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『スーパーロボット大戦V』と宇宙戦艦ヤマト2199とクロスオーバーと

スパロボの新作に触れる時に個人的に楽しみにしている事の一つに、「異なる作品をどうクロスオーバーさせるか」というのがある。
スパロボは本来なら独立した世界を持つ作品をあえて一つの世界に存在するものとして扱う。『機神咆吼デモンベイン』と『ヒーローマン』が同じアメリカで共闘したり、『機動戦士ガンダム00』が『マクロスF』と共に登場したりする。しかし当たり前の話ではあるが、それぞれの作品は独立していて、その作品の中で解決するように設定や世界観が組まれている以上、複数の作品で設定の食い違いが発生する。同じガンダムシリーズ同士でも兵器としての系統の違いが発生したりもする。
しかしスパロボはそこを上手く解決してきた。設定の解釈を変えたり、別の作品を絡ませることで上手く緩衝したりと様々な方法で!
その設定の食い違いを解決し、異なる作品同士を上手く混ぜ合わせるアイデア。それが自分にとっての「スパロボの良さ」なのだ。まあ「寝言を聞いている」という事なのだが。

前置きが長くなったが、今日スパロボ最新作である『スーパーロボット大戦V』の一週目を終えた。据置機で版権スパロボをやるのは2015年の『第三次Z天獄篇』以来だが、とても良くできたスパロボだった。
システム周りは『第三次Z』シリーズを踏襲したものだが、全体的にブラッシュアップされてやりやすくなっている。パイロット育成は一人一人が個別に獲得するポイントを消費して育成するパイロットポイントが廃止。代わりに部隊内の共通ポイントを消費して育成するスキルプログラムに置き換えられており、後半に加入するキャラクターでも置いておかれること無く強くする事が可能になった。改造ボーナスが全体的に強力になっていることもあり、「自分の好きなキャラクターをとことん強くできる」という方向で調整しているように思うが、この調整はスパロボでずっと望んでいた事なので凄く嬉しかった。
初参戦組にして自分が一番楽しみにしていた『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の主人公・アンジュに至っては加入した直後に全てのリソースを吐き出し、最終的に「全ての能力が限界まで上げられ、スキルも全て獲得している」という状態にしたが悔いは無かった。ここまでやった結果、ラスボスですら完全回避可能なアンジュにはドン引きしたが、これまではそれが出来るスパロボではなかったので今回の「どこまでも強く出来る」と言う仕様は本当に楽しかった。ありがとうスパロボ。二週目はヒルダも育てるよ。

で、肝心のシナリオについてだが、これまでのスパロボではあまり見かけないようなタイプのシナリオだったように思う。
これまでのスパロボは何だかんだでオリジナルキャラクター達が物語の主軸に据えられていたように思うのだが、今回のスパロボの主軸になるのはオリジナルキャラクター達ではなく、『宇宙戦艦ヤマト2199』だ。主人公達が暮らす地球はヤマト2199の地球で、ひょんなことからオリジナル機体のヴァングレイと共にヤマトに乗り込み、イスカンダルを目指す道中で並行世界へ渡り、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「並行世界」というネタそのものはZシリーズでもやったことではあるが、今回は「並行世界への移動」が一つの軸になっているため、同じネタでも全く異なった印象である。作中にはある分岐点により変化し異なる経路を辿った三つの地球が登場し、様々な技術を集めてボソンジャンプで移動していく本作の根幹にあるギミックは『ナデシコ』が参戦している今作だからこそ出来ることだろう。
『クロスアンジュ』が参戦していることや『マイトガイン』の存在もあり、その辺りは上手く溶け合わさっており、「Zガンダムとクロスボーンガンダムは技術水準が相当違うのに一緒に戦えるのはなぜ?」という疑問にも「それぞれの出身世界が違う」という形で答えているなど疑問点を上手く解消している。まあ「エンブリヲに反旗を翻した者達がコーディネーターを作った」だの「ヴィルキスを模してフリーダムガンダムは作られた」だの「ドラグニウムはゲッター線」だのといった寝言の域を超えすぎた寝言が出てくるが、それはそれである。
中盤まではそんな感じで「いつものスパロボ!」という雰囲気で進むのだが、終盤に差し掛かってくると事情が変わり、ヤマトのシナリオに戻って「イスカンダルを目指す」と言う話になるのはとても面白い展開だった。一見すると唐突に見えるのだが、最終的には納得がいく理屈付けがされているし、ラスボスを務めるあの存在を考えるととてもよく練られた話運びだったように思う。
ラスボスも完全否定されるわけではなく、むしろきちんと筋道を立てて説き伏せる形になっているのも良い。人と人との繋がりが本来(つまり原作通り)なら悲劇的な展開になるはずの運命を変え、全く異なる未来につながっているわけで、ラスボスを納得させるものとしてその結論は見事なものだろう。エピローグでは『ナデシコ』は事実上のハッピーエンドを迎えるし、マジンガーもいい結末だったしいいんじゃないだろうか。加えて「シャアの亡霊に取り憑かれていないフル・フロンタルがコロニー側の大統領になる」といったあり得ない展開もあったのもよい。ペーネロペーとネオジオングが味方勢力として使えるスパロボとかおそらく今作ぐらいだと思う。最終盤だけだが、フル改造して運用したが強かった。さすがだネオジオング。ハサウェイは座ってろ。
ただその『クロスアンジュ』周りは全体的には優遇されており、丸くなったとはいえほぼ忠実に再ゲインされているにも関わらず、要所で「クロスオーバー作品なので、他作品も絡ませよう」と頑張った結果、残念なシーンになってるところがあるのは残念であった。アンジュが覚醒する三話の「死にたい→死にたくない→お前が死ね!」の三段活用覚醒は流されるままだったアンジュが一人の戦士として覚醒するシーンなので、他キャラを噛ませないほうが良かったように思う。あそこだけは残念だった。ただエンブリヲが女性陣から罵られる下りは最高だった。「生理的に無理」なアレもちゃんとあった。おまけにボイス付きだ。最高。

久しぶりの大型シリーズではない、単発作品となった『スーパーロボット大戦V』だが、「好きなキャラをどこまでも強く出来る」という点や、実験的なクロスオーバーもあって、色々と凄い作品に仕上がっている。主人公が若干影が薄いものの、女主人公でやれば姉妹百合展開もあるので、百合好きにもおすすめだ。力・パワー・ストロングが揃った主人公と姉妹百合への想いだけでも十分最後までやることが出来るんじゃないだろうか。ありがとうスパロボ。
ところでグレートマジンガーのテコ入れとして参戦したマジンエンペラーGもそうですが、今作の剣鉄也は『真マジンガー』の方なのでほぼオリジナルです。一応マジンガーZ側は原作のテイストを組み込み、色々工夫しているというのにアイツだけ出典元は明らかなのに自由人すぎる。なんなんだ。





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