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『仮面ライダーアマゾンズ 2nd season』八話で何があったのか

先週金曜日に配信開始された『仮面ライダーアマゾンズ 2nd season』八話が凄まじい。
そもそも『仮面ライダーアマゾンズ』は一期からしてテレビでは放送できないような凄惨な作品だった。
人間を襲う怪人達は人間を美味しく頂いてしまうような「根本的に分かり合えない怪物」であったし、そんな怪人達を駆除するべく戦う駆除班達も脛に傷を持つアウトロー達ばかり。「仮面ライダー」として戦う野生と養殖のアマゾン達も存在そのものが凄惨な設定の上に立脚しているし、アクションも「己の牙と爪を突き立てる」という獣同士の苛烈な命の取り合いそのもので、血は出るわ首は飛ぶわやりたい放題だった。話が進むに連れて野生のアマゾンと養殖のアマゾンを軸とした物語は壮絶さを増していったが、それでも『1st season』はなんとか頑張れば「テレビ放送できてしまった」。直接的な描写が少なかったこともあり、テレビで放送出来てしまったのだ。
そんな『1st season』のテレビ放送を受けて4月より配信開始された『2nd season』は「絶対にテレビでは放送できない」という描写が目白押しだった。
何よりも危険だったのはアマゾン達の食人描写で、『1st season』が比較対象にすらならないほど見ていて気持ち悪くなるような凄惨極まりない映像だったのだが、しかしながらこれらのゴアな描写の中で貫かれていた「アマゾンネオ」の少年・千翼と死人からアマゾンへと作り変えられた少女・イユの恋愛ドラマは耽美さもあり、実に面白かった。イユのために健気に尽くし、彼女のために戦う千翼の姿は本当に良かった。八話が配信開始されるまでは。

話を本題に戻す。「『仮面ライダーアマゾンズ 2nd season』八話で何があったのか。どうしてこんなにも衝撃が走っているのか」。
結論を端的に述べる。この八話では『2nd season』で展開されていた謎の真相がほぼ全て明かされた。しかしその真相を繋ぎ合わせた結果、この作品全てがあまりにも救いの存在しない話になってしまったのだ。
『アマゾンズ 2nd season』における諸悪の根源は「溶原性細胞」である。この溶原性細胞は何らかの方法で体内に入り込むと人間をアマゾンへと変えてしまう。そしてアマゾンへと変わってしまった元人間達は何の理性もなく「ただ人を食らうために活動を開始する」。
この溶原性細胞により誕生したアマゾン――新型アマゾンにより本作では数々の惨劇が繰り返し描かれてきた。メインキャラクターの中にもこの新型アマゾンによって被害を被ったものたちも多く、特にヒロインであるイユは「溶原性細胞によりアマゾンと化した父親により家族は皆殺し。イユ自身も生きたまま眼球をえぐり出されて殺される」という経験を経てアマゾンへと改造された存在で、溶原性細胞によって人間であることすらも喪失してしまった存在だったのだが、八話ではこの溶原性細胞の持ち主まで明らかになった。
その溶原性細胞の持ち主とは千翼だった。彼はアマゾンを全て殺すために自分をアマゾンへと改造した鷹山仁と、彼の恋人である泉七羽との間に生まれた人間とアマゾンの双方の遺伝子を持つ存在であり、人間の遺伝子の影響を受けて突然変異を起こした「人間をアマゾンへと変える」細胞をもつ存在だったのだ。それはすなわち「千翼さえこの世に生まれなければ何も起きなかった」と言うことを意味する。千翼が生まれなければイユの父親はアマゾンになることなかったし、当然イユも死ぬことはなかったし、そもそも『2nd season』で繰り広げられてきた全ての惨劇は起きるはずがなかったのだ。千翼さえいなければ。これが救いがないと言わずしてなんというか。
ED曲でも歌われている「この世に生まれた事が消えない罪というなら 生きるということがそう背負いし罰だろう」というフレーズ通りの存在となってしまった千翼だが、この情報が千翼本人にとってはおそらく知り得ない情報である点が恐ろしい。実の父親であり「アマゾンは例外なく殺す」として行動する鷹山仁とアマゾンを守るために戦う水澤悠、そして現在の駆除班の上層部はおそらく知っているものの、物語を牽引する千翼本人もイユもそのことを知らないのである。
そして「知ったからといってどうなる?」というものでもないのがとても悲しい。千翼が例え死んだとしても溶原性細胞の感染は止まらない以上、彼の生死はもはやどうでもいいのだ。話は既に「生まれながらに背負ってしまった罪をどうすれば贖う事ができるのかどうか」という次のステージへと移り変わっている。千翼達の恋愛の行方と、贖罪の方法が凄惨な地獄と化した物語全体に救いをもたらしてくれることを期待しつつ、ただただ震えながら次話の配信を待つのみである。

ところで『2nd season』に入ってから目に見えてアクションの質が高くなっているのは気のせいだろうか。
『1st season』の頃はどこかケレン味と気持ちよさに欠けるところがあったのだが、『2nd season』はそうした物足りなさが全くないんだが。

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