Entries

『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』ようやく提出された最後の宿題

2013年10月から2014年3月末にかけて放送された『ガンダムビルドファイターズ』は、ガンダムのプラモデル――ガンプラで行う架空の競技「ガンプラバトル」に真剣に取り組むファイター達の熱いバトルと、ガンプラもガンダムも大好きな少年イオリ・セイと異世界からやってきた少年レイジの友情が魅力的な作品だった。最終回のレイジとの再戦の約束を胸に世界大会へと挑むイオリ・セイの姿は「二人がまたいつか出会う」という事を予感させるものであり、「いつかこの二人の戦いが描かれることを」と願ってやまない幕引きであったが、イオリ・セイとレイジの再戦は続編となる『ガンダムビルドファイターズトライ』の中でもついぞ描かれることはなく、時系列上最も未来にあたる『ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ』においても二人が再会しているような描写はされているものの、直接的な戦いは描かれてこなかった。
そんな『ガンダムビルドファイターズ』の最後に残していた「宿題」を四年の年月を経てようやく片づけたのが先日公開された『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』なのだが……見終えた時に心に過ぎったのは「ちょっと勿体無いな」ということだった。
物語そのものは「ヤジマスタジアム竣工披露式典で行われる最新鋭の大型バトルシステムを使ったエキシビション・バトルへ参加するためにニルス・ニールセンに集められたセイ達。しかしスタジアムはGM=ガンプラマフィアに乗っ取られており、脱出することも出来ない。セイ達はスタジアムを取り戻すためにガンプラマフィア達と戦うのだが……という同窓会+バトルといった構成。ホビーアニメなら王道とも言える展開でもちょっと冷めた目で眺める作風も健在で、「ベタなもの」としてキャラクター達が認識しつつもそのベタな文脈にあえて乗っかっていく事で熱さが生まれている点も相変わらず面白い。「私は他の奴らとは違う。ともに水陸両用のガンプラ、さあ水の中で戦おうか」というガンプラマフィアの明らかな罠も「騙されるかバカ!」と切れ味鋭く突っ込んでいる点も良く、『Vガンダム』のネネカ隊よろしくな敵の誘惑を振り切る際のやり方は「ガンプラ心形流、ろくでもない奴しかいないのでは」と思ってしまうようなものであったが「らしさ」があった。
特に実質的なボスを努めたサイコジムは明らかに『伝説巨神イデオン』を意識したものであるのが素晴らしい。「ガンダムでイデオン」といえば『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』であるが、この作品そのものがお祭り企画とはいえ「長谷川裕一を引用する」というのにはクラクラする。同時に「『逆襲のGM』ではなく『GMの逆襲』だったのも『逆襲のギガンティス』のことを読まれないようにするための配慮なのではないか?」疑惑も立ち上がってくるが、ともあれレイジの登場からの二人での大逆転に『トライ』への接続を意識した見事なパスなど『ガンダムビルドファイターズ』の事実上のエピローグとして非常によく出来ている。よく出来ているのだが、やはり「物足りなさ」が残る。というのも、「やり残していた宿題をやった」以上のものがこれと言って見当たらなかったからだ。
確かにレイジとセイの再戦は見たかったものだし、そこに関しては満点なのだが、しかしそこ以外はどうかというと見どころが本当に少ない。
「世界大会決勝戦に進めるほどの猛者達の前ではガンプラマフィアはそんなに強いものではない」という実力差を差し引いても、ガンプラそのものはパワーアップしているのにその活躍は本当にわずかなものだし、三代目メイジンのアメイジングズゴックに至っては「ジュアッグ、アッグ、アッグガイ、ゾゴックの機能を集約している」と言う設定にもかかわらず使用されたのは非常に少ないものだった。
勿体無いのである。『バトローグ』までとは行かないまでも、もうちょっとギミックを見せてほしかった……。三代目メイジンだから原作リスペクトが過ぎて頭の悪い機能を積んでいるとかあるはずなのに。あ、フェニーチェリベルタが単騎でバイクに変形して走るのは本当に最高でした。思えばアレが『Vガンダム』ネタへの布石だったのだろうか。それとサイコジムも、今だと「サイコガンダム+ジム」と「サイコザクのジム版」の二重の意味にも取れて面白かったです。

『ガンダムビルドファイターズ』が終わった時に思ったのは「こういう作品を一年に一本程度でいいから作り続けて欲しい」ということだったし、『ガンダムビルドファイターズトライ』で一区切りと言われた時にはちょっとがっかりした気持ちがあった。しかし何だかんだ言いながらも昨年は『アイランドウォーズ』が制作・放送され、今年は『バトローグ』と『GMの逆襲』がネット配信とは言え配信されていることは、その事実だけで賞賛に値する。絶えた炎を点けるのは難しいように、一度止まったシリーズを再開するのは難しい以上、どんな形であっても続けていく事が大事であり、だからこそ今があるのだと思う。
今回はひとまずアメイジングズゴックを買う程度で終わりだろうが、また来年も見てみたいものである。あ、今度は無印でもトライでもない、完全新シリーズだと嬉しいです。どうかよろしくお願いします、バンダイナムコ様。


スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2384-117c6866

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター