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ベストアニメ100の投票結果発表に寄せて

先日NHKがかねてから行っていた『ベスト・アニメ100』の結果発表が行われた。
結果は公式サイトでも確認できるように『TIGER&BUNNY』が一位に輝き、二位にはそんな『TIGER&BUNNY』の続編に当たる『劇場版 TIGER & BUNNY The Rising』が、三位には『魔法少女まどか☆マギカ』となった。ちなみに自分的には一押しの『少年ハリウッド』は74位だった。
もっとも、こういう結果が出たからと言って「何が自分にとっての一番か」は各々の自由であり、それは他者が否定する事の出来ない絶対的なものである事は紛れもない事実だ。なので、こういう結果が出たからといって自分の一位は否定されたわけではないし、自分にとっての一位と言える作品がない方にはせっかくの結果なのだし、この中から自分なりの「一位」を探してほしいところだが、それはそれとして十位までに入った作品はリアルタイムで大体見ているので、ベスト10に入った作品についてのアレコレを書きだしてみた。

■一位・二位・六位:TIGER&BUNNY

企業に所属しているヒーロー達の活動がショービジネスとして確立され、人気を博している都市シュテルンビルトを舞台に、10年以上最前線でヒーローを続けている中年ヒーローの虎徹と、両親を殺した相手を見つけるためにヒーローとなった青年バーナビーの活躍を描いた作品。デフォルメ化されたコミカルな芝居の楽しさと、決めるところはビシっと決めるアクセントの付け方がクールな作品だった。
タイバニには「実在する企業の名前がヒーロースーツにプリントされている」とかビジュアル面での良さや、次回予告のコミカルさ、虎徹とバーナビーの掛け合いの中で育まれる信頼関係とか色々と面白いところはあるけど、個人的にタイバニでもう一つ重要なのは「今はなきUstreamで全世界規模でリアルタイム放送されていた」と言うことだ。
『TIGER&BUNNY』が放送されていた30分は皆が『TIGER&BUNNY』を見ていた。テレビ放送で見ていた人もいたしUstreamで見ていた人もいた。媒体は違うけど皆が一緒に同じものを見て、その展開に一喜一憂していた。楽しんでいた。
なんというか『TIGER&BUNNY』のあの30分は「お祭り」だったんだと思う。毎週30分だけだけど、半年間も毎週楽しい時間を与えてくれていたお祭り。だからまあこういう作品が「投票結果で一位です」と言われると「そうだよな」という思いが先に出てくる。だって面白かったもの。あの半年間は最高に楽しかったもの。
続く劇場版も面白かった。『The Rising』はワイルドタイガーを始めとするベテランヒーロー達が今もなおヒーローであり続けられる理由――つまりヒーローの資格を描いた作品として最高だった。続編制作の話もあった気がするけど、どうなるのかなぁ。脚本家の西田さんが忙しそうだから当分先になりそうだけども……。

■三位:魔法少女まどか☆マギカ

「ハートフルな魔法少女物かと思いきや実はハードで凄惨な構図が横たわるSF物だった」という作品。「虚淵玄」という脚本家の名前を世に知らしめた作品の一つだけど、TVシリーズで素晴らしかったのはそのストーリー展開よりもむしろ「毎週一話づつ放送される」というTVアニメのフォーマットを最大限に活かしきった構図だと思う。
「毎週一話づつ放送される」ということは、少なくとも一週間はその内容について考察する余裕があるということなので、そうやって考察を深めれば深めるほど作品世界に没頭するし、エピソードも蓄積されていく。その作品世界への没頭とエピソードの蓄積が全て昇華されるからこそのカタルシスは絶大なものなることはTVシリーズの『魔法少女まどか☆マギカ』を見ていれば分かることだろう。正直こればかりは後追いでは絶対に楽しめない、リアルタイムだからこそ味わえる最高の楽しみ方の一つだと思う。
ところで『叛逆の物語』で続ける展開にしたのはわかりますけど、その後に続く話はまだなのだろうか。あの後の話がないと『叛逆の物語』は壮大な蛇足になると思うので、早く制作して欲しいところ。

■四位・五位・九位:ラブライブ!

廃校の危機にある母校を救うために立ち上がった九人の少女達のスクールアイドル活動の始まりから終わりまでを描き切った作品。なんというか『ラブライブ!』には無駄なものが一つもなかったように思う。京極尚彦監督の師匠譲りの情報整理能力高さから来るものだと思うが、無駄なエピソードは一つもなかった。細部にまで計算が行き届いていて、「何か凄い事をやっている」と放送当時も感じていた事を今でも覚えている。特に一期の三話はギリギリのところで成立している凄まじい映像だった。
『ラブライブ!』は天運にも恵まれた作品でもあった。二期放送開始直前の二月に行われたライブではまさかの大雪になり、交通機関は麻痺してしまったのだが、この時既に上がっていたという二期九話の脚本はまさに「大雪で交通機関が麻痺し、ライブまで間に合うかどうかわからない」というもので、リアルタイムで物語が更新され続けるアイドル物ならではの熱い展開があったりと熱い展開が『ラブライブ!』にはあった。
奇しくも一年前の4月1日にμ’sはファイナルライブを終えてしまったけれど、『ラブライブ!サンシャイン!!』で彼女達の栄光は未だに語り継がれているわけで。色んな意味で「愛を大切にした」作品だった。

■七位:コードギアス 反逆のルルーシュ

謎の女C.C.から「ギアス」という特殊能力を与えられた少年ルルーシュのブリタニアへの反逆の物語。様々な派生作品を生み出しながら、今もなお新作が作り続けられている辺り本当に根強い人気のある作品だと思う。
個人的な印象としては『まどか☆マギカ』と同じように「リアルタイムで毎週一話つづ見た時のほうが面白さは極上」という類の作品になる。一話ごとに何がしかの驚きの展開があるので、一気に見るとちょっと重い。ただ「毎週の楽しさ」と言う意味では極上。細かいところでは色々言いたいことはあるけども、オチのルルーシュが死ぬ事で全ての憎悪の連鎖を断ち切る展開といいエンターテイメント作品としては本当に最高の作品だった。
で、この後に『復活のルルーシュ』をやるそうなのだが、本来なら死んで表舞台から去ったはずのルルーシュが再び立ち上がらなければならない理由ってなんだろうか。また扇がやらかしたのでは……と思うと大変つらい。

■八位:カードキャプターさくら

色々な意味で業の深い作品ではあるけれど、個人的に重要なのは「変身したら衣装が変わる」ということを「魔法少女物のお約束」として扱った「魔法少女物のパロディ」的な側面をもつ作品でもあることだと思う。
上に上げた『魔法少女まどか☆マギカ』や『魔法少女リリカルなのは』がそうであるように、「魔法少女パロディ物」というのは「魔法少女物のお約束」に則った上での「外し」というところに面白さがあると思うけれど、こうした「お約束」をある程度明確に「お約束」として扱ってパロディにした作品として『カードキャプターさくら』は重要なんじゃないだろうか。だって少なくともこの時点ですでに「魔法少女物のお約束として『変身したら衣装が変わる』は存在し、パロディにされていた」という事は揺るがないのだから。1998年なのに!CLAMPは凄い。続編も映像化が決まっているけど、元々は違うのに現在では魔法少女物の本流に近いところに置かれた『カードキャプターさくら』が今どういう映像化をされるのか楽しみだ。

■一○位:おそ松さん

赤塚不二夫の『おそ松くん』のアニメ化……と言うよりは骨子を受け継ぎつつ、凄まじくリッチなコント番組に昇華されたアニメという印象の快作。オチを放り投げてそのまま回収しなかったり、キャラが死んだのに次週が始まったら何事も無かったかのように復活していたりとやりたい放題だけど、コント番組としてはあまりにも面白すぎた。設定が生えたり無くなったり変わったりするけど、基本的なところは揺るがないのがまた良い。
あの伝説の一話とかも本当によかったデスネ……。「流行ってるものを全部載せてみました」というあの無秩序さ。あれで方向性がはっきりわかったので、二期にもああいうのを是非……。
それにしても「とっくに死んでる」発言が監修済みとは思わなかったな……。

■番外

それはそれとして74位に入った『少年ハリウッド』はクリスマスに「二期最終話でやったライブパートを完全版にして放送する」ということをやってくれるので、興味がある方は是非見てください。少年ハリウッドのメンバー達を愛するファン達がクラウドファンディング形式で出資して制作されるという事実だけで既に面白くありませんか?

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