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ハードだけどアイマスらしさも残した韓国ドラマ『アイドルマスター.KR』のススメ

今年でシリーズ開始13年目に突入しようとしている『アイドルマスター』シリーズ。『シンデレラガールズ』や『ミリオンライブ!』『SideM』などなど、様々な派生作品を生み出しながら今日に至るわけだが、そんな『アイドルマスター』シリーズの新たな派生作品として4月より展開され始めた作品が『アイドルマスター.KR』だ。
これまではゲームやアニメ、マンガなどを中心に展開されてきた『アイドルマスター』シリーズとしては初となる実写ドラマ。それも韓国が舞台となる韓国ドラマとして制作。おまけに視聴方法はamazonプライム・ビデオにて配信と、これまで様々な事に果敢に挑戦し成功を収めてきたシリーズとしても今まで以上に攻めに攻めた展開で、発表以来注目されてきたわけだが、蓋を開けてみると韓国ドラマでよく見られるハードな展開の中に『アイドルマスター』のテイストを感じさせるとても魅力的な作品に仕上げられている。

『アイドルマスター.KR』は開幕からしてハードだ。トップアイドル「レッドクイーン」のリーダーだった主人公の双子の妹は本編開始一年前に交通事故により他界し、妹の影になるように生きてきた主人公は生きる気力を失って、自分の唯一の誇りであったマラソンすらも捨て去り無気力な日々を過ごしているところから始まるし、もう一人の主人公のように描かれているアイドル練習生の女性も夢を叶えようと努力しているものの実らず、それどころか周囲から妬まれ、夢を叶えるために挑戦して失敗すれば笑われるという経験をもつ。
物語の起点として用意された「リーダーの事故死で休止状態だったレッドクイーンの復活」というイベントも、「仲間とプロデューサーの裏切り」というエピソードとセットで、大映ドラマの影響を色濃く受けている韓国ドラマにはよくあることではあるが、主人公達はとてつもなくハードなところからスタートを切る。
その過酷な環境と厳しい当たり方をしてくる人々、そして「芸能界ってそういうものでは?」とでも言わんばかりのピュアにアイドルを目指す心を粉砕してくる展開の数々にクラクラしてくるのだが、恐ろしい事にこれがきちんと意味のあるハードさで、そのハードさを乗り越えていく展開がとんでもなく面白い。
例えばプロデューサーと仲間に裏切られ、『よくも私達を裏切ったな!』と怒り、「自分は仲間と一緒に歩んでいく」と決めた練習生側の主人公に振ってきた事務所移籍を巡るエピソードでは、主人公が自分が純粋にアイドルを目指すようになった原点へと立ち返ることで「勝利すること」にこだわっていた自分を捨て、「大人達の汚らわしい世界」よりも「仲間とともに歩んでいく道」を選択して成長を遂げるし、生きる気力を失っていた新規参加組の主人公は「日陰を生きる決断ばかりしていたけど、本当は私も光の下に立ちたかったんだ」という事を思い出してアイドルデビューの道を決める。
二人も存在している主人公達が相互干渉しあい、「事務所移籍のためのオーディションに行くかどうか迷っている」という主人公が「死んだはずのトップアイドルがもし目の前に現れるような幸運が起きれば」と願っていた頃に新規参加組の主人公が偶然現れる展開は双子設定の意味も上手く拾い上げていて非常に熱いものがあうr。またその邂逅を「私がアイドルなんて」と思っている新規参加組の主人公が「妹のポスターに背中を押してもらってアイドルの道を目指す」という展開につなげている点も上手く、二話まではハードな設定を活かした巧みな脚本で物語へとグイグイ引き込んでいく。キャラクター立ても上手く、非常に魅力的だ。
では『アイドルマスター』としてはどうかというと、正直なところ現時点では『アイドルマスター』らしい要素はそれほど多くない。事務所の名前や社長などのキャラクターの立ち位置程度で韓国ドラマの要素が強い本作ではスパイス程度にしかなっていないのだが、プロデューサーとティアラの扱い方に関してはハードな展開が多い本作ならではの独自の味付けがされている。
本作のプロデューサーはトップアイドルだった主人公の妹をプロデュースしていたものの、一年前の交通事故と熱愛疑惑についての責任を感じてプロデューサーを辞め社長に見つけられるまでは無気力な生活を送っていた過去を持つ存在である。『アイドルマスター』と言う作品には様々なプロデューサーが存在するので「失敗した経験を持つプロデューサー」というのは珍しくないのだが、最初から敏腕プロデューサーであることが明言されていることや、「アイドルとの熱愛疑惑がかけられている」というタイプはかなり珍しい。また前述したように、主人公がそうであるようにこちらも妹の一件を引きずっているため、ある程度アイドルと思いを共有したプロデューサーであり、こうしたプロデューサー像はなかなか面白いところではないだろうか。
そしてティアラだが、『アイドルマスター』において最初のティアラは極めて重要なアイテムであるが、本作において登場したティアラは「妹の影にいることを選びながらも、心の底では光の下に立つ事を望んでいた」という願望の象徴として位置づけられている。主人公はこのティアラを妹に譲るために一度は手放してしまっているのだが、これを手に入れる事ができるのだろうか。注目だ。
最後になったが、キャスト陣も悪くない。演技もそうだが、ダンスに関しては本当にキレがいいため見栄えする。肝心のライブパートはまだ公開されていないが、全体のパフォーマンスのレベルの高さは作中でも描かれているため今後に非常に期待できるものだろう。もっとも、この先は「勝ち残った者のみがデビューできるアイドルサバイバル」とのことなので、デビューの時なのかそれともその前段階なのか分からないし、全員分見れるかどうかは分からないが、必ず歌もセットで見られると思うので楽しみにしたい。

4月28日に配信開始し、5月5日に二話が配信されたばかりなのでまだまだ間に合う。韓国を舞台に繰り広げられるプロデューサーとアイドル達の物語を一緒に見守ってほしい。

■ Amazonプライム:アイドルマスター.KR



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