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『ガンダムビルドダイバーズ』について

『ガンダムビルドダイバーズ』は『ガンダムビルドファイターズ』『ガンダムビルドファイターズトライ』の精神的後継作となる作品だ。
「キャラクター達がガンプラを操り戦う」という基本設定や「ガンプラは自由であっていい」「愛こそが全て」と言った基本理念をそのまま受け継ぎつつも、「ガンプラを用いたVRMMOの世界」という世界設定により『ビルドファイターズ』や『ビルドファイターズトライ』とも違う印象を残す全く新しい物語を作り出している。

物語の舞台となるのは前述した「ガンプラを用いたVRMMOの世界」だ。作中世界では「ガンプラバトル・ネクサスオンライン」というガンプラを用いたオンラインゲームが大流行しており、主人公のリクはたまたま目撃したこのゲームのチャンピオンであるクジョウ・キョウヤの戦いを目撃した事で、自作したガンダムダブルオーダイバーと共にガンプラバトルの世界に飛び込んでいく。
「完全なる初心者がガンプラバトルに飛び込んでいく」という点は『ガンダムビルドファイターズトライ』を髣髴とさせる部分こそあるが、主人公にはこれといった特異な能力もずば抜けた操縦センスもあるわけでもないため、本当の意味で「初心者」となっている。ガンプラの出来も突出しているわけではない。むしろ「ガンプラの完成度によってその機体の特殊な能力を使える」という設定に基づいた設定を考えると「トランザムを使うと機体が持たない」という現在のガンダムダブルオーダイバーは「初心者にしては出来がいい」といったところだろう。
「ビルダーとしてもファイターとしてもまだまだスタート地点に立ったばかりで発展途上もいいところ」。
それが「リク」という主人公であり、そんな「ビルダーとしてもファイターとしても未熟な少年」が、「仲間と共にチャンピオンとの闘いの舞台を目指して成長していく」というのが『ビルドダイバーズ』の基本となる物語だ。
個人的に本作を気に入っている理由は二つある。
それは「強くなるための方法を限定化していないこと」と「ズルをして強くなることは出来ない!とはっきりと言い切っていること」だ。
まず前者について述べておくと、リクは強くなるためにファイターとビルダー、二人の師匠達と出会う。ファイターの師匠となるのはタイガーウルフと名乗る男で、リクに現実とゲームは異なることをしっかりとその体に染み込ませ、ファイターとしての入口に立つところまで導いてみせた。一方、ビルダーとしての師匠となるのはシャフリヤールで、彼はリク達に自分のガンプラを扱わせることで「現実では例え誤差が0.1ミリでも、実物大になるこのゲームの中では大きな差になる」という事を教えてくれた。
四話終盤では両者がリクを自身の所属するチームに誘うのだが、リクはそれを「自分の道を探す」という理由により断る。ここで大事なのはリクは双方の教えを学んだその上で「違う道を模索する」という決断を下しているところだ。確かにタイガーウルフの弟子になったとしてもシャフリヤールの弟子になったとしても、リクは確かに強くなることだろう。しかし強くなる方法は別にこの二つだけではない。というか「強くなる方法はユーザーの数だけあっていい」。それはガンプラが自由であるのと同じことで、強くなる方法も「自由に考えていい」のである。そういうプレイスタイルの自由さを提示してきたのは素晴らしいことだ。結果として求道者としての物語が本格的に駆動し始めたのも熱いところではある。

また二つ目についてだが、これは本作でリク達正規ユーザーの対になる存在として配置されたマスダイバー達が該当する。
マスダイバーとは「特殊なデカールによりシステムそのものに介入して機体性能を驚異的に引き上げる」という手法を取るイリーガルなユーザーで、一話を除いてほぼ全ての話でこのマスダイバー達が戦いに介入してリク達に牙を剥いてきた。「マスダイバー達がイリーガルな手段を使うことでシステムに負荷がかかり、バグが増えている」ということがチャンピオンの口からも語られているように、彼らは正規ユーザーの敵とも言える存在だが、現状作中に登場したマスダイバー達は全員その機体性能の高さこそ脅威としてとらえられながらも、チャンピオンをはじめとした一流のユーザー達によって倒されている。
この辺りは「違法な方法では強くなれない」「強くなるのに近道はない」と言っているようである。求道者の物語として立ち上げていく以上、この辺りの「ずるをして強くなろうとする」という人達を「無駄」としてしまうのは正しいのだが、あまりにも徹底していて気持ちがいい。最終的にどこで決着をつけるのか気になるのだが、ともあれ求道者の物語たる本作の黒幕は黒幕でしっかりと強くあってほしいところだ。

何にしても本作は一度仕切りなおすことを決めたからこそ、物語としてきちんと筋を通した作品となっているように思う。
この調子でリク達がチャンピオンと戦うところにまで成長していってほしいなぁ、と願ってやまない。

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