FC2ブログ

Entries

自分発信とは「自分の楽しいを伝えること」――『キラッとプリ☆チャン』第一話について

シリーズが長く続けば続くほど、「完全新作」がファンに受け入れられるかどうかは難しい。特に一つの作品だけで長く展開してきた場合はファンも今までの作品に思い入れがあるだけに拒絶されて、シリーズそのものが一旦休止となるケースも散見される。「ファンと共に長い時間を過ごす」ということは良いことも多くある一方で、「完全新作での仕切り直し」のような「今までと違うこと」をやりにくくなる側面もあるのだ。しかし既存のファンだけを向いて展開していくこともまた難しい以上、どこかで新規ユーザーを獲得するための展開をやっていく必要がどうしても発生する。この辺りの「完全新作での仕切り直しをやる上での『既存ユーザーの維持』と『新規ユーザー獲得のための要素』の匙加減」については本当に作品ごとに違うので難しいところなのだが、本日放送された一話を見る限り、『キラッとプリ☆チャン』はその点を上手くやったように思う。

大企業から個人まで、誰でもチャンネルを開設することが出来る動画サイト「プリ☆チャン」。多くの人々は一大エンターテイメントとして受け入れられている「プリ☆チャン」でトップアイドルになろうと努力している。きらりヶ丘中学校に通う桃山みらいもそんな「トップアイドル」に憧れる一人であったが、幼馴染の萌黄えもが売り言葉に買い言葉でプリ☆チャンでも人気上昇中のアイドル・赤城あんなの挑発に乗ってしまった事をきっかけにプリ☆チャンでアイドルデビューすることになってしまう……。

『キラッと プリ☆チャン』の一話は『プリパラ』がそうであったように「説明しなければならないこと」に優劣をつけた上で一つ一つを丁寧に説明している。
「プリ☆チャンがどの程度受け入れられている世界なのか」はみらいやその妹との会話の他に、母親も交えることで「親レベルですら知っていること」になっていることが伺えるし、「プリ☆チャンのアイドルの力を借りれば自分達の店を盛り上げられるのでは?」というアイデアを出してくる辺りからは「プリ☆チャンがテレビなどにも匹敵するほどエンターテイメントとして受け入れられ、そこで活躍する存在達は現実の人達を動かしうるほどの影響力を持っている」ということが分かる。
その割に始めるためのハードルが低いことは「プリズムストーンにいけば開設できるよ」というクラスメートのセリフからも分かる。全て「プリ☆チャンのある世界とはこういう世界だよ」という事を説明するための描写であるが、みらい→みらいの家族→みらいのクラスメートとみらいを中心とした人間関係の輪を広げていくことで「どの程度受け入れられているか」が分かりやすく展開できているし、少し描写が足りてないように感じる部分も後々補足説明がされるなど細部にまで行き届いている。
これらのことは端的に言えば「『キラッとプリ☆チャン』という作品世界に入り込みやすい」という、ただそれだけのことなのだが、「三年以上続いた作品の後を継ぐ作品」の「第一話」という重要極まりない局面においてそれが出来ているのは称賛に値するべき偉業である。
コミカルさもあり可愛さもあり、非常にバランスの取れた楽しい一話であったが、内容面においては「自分発信」と言うテーマを「自分の『楽しい』を見てくれている皆に届ける」と言い換えたこと、そして「やってみることの大切さ」という二点が特に素晴らしかった。
「楽しい」という感情は原初的であるにも関わらず忘れがちなことだ。嫌なことがあったりしがらみが生まれたりするとすぐに「楽しむ」ということを忘れてしまう。『キラッと プリ☆チャン』が叫んだ「自分の『楽しい』を見てくれている皆に届ける」にはそんな「「楽しい」「楽しむ」という気持ちを「いつも忘れないでいて欲しい」という願いと、「そんな気持ちが皆に伝わっていくのが一番ハッピーなことだよね」という祈りがある。
口説き文句のようにめが姉ぇが使っていた辺り、おそらくプリズムストーンを訪ねてきた全ての人間に同じことを言っていそうではあるのだが、だからこそ「全ての人間のスタート地点」として機能するわけで、今後の物語においてもここでめが姉ぇが言ったことは重要なものとして機能していくのではなかろうか。
また「やってみることの大切さ」としてはみらいとえものやりとりが良かった。
「プリ☆チャンデビューなんて無理」というみらいに対して「やってみなくちゃわからない。わからないからやってみる!」と発破をかけるえも、いざデビューできると分かったら怖くなったえもに対して「やってみようよ」と言えるみらい。
性格的には真逆だけれど、だからこそ二人で「やってみる」と言える強さと本当に挑戦する「勇気」は何とも美しい。この美しさがこれから一年は見れるのかと思うと楽しみで仕方がなくなった。

最後のフォロチケ交換は『プリパラ』から受け継がれたものであるが、「動画サイトで誰でもいつでも繋がれるからこそ、対面で交換することがどれだけ特別なことか!」ということが滲み出ていて最高にエモかった。素晴らしい。
『キラッとプリ☆チャン』、最高である。

ところで『プリパラ』から続投したi☆Ris組が絶妙に『プリパラ』とは全く違うキャラクターをやらされているのもよい。
演者としての引き出しが多さを見せられているようで、ちょっと感動した。

スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2449-47394d3a

0件のトラックバック

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター