが自由に走り回れる世界はそこまで広いわけではないのだが、こうした色彩設計のおかげで一つ一つのエリアが全く異なる印象を残すため、全く不満感がない。特に森林地帯は落ち着いた色合いながらも、機械生命体達による王国が建国されているため、そのアンバランスさが自分好みでとても素晴らしかった。

またアクションゲームとしての完成度の高さも素晴らしい。
『ニーアオートマタ』の作りそのものはごくごく普通のアクションゲームそのものだ。弱攻撃ボタンを押せば弱攻撃に装備していた武器で攻撃し、強攻撃を押せば強攻撃で斬りかかる。回避ボタンを押せば回避をするし、操作するキャラクター達に同行する支援ポッドに射撃を命令すれば射撃をする。作りそのものはごくごく普通のゲームなのだが、とにかくレスポンスがいい。特に回避はボタンを押せばすぐに回避行動に移るし、相手の攻撃に合わせて回避した時に見られるジャスト回避では凄まじく格好いい動きで回避してくれる。おまけにこの回避行動はデメリットがないので、思う存分回避ができる。機械生命体に囲まれた状態から一発も喰らわずに、おまけに格好良く切り抜けられるのは実に爽快だ。
また相手の射撃攻撃も大抵の場合無力化できるのも素晴らしいところである。大体の弾は近接攻撃で真っ二つに出来るので、弾幕がまるで怖くない。ボス戦では相手がシューティングゲームのように弾幕を張ってくるが、大体の弾幕は攻撃で無効化できる。
相手の射撃や近接攻撃を織り交ぜた猛攻を回避や攻撃を駆使してスタイリッシュに切り抜けられたら、それはもう最高の気分である。楽しすぎて仕方がない。
なお二週目からは9Sを操作できるようになり、「相手にハッキングして大ダメージを与える」ということも可能になる。このハッキングはシューティングゲーム風なので、キャラクターごとの特性を戦闘面でも出しつつ同じことを繰り返さなくていいのである。最高だ。

最後にストーリーについて述べておくと、概ねいつものヨコオタロウディレクションゲームでとても面白い。
そもそも『ドラッグオンドラグーン』自体が「マルチバッドエンディングゲーム」と称されるほどどの展開も救いがなく、これは『ニーアレプリカント』でも「一見するとハッピーエンドだが、二週目以降に語られる内容を読み解いていくと明らかにバッドエンド」という形で再現されているが、本作もほぼその手の類である。
一周目では「アンドロイドと機械生命体を分けうるものはないのでは?」と言う形でハッピーエンドに近い終わり方をしていても、二週目以降で語られる内容は概ね重い結末で、かなり救いがない。そもそもの「人類は本当に生きているの?」という問いについても同じである。『オートマタ』の世界は『レプリカント』で語られていたとおりの末路を辿った世界で、どうやっても絶望だ。
それでも「面白い」といえるのは、あまりにも人間的なドラマだからだ。アンドロイド達は死んでも次の義体に移るだけだし、機械生命体達はどうやっても機械で、機構そのものは人間ではないのだが、その行動はあまりにも人間的で、だからこそある意味滑稽であり、ある意味人間同士の物語よりも真剣さを帯びる。
三週目以降のあの無機質で簡素なデザインのロボットにすらも感情移入してしまっていた事を突きつけられる廃工場でのイベントはなんとも悲しいものだったが、それを悲しく感じるのは彼らが肉体は機械でも精神は機械ではなかったからだろう。だから辛いし悲しい。そしてだからこそ最後まで見届けたいと思う。
まだ全部読み取れていないが、きっと最後にはどんでん返しが待っているのだろう。楽しみだ。

そんなわけで『ニーアオートマタ』について書いてきたが、本当に素晴らしいゲームである。ネタバレすると魅力が失われるだろうということが分かるほどにストーリーが素晴らしく、そのストーリーを追いかけるためについついコントローラーを持つ時間が長くなってしまう。まだ40時間ほどしかプレイしてないが、まだまだプレイできそうでワクワクしている。「アクションゲームは苦手」と言う人もいるだろうが、本作に搭載されているイージーモードはボタンを連打しているだけでも派手な立ち回りを演じられるほど優秀なのでアクションゲームが苦手でも十分に楽しむことが出来るだろう。食わず嫌いで終わるにはあまりにも勿体無いので、体験版からでもいいので是非やってみてほしい。



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