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『アイドルタイム・プリパラ』価値観の断絶とパンと米について

先日放送された『アイドルタイム・プリパラ』10話「助っ人アイドル始めたっす!」でついに虹原にのがアイドルデビューを果たした。
最初は「スポーツに比べればアイドルは全然熱くない」と、ゆい以外のパパラ宿の人間達と同じようにアイドルに関しては無関心だった虹原にのが、スポーツ万能の自分に根性でついてきたらぁらとゆいを見て「アイドルも意外とやる」と見直し、アイドル武者修行中の東堂シオンに負けた事で「アイドルは滅茶苦茶熱いのでは?」と認識を改めてアイドルデビューをする流れは、「プリパラは楽しいけどアイドルはまだちょっと……」というパパラ宿の少女達が徐々に変わり、アイドルが次々と誕生する予兆を感じさせる熱い展開であった。スポーツ系少女に対して合わせる楽曲がテクノポップというのも面白かったのだが、この虹原にののアイドルデビューで特に面白かったのは「価値観の衝突」が何度となく描かれていた事だ。
そもそも『アイドルタイム・プリパラ』の前身に当たる『プリパラ』の時点でアイドル達は決して一枚岩の存在ではなく、プリパラの中は様々な価値観で溢れていた。
神アイドルをひたむきに目指しているアイドルがいる一方で、「友達と一緒に思い出を作りたい」というゆるい理由でアイドルをやっている存在もいた。そもそもアイドルデビューをすることなく、アイドルを応援することに心血を注いでいる女の子もいた。様々な価値観を内包するのが「プリパラ」と言う場所で、それ故にアイドル達は異なる価値観を持つアイドル達と衝突することもコミカルな形ではあるがしばしば描かれた。
『2nd season』ではそんな「価値観の違いと衝突」がテーマの一つとなっていて、らぁら達の「みんな友達!みんなアイドル!」と、紫京院ひびきの選ばれた者だけがステージに立つ資格を得るべきだという価値観が衝突。相手の価値観を認める=ひびきの考え方もプリパラの重要な要素の一つとすることで、物語は完結へとたどり着いたわけだが、『アイドルタイム・プリパラ』の最大の敵は「無関心」で、虹色にのもまたプリパラに関しては「熱いものではある」と認めながらも関心を持つことはなかった。相手の価値観を認めないだけで一応は熱い想いを持っていたひびきとは違う無関心は語り合う余地すらなく、らぁらやゆいがどれだけ熱く「プリパラの熱さ」について言葉を尽くしたとしても、虹色にのには全くといって伝わっていなかった。無関心は何よりも強く、何よりも残酷だ。そしてそんな価値観の違いと断絶具合を「米派ではなくパン派」という形で強調しているのがなんとも『プリパラ』らしい。
ここまで積み重ねてきた「小型の炊飯器を肩から下げている」「ライスをおかずに米を食べられる」「とりあえず米」という夢川ゆいのキャラクター付けを活かした演出だと言えよう。

ところで東堂シオンといいそらみスマイルといい、『アイドルタイム・プリパラ』における『プリパラ』から続投したキャラクター達の描き方はゆい達よりも遥かに上の実力であるという点で一貫しているのは面白い。そらみスマイルは「スーパーサイリウムコーデを容易く入手できる」という形で表現されていたが、東堂シオンの場合は「カルタ大会でにのをも上回る実力を見せる」という形で表現されていた。
らぁらが常に出ている事もあり、この辺りの強さの表現においては細心の注意が払われていると思うが、視点をゆいやにのに合わせることで「今のらぁら達が本当に天上の存在である」という事を何度も何度も見せてくるのは素晴らしい。キャラクターの格を損なわないのは良い事だ。
そしてだからといってゆいやにのが実力面でらぁら達に劣っているわけではないのが面白い。特にライブ中は個性が押し出されている事もあって、二人のライブ中での魅力はらぁら達と比べても決して見劣りはしていない。そのうえでらぁら達はサインが表示されるため、若干リッチに見えるのが楽しい。キャラクターの格と演出の折り合いのつけ方については『アイドルタイム・プリパラ』は見習うべき点が多い作品だ。

物語はそろそろ1クール目を終えようとしているが、パパラ宿のプリパラにはまだまだ課題が多い。
しかしプリパラは決して「アイドルになるための場所」ではなく、「女の子の夢を叶える場所」であるという事実が周知され始めているなど変革を目前に控えている事は確かだ。ちあ子がヘアメイクアーティストへの道をプリパラで歩み始めるエピソードなどはゆいやらぁら達だけがプリパラを作っていくのではなく、少女達が自分達の意思で自分達の夢を叶えていく事こそがプリパラをより良い場所に変える重要な要素であることを伺わせるもので、『プリパラ』の新たな魅力を発見させるものだったといえる。こうしたエピソードの積み重ねを丁寧に出来るのは4クールアニメだからこその利点で、最高に面白い。
だんだんゆい=そらみスマイルの弟子、にの=ドレッシングパフェの弟子という師弟物の要素を帯びつつあるが、はたしてみちるはガァルマゲドンの弟子になるのか、はたまたトリコロールの弟子になるのか。楽しみにしていきたい。


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