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終わりゆく作品を愛するファンにスタッフはなにを返せるのだろうか――『プリパラ オールアイドルパーフェクトステージ!』でシンソフィアが描いた答え

『アイドルタイム・プリパラ』をもって「プリパラ」という作品は終わりを迎える。
アニメだけでなくゲームも3月末をもって稼働を終了し、4月より展開される『キラッとプリ☆チャン』へと移行していく。『キラッとプリ☆チャン』も筐体は『プリパラ』のものをほぼそのまま使用するので、プリチケ等はそのまま使えるし、自身の分身であるマイキャラも『キラッとプリ☆チャン』へと引き継げることがアナウンスされているが、『プリパラ』というゲームが稼働終了の日を迎え、プレイできなくなってしまうという事実は何も変わらない。『プリパラ』を愛するファン達にとって身を引き裂かれるような痛みを覚える日はすぐそこにまでまで迫っているのである。
終わってしまうことは強く理解している。しかし「終わる」ということを理解していても、ファンの作品へ傾けた情熱は冷めるわけではない。むしろ「終わる」ということを明言されたからこそ燃え上がる炎もある。
「今もなお『プリパラ』を愛し続けてくれている熱いファン達に対して、いったい何ができるのだろう」。
そんなファンの情熱に対して開発側が用意した解答。それが本作『プリパラ オールアイドルパーフェクトステージ!』である。

本作は「超移植」を謳うだけのことはあり、アーケードゲーム『プリパラ』の面白さを努めて忠実に再現しようとしている。
人気が高いものを中心にしているものの豊富な数のコーデアイテムによる着せ替えゲームとしての面白さ、マイキャラを育てて神アイドルのランクまで育てていく育成物としての面白さ、メインコンテンツとなるリズムゲームとしての面白さ、そして偶発的に発生する神アイドルチャレンジ……。「ニンテンドースイッチ」というハードの中で許される限りではあるが可能な限り再現されており、「超移植」の言葉に嘘はない。自作する必要こそあるものの、マイキャラクターもユニット結成で使用できるようになっている点はファンとしてはとても嬉しいところで、豊富に用意されたマイキャラパーツを駆使することで筐体で行っている「友達とユニット結成」が疑似的に再現できる。
また本作独自のシステムとして、コーディネート画面限定ではあるが「アイテムの検索ソート」があるのも素晴らしい。色や属性、ブランドなどを具体的に指定できるのでアイテム選びの煩わしさはあまりない。強いて言うなら『ガールズモード』のようにボーイッシュなどの傾向ごとの検索もできるようにしてほしかったが、現状でも使い勝手としては十分便利だ。
だが、本作の最大の魅力はシナリオだ。プリティーリズムシリーズからそうであったように、本作はシナリオが滅茶苦茶良いのだ。
本作のシナリオは「めが姉ぇに誘われてプリパラへとやってきたプレイヤーは、プリパラのシステムの不具合によりプリパラタウンから活気と共に輝きが失われていることをプリパラアイドルのらぁらから知らされる。ライブをすることで一時的にシステムを復旧できることに気づいたプレイヤー達はプリパラを元に戻すべく奮闘する!」というもので、一見すると特別なものはないように見える。しかし「プリパラのシステムが不具合を起こす」「輝きが失われる」という状況と、作中であろまが告げる「プリパラの終焉」が、現実世界における「プリパラの終了」という2018年3月末の状況そのものを見立てたものだと捉えると話は別だ。
つまり本作は「プリパラが終わりゆく今だからこそ、プリパラが好きな者達はどうすればいいのだろう」ということを一人一人に投げかける作品なのである。
最終的にどこを終着点とするかはプレイした人間だけが得られる特権なのでここでは書かないのだが、こうしたシナリオを展開してきたのはあまりにも挑戦的だ。そしてファンに対して誠実に向き合いすぎている。
こう言っては身も蓋もないが『プリパラ』はもうじき終わる作品だ。後継作となる『キラッとプリ☆チャン』はもうじきスタートを切る。
そのタイミングで出した今作なのに、開発元であるシンソフィアは「記念碑」とする気がまるでない。明らかにこれは「ここまで愛してくれたガチなファンに対するメッセージ」だ。「愛への返歌」だ。開発者としてユーザーに伝えておかなければならない感謝の言葉と、そして「これからのお話」をゲームの中でやっているのだ。それも「終了する直前に発売するゲーム」で!
あまりにも強い。そしてクリエイターとして真摯すぎる。
『プリパラ』が好きな人は是非ともプレイして、これから先について考えてほしい。
少なくとも自分はもうちょっと前向きにとらえられるようになるぐらい元気をもらった。そういう意味では大傑作だったと言える。本当に買ってよかった……。今回ゲストで登場した『キラッとプリ☆チャン』の桃山みらいも良い子のようなので期待したいところだ。










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