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『ラブライブ!サンシャイン!! 2nd season』最終話に見る「全力の日々」という輝きについて

『ラブライブ!サンシャイン!!』は「廃校の危機にある母校を救いたい!」と願ってスクールアイドルになった少女達の汗と涙の青春ストーリーであり、何も持たない「普通の少女」である高海千歌がスクールアイドルを通じて「自分だけの輝き」を追い求める物語だった。
前者については廃校こそ阻止できなかったものの「ラブライブ!で優勝を果たし、スクールアイドルの歴史の中に自分達の名前と共に母校の名を刻み込む」という目的を獲得。そして12話で無事にその「名を刻み込む」という目的は完遂されて、「浦の星女学院」と言う名前はラブライブ!優勝ユニットであるAqoursの名前とともにスクールアイドルの歴史の中で永遠となったわけだが、しかしここまでの間において「高海千歌が自分達の輝きとは何かを定義し、それを獲得できたかどうか」については明言されてこなかったし、また千歌自身も「自分達の輝き」については「よね?」と疑問形を重ねており、自分の中に確信を得ていた様子はなかった。ユーザーである我々の視座から見れば彼女達は明確に輝いていたが、高海千歌自身はその点について未だに確信らしい確信を得ていなかったのである。
その点について踏み込んだのが最終話となった「私たちの輝き」であったが、そこで彼女が定義した「私たちの輝き」は青春ドラマとしての『ラブライブ!サンシャイン!!』を的確に言い表していた。

そもそも『ラブライブ!』というシリーズはアイドル物の要素こそ備えているものの、メインストーリーとなるのは「スクールアイドルに『三年間』という限りある時間を注ぎ込む少女達の日常」であった。
『ラブライブ!サンシャイン!!』の前シリーズとなる『ラブライブ!』は「廃校の危機にある学校を救う」という目的があり、学校を救う手段として「スクールアイドル」が用意されてはいたが、『1st season』半ばで目的があっさりと達成され、紆余曲折を経て「スクールアイドルが好きだから私達はスクールアイドルをしている」と手段が目的と化してからはずっと「スクールアイドルが好きな少女達が、青春をかけてスクールアイドルをしている」が以降の『ラブライブ!』の展開の根底にあるものだった。
それは『ラブライブ!』の後継作となる『ラブライブ!サンシャイン!!』においても変わらない。むしろ本作は「青春をかけて打ち込んだμ'sの姿を見てスクールアイドルを始める」が物語の導入になっていることもあり、そうした「スクールアイドルの青春」を『ラブライブ!』以上に重要視していたように思う。だから「廃校阻止」という分かりやすい目的はスクールアイドルを始めた後に発生するものだし、個々人の背負った物語も廃校とはさほど強く結びついていなかったのだろう。そこを重視してしまえば「廃校阻止に抗う青春の日々」という物語になってしまうのだから。
「スクールアイドルの青春」を重視したことで以降の展開も必然的に決まってくるところはあり、「スクールアイドル活動を通じての廃校阻止」はできなくなってしまったところがあると思うが、代わりに酒井監督達が用意した「スクールアイドルの歴史に私達の名を刻みつけてきて欲しい」は、スクールアイドルにしか出来ないことでとても良かったと思う。「スクールアイドル」は普通の少女達の憧れであり、ラブライブ!はアキバドームで開催されるほど大規模で、ネット配信によって多くの人達が見守る一大イベント。そこで優勝するということは多くの人達の心の中にその名を刻むということである。「スクールアイドル」という存在にしか出来ない、スクールアイドルだからこそ出来ることとして、こうした「ここに確かにあったこと」の「記録」を残すドラマを紡いだ酒井監督を始めとするスタッフ陣には賞賛と拍手を送らざるをえない。『ラブライブ!サンシャイン!!』は他の何者でもない、スクールアイドルにしか出来ない物語だった。「廃校」も「浦の星女学院全員」で「終わり」と向き合うための要素として非常に良く機能していて、Aqours以外の生徒にとっても挫折と悲劇の物語として受け止められていないのが実にいいところだ。

そして――そんなスクールアイドルの青春を過ごした高海千歌が気づいた「私たちの輝き」が「今までの日々」にあったとするのも良い。
輝きを探して走り続け、仲間と出逢えた場所を守るために抗い続けた日々そのものが彼女達の輝き。それは「一瞬たりとも諦めず」「全力で走り続けた」からこそ得られたものであり、そしてその輝きこそがユーザーである我々が魅せられ続けてきたものである。
完全新作劇場版アニメの制作が発表されたが、終わりを迎えた彼女達の輝きが最後に何を残すのだろう。
その輝きが富士から望む御来光のように、多くの人達にとって祝福とならんことを祈る次第である。


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