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『ラブライブ!サンシャイン! 2nd season!』三話に見るベストを探し続ける事の大切さ

『ラブライブ!』という作品をあえて一言で表すのであれば「みんなで奇跡を起こす物語」だと言えるだろう。
「どんな無理難題が目の前に立ち塞がったとしても、皆の力を合わせればきっと奇跡だって起こせる。どんな未来でも作っていける!」と言い切り、それを本当に形にしてしまう。そんなμ'sと、彼女達の物語『ラブライブ!』は自分と仲間の力を信じる強さの溢れた力強く、そして眩しい作品だった。
それに対して『ラブライブ!サンシャイン!!』は「奇跡に信じず頼らず、自分達の力だけを信じて足掻き続ける物語」だと言えるだろう。
自分達にとって都合のいい奇跡が急に天から降ってくる事に期待するのではなく、自分達の現実を見据えて一つ一つベストな選択を探り、いつも「それが本当に正解なのだろうか」と自分に問いかけ続ける事で自分達が望む結果を手繰り寄せる。そんなAqoursの姿は一見すると泥臭いが、同時に今を生きる者の確かな息吹を感じさせる。
一歩づつでいい。前へ。もっと前へ。そんなAqoursだったから『ラブライブ!サンシャイン!!』は「面白い」のだ。

『ラブライブ!サンシャイン!! 2nd season』三話「虹」はAqoursの魅力を再確認させてくれる一話だった。同時に一話で掲げた「足掻き続ける」を一つの形として描いてみせた『2nd season』における重要な話の一つでもある。
悪天候の影響で入学希望者を増やして廃校を阻止するための第一歩である入学説明会が一週間ずれ、ラブライブ!予選の日と重なってしまった。ラブライブ!の特設ステージと浦の星女学院の距離を考えると、どうやってもどちらかのステージにしか立つ事はできない。唯一残された希望である「ラブライブ!予選は一番で歌えば入学説明会に間に合う」も厳正なる抽選の結果、実現不可能なものとなってしまい、「二手に分かれて歌う」というベターな選択が現実味を帯びていく。しかしAqoursは諦めず、何度も何度も検討を重ねる事で絶望的な状況の中に活路を見出す――!
この三話で重要なのは「奇跡」も「他人の助力」も明確に否定した上で「Aqoursは足掻き続けている」ということをしっかりと描いた事だろう。
「鞠莉の父親や曜の父親の助力を得ることは不可能」「自分達の力で何とかするしかない」と言った説明を何度も繰り返すことでAqoursがどうにかするしかない問題である事を印象づけ、奇跡が起きる事を願ったラブライブ!予選の順番決定抽選会の結果で「都合のいい奇跡なんて起きるわけがない」と奇跡に縋る甘い気持ちを切り捨てる。酷といえば酷な展開ではあるが、しかし「奇跡は起きない」「他人の力を借りる事もできない」という事を強く理解させているからこそ、「何かないか」「どうにかならないか」と足掻き続ける姿が心を熱くさせる。
そんな足掻き続ける中で活路を見出した時に彼女達に感じる輝きは何とも美しいものだが、この輝きは一話で掲げた「最後まで足掻き続ける」を完遂しているから生まれるものでもあるため、殊更に愛おしい。
スクールアイドル活動によって0を1にしても、1を10にしても廃校を阻止することは出来なかった。しかし彼女達は諦めきれなかったからこそ、スクールアイドル活動を今もなお続けている。廃校阻止の条件として掲げられた10を100にすることに挑んでいる。そんな「最後まで足掻き続けて未来を変えてみせる」を「入学説明会とラブライブ!の両方のステージを成立させる」というスケールダウンした形とはいえ、三話の段階で具体的なものとして見せてきたのは実に美しい。こうした一つ一つの「覆してきた体験」はいつか未来を変えた時にきっと強い説得力を与えてくれるはずだ。

また今回は特に小ネタが効いていた点も見逃せない。
「静岡県沼津市内浦」というロケーションだからこそ発見できた「みかん畑のトロッコ」という第三の道もさることながら、個人的には「トロッコを運転するのは松浦果南」というところの熱さを述べたい。なぜ松浦果南がトロッコを運転するのが熱いのかというと、彼女はアニメ二期放送直前に発売された「HAPPY PARTY TRAIN」のセンターであり、そしてこの楽曲がアニメ二期、そして二期から先へと続く未来へ向けて突き進む希望の曲だからである。
別にここで運転手をやるのは誰でもいいところではあるし、物語的には千歌が運転手を務めるのが適任ではあるが、あえてここで松浦果南を据えたのはこの楽曲があった事、そしてこの楽曲に込められた「未来への希望」を物語の中で引用するためだろう。その引用が上手く行っているかどうかは人それぞれであると思うが、個人的には上手くいっているように思う。なぜならば、この松浦果南が運転するトロッコによって彼女達は自分達の希望の未来を手にすることが出来ているのだから。
ファンにしか気づきにくいところではあるものの、こうしたネタの盛り込み方は作品の中で良い意味での刺激をもたらしているため良いように思う。

なお今回のライブシーンについてだが、和風ロックチューンな楽曲に合わせて天井の模様を和傘に見立てて来たのが一番熱かった。CGディレクターの黒崎豪氏の好みか、はたまた酒井監督の好みかは分からないが、ステージレイアウトを別のものに見立てる演出は『ラブライブ!サンシャイン!!』では多用される演出であり、気づくとより「そのステージであることの意味」が出てくるので好みです。

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