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ファン心理を理解しつくした『KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE』

8月9日の無限ハグの日にシンソフィアがリリースした『KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE』は、『KING OF PRISM』初のゲーム化作品だ。
『KING OF PRISM』とは『プリティーリズム』のメディアミックスの一環として制作された『プリティーリズム・レインボーライブ』のスピンオフ作品。少年達が歌とダンスとファッションとフィギュアスケートが融合した一大エンターテイメント「プリズムショー」に己のPRIDEを賭けて打ち込む真摯な姿と、「ぶっ飛んだ」としか表現できないようなジャンプ「プリズムジャンプ」を含めたプリズムショーの演出、そしてまるでライブのような気持ちで作品の世界に飛び込める応援上映会が支持され、2016年を代表する大ヒットコンテンツとなった。
その続編である『KING OF PRISM of HERO』が絶賛公開中のその最中にリリースされた本作は、プリティーリズムの因子――プリズムの煌めきに溢れたゲームに仕上げられている。

本作を一言で表現するのならば「リズムゲーム」になる。元々『KING OF PRISM』はエンディング曲だった「ドラマチックLOVE」を始め、良質な楽曲が多く、また原典に当たる『プリティーリズム』そのものがコーディネートゲームの要素を含むもののリズムゲームだったので、「リズムゲーム」になるのはプリティーリズムの継承者として当然の帰結と言えるのだが、作りそのものの手堅さとは裏腹に演出は『KING OF PRISM』らしく突き抜けている。
本作のリズムゲームパートは一条シンが作中で見せた技「プリズムラッシュ」をモチーフにしており、「画面上に表示されるリングをキャラクターが通過するときにタップする」というシンプルなものとなっている。全部で四つのセクションに分かれ、各セクションの合間には会場に居合わせた観客達に手を振ったりアイコンタクトを送ったりするミニゲームが差し込まれる。もしタイミングよく目を合わせることが出来ればボーナススコアが加算され、プリズムスタァ達はその愛にこたえるためにとびきりのプリズムジャンプを飛んでくれる。レアリティによって派手さは異なるものの、軒並みぶっ飛んだ技名のプリズムジャンプとなっており想像力をくすぐられる。そもそもプリズムジャンプとは心のきらめきで飛ぶものであり、観客も参加できるものであるので想像力を掻き立ててプリズムジャンプの中にダイブさせる演出にしたのは完全に正解だ。
『KING OF PRISM』を見たものなら理解している事だろう。我々は自転車の二人乗りをしたし、プリプリプリズム~したし、「なーにー!?」と返事したはずだ。これらの技名は確かにぶっ飛んでいるが、我々はそんなプリズムジャンプに魅せられた哀れな人間なので思わず「いいね!」を押してしまう。いや「いいね!」は女の子の楽園の言葉なので、ここでは「いいぜ!」が正しいのだが、「いいね!」という事にしておく。
四人チームになると各セクションごとに交代の過程が入り、乱入してくる際のやり取りがまた楽しい。観客達も黄色い声から野太い声まで上げて喜んでくれる辺り、この作品における「ガヤ」というものの大切さをよく理解した音響演出だと言えよう(キンプリではシリーズの伝統として「ガヤ」が一つの注目点となっており、ベテラン声優も新人声優も参加したガヤを毎回制作する。その中で面白いガヤが採用され、作品に当てられているためガヤの面白さも含めてこの作品の魅力だとするファンも多い)。
またリズムゲーム自体もプリティーリズムシリーズに存在したランウェイモードをスマートフォン向けにアレンジしたものであり、譜面調整も悪くない。明らかに『プリパラ』の経験値も反映されているようで若干甘めの判定になっているところも嬉しい。スタミナやライフと言った概念が存在しないのは「我々はスタァのパフォーマンスを見ている」という本作の設計からしても妥当なところだし、落とし込み方はかなり研究されている。このゲーム、ユーザーレベルは「ファンレベル」って言いきられてるんですよ。

リズムゲーム以外の面はというと全体的には素朴な作りで、「可もなく不可もなく」と言ったところだが、逆に言えば悪い点もこれといって見当たらないということであり、好感が持てる作りだが、ガチャ周りだけは何もかもがおかしい。おかしいのだが、そのおかしさがガチャを回す意欲を全力で掻き立ててくる。
本作のガチャ排出アイテムは全て「プリズムスタァ達のブロマイド」という設定で、ガチャを回すとブロマイドが出てくるのだが、なんと「プリズムスタァ達が全力でこちらに走ってきて、手渡ししてくる」という突き抜け方をしている。各キャラクターごとに専用の演出が用意されている辺りが本当に狂おしい。
如月ルヰは白馬に跨って全力ダッシュでやってくるし、一条シンは作中で使用していた自転車でやってくる。ママチャリで全力ダッシュしながら照れ交じりでブロマイドを渡してくるタイガきゅんは可愛いし、十王院カケルはなぜかセグウェイで全力ダッシュしてくる。この他にも色々あるが、余りにもぶっ飛びすぎていてついつい回したくなる気持ちにさせるのが本当に凄いところであり、恐ろしいところであるが、何より恐ろしいのは五連ガチャは一回分の値段が1600円であることだろう。キンプラを一回見たのと同じ値段である。つまり実質無料だ。キンプラを一回見たつもりでガチャが回せるのだ。無料と表現する他になにがあるというのだろうか。

最後にだが、坪田文氏が手掛けるシナリオはどうかというとこれもまた面白いものばかりである。
法月仁が仮面と羽団扇をつけて出てくるシナリオはもう出オチに近いものがあるが、キャラクターごとの掘り下げ方としては面白いものであり、またテレビ番組のフォーマットのものが多いということもあり、ファン解釈の介在する余地を残すなど、ここでもファンの事を気遣ったデザインが光る。メインとなるのは第一作と現在公開中の第二作の合間を繋ぐ物語だが、はたしてどうなるのか。エリートとしては今後も注目していきたい。
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