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『アイカツフレンズ!』について

『アイカツフレンズ!』は『アイカツ!』『アイカツスターズ!』の因子を受け継ぎながらも、従来とは全く異なるところに面白さがある。
それは「アイカツ!シリーズらしくない」ということでは断じてない。むしろ逆だ。『アイカツフレンズ!』はこれまでの作品とは違うやり方で「アイカツ!」という作品を作り上げているのである。

『アイカツフレンズ!』は友希あいねと湊みおが出会い、みおがあいねに「一緒にステージに立ってほしい」とお願いするところから物語が始まる。これはみおがあいねに惚れ込んだからこその依頼で、直前の「たとえお試しだとしても、ダイヤモンドフレンズを目指している以上、一つのステージも無駄にしたくない」というみおの台詞を聞いていると「よっぽどあいねのことが気に入った」ということが伝わってくる良いシーンであるが、その依頼を受けたあいねは「友達を100万人つくる」が口癖で、「友達のためなら自分にできることは全力!」以外は取り立てて特徴のないごくごく普通の少女である点がこれまでのアイカツシリーズとは大きく異なる。
これまでのアイカツシリーズは最初こそごくごく普通の少女として描写されていたとしても、基本的には「アイドルになることを目指している」という「アイドル志願者」であった。星宮いちごも神崎美月のライブを見たことで「美月さんのようになりたい」とアイドルを目指しているし、虹野ゆめも「S4になる」という夢を抱いてアイドルになろうとしていた。つまり今回のあいねのような「自分がアイドルになることすら考えていなかった存在」はシリーズでも初めてのことなのだ。これはとてつもない挑戦であるが、「みおがあいねに依頼する理由」を短いながらもきちんと描写していることで「あいねでなければならない」と思わせることに成功している。
例えば子供と遊んでいる時の「みおとあいねが呼吸を合わせて一つのことを成し遂げる」だったりもそうで、「一人ではできないことでもあいねと二人ならできる」は「みおがあいねを選ぶ理由」としては十分だろう。またあいねのアイドルとしての適性についてもよく描けていたように思う。個人的には「みおをきちんとトップアイドルとして演出しているからこそ、アイドルでも何でもないあいねを選ぶことが逆説的にあいねのアイドルとしての適正が分かる」という流れが好きで、フレンズアピールができた事にも説得力があって良い。
そしてそういう部分を見れば見るほど、あいねに「一緒にステージに立ってほしいと依頼し、、彼女をアイドルの道へと誘った存在がみおだった」の唯一無二の存在感が際立っていて最高だ。みおがいなければあいねはアイドルデビューすることはなかったわけで、「アイドル・友希あいね」は湊みおが生み出したも同然だ。ダイヤモンドフレンズの一人としてアイカツ界の頂点に立つ日が来ればあの日の出会いはまさしく「運命の出会い」になるのだから「尊い」としか言いようがない
逆に湊みおもあの日、友希あいねに会わなければダイヤモンドフレンズを目指すパートナーにも出会えずにステージに立つこともできず、仮にダイヤモンドフレンズになったとしても「ステージに立てなかった」ということに少なくとも後悔が残っていたはずだ。傷一つなくアイドルとしてダイヤモンドフレンズを目指せるようになったのはまさしく運命。彼女のアイドル活動が傷一つもなく輝けるとしたら、まさしく「友希あいね」という運命の相手と出会えたからであろう。
そしてそもそもの発端をたどれば「ランチを届けた際にあいねが代金をもらい損ねた/みおが代金を支払い損ねた」なわけで、双方のうっかりミスなのも良い。どちらか片方の落ち度ではなく、双方の落ち度によって生まれたこの運命は、英雄譚や神話の始まりのような輝きに満ちている。最高か。
そうした『アイカツフレンズ!』らしい面白さを描いた後で、ステージに立つためのレッスンがスポ根のそれなのが実に「アイカツ!シリーズらしい」。
掛け声が「アイ!カツ!アイ!カツ!」だったのもあるが、『アイカツ!』も「努力だけは裏切らない」的な地道な練習描写があったからこその華やかなステージだったし、ファンタジックなパワーがあった『アイカツスターズ!』も地道な練習描写があったから「そういう力に頼らなくても成長できる」ということに説得力があったわけで、こうした地道な練習風景こそがアイカツ!シリーズらしさだろう。ストイックすぎるぐらいストイックではあったが、「トップアイドル直々に指導している」というシチュエーションが強すぎた。最強。
ただ「ダイヤモンドフレンズを目指す」というみおと、「友達100万人を目指す」あいねとでは目指すべきゴールが違うように思うが、そのあたりのずれがテーマになったりもするのだろうか。一話に「アイドルとして道を究めることは友達100万人を実現することにもつながる」としているが……。
何にしても。『アイカツフレンズ!』はこれまでとガラリと印象を変えながらも、随所でアイカツシリーズらしさを発見することができる作品だ。こうした作品を三作目として展開できるのは凄いことではないかと思う。
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