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『劇場版プリパラ』のルート分岐の変遷

『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』の最後のルート「レインボーライブルート」がようやく公開された。
プリティーリズム三部作の全てのルートが出揃った事で「プリリズヤクザの走馬灯」と公開初日から言われてきた作品が「完全に死の間際に見る映像とはこういう映像のことを言うのだろう」へとサイリウムチェンジを果たし、映画館へと詰めかけた人々はサイリウムを握りしめながら彼岸へと渡っていく。「鑑賞料金は実質六文で、プリチケには死に装束が印刷されてる」という状態と化しているが、全ルートを見終えた今なら断言してもいいだろう。「ヤクザは一人残らず全員死ぬ」と。「スキスキセンサーマジヤバイ間違いない」と言っていた頃がまだ幸せであったと。りずむちゃんのところで悲鳴が上がるのは仕方がないね。同時期にプリズムショーを始めた親友に「才能の絶対的な差」を見せつけられたら、そりゃ心の煌めきに陰りが出るのも仕方がないというものよ(子供向けアニメです)。

今回の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』で「ルート分岐と称して本編内容の一部が変化する作品」も四作品目となった。もはやこのギミックは「このシリーズの劇場版アニメの特徴」と言ってもよく、自分のように「全部確認しておきたい」と思うタイプの人間は次のルートに切り替わるとワクワクしながら映画館に向かうわけだが、今回の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』はこれまで以上にギミックが洗練されたものになっていて、非常に楽しく見ることができた。
そもそも『劇場版プリパラ』シリーズでルート分岐が行われるようになったのはアトラクションのようなものを志向していたからだと言われている。
エイベックスの岩瀬氏が打ち合わせの席でライド系アトラクションに乗ってきた話をしたところ「面白いんじゃないか」という話になり、ライド系アトラクションで見かける「ルート分岐」が作品の中核へと据えられることとなった。そうして生まれたのが第一作『劇場版プリパラ み〜んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』で、この作品は「北条コスモの導きでプリズムショーシステムへとやってきたらぁら達が巡るプリズムショーの世界」として共通パートを終えた後で四つのルートに分岐して再び共通パートに戻ってくる作品構造となっており、「何をどの程度流すのか」も含めて二回目三回目を見に行く楽しさを提供してくれていた。
とはいえ実験作でもあった点は否めないのも事実で、「分岐部分が非常にわかりやすい」「プリパラは特に新規が存在しない」など未成熟な部分はたくさんあった。それらの点をいくつか改良した作品となったのが『映画プリパラ み〜んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ』だった。
「ファルルを助けるためにアイドル達が世界中をめぐってライブを行いながらファルルのいるプリパリを目指す」という完全オリジナルの物語が存在するために「劇場版」ではなく「映画」を冠としていただくことになったこの作品は分岐そのものを「一方その頃、一緒に旅だったあのアイドル達は何をしていたのか」を三つのルートという形で掘り下げることで、全体のテンポの良さと密度の高さをそのままにボリューム感を確保。楽曲は完全新規がちゃん子の一曲しかないものの、それ以外のルートでは劇場版でしか見られない特別なものにマイナーチェンジされており、「ここでしか見られないもの」で満足感を底上げした(とりわけふわり&あじみは後のクリスマスライブでわざわざあじみのコール部分をねじ込んでくるファン――通称あじみガチ勢を生み出す狂気をもたらした)。
そんな『映画プリパラ』の路線を踏襲しつつ発展したものとして、「ぷちゅう(宇宙ではない。府中でもない)の惑星を回るライブツアー」というSF的な導入を採用した『劇場版プリパラ み〜んなでかがやけ!キラリン☆スターライブ!』が上げられる。
作中プラックホールに飲み込まれたアイドル達は「あり得たかもしれない可能性の一つ」を見る事になるが、この「可能性」を分岐シナリオに当て、「本来ならあり得ないもの」を展開する。「らぁらが現実世界での親友であるなおの誘いでデビューする」「三人で宇宙海賊を結成して暴れまわるトリコロール」「アイドルに許されない恋をしてしまったみれぃ」という三つの可能性はわざわざこのためだけに製作された完全新規となっており、シリーズが歩んできたものの一つの到達点ともいえる会心のルート分岐であった。あ、みれぃの曲はガチ。
そして例年より遅れること二か月してようやく公開と相成ったのが現在公開中の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』なわけだが、今回は若干省エネ的なつくりではあるものの「ルート分岐」に関してはこれまで以上の力が入れられている。
まず本作ではルート分岐を「タッキーゆめかわゲームでピンク・青・黄の三色のタッキーの誰が勝つか」で分岐を行っているが、このタッキーゆめかわゲームはルートごとに「早炊き対決」「おにぎり集め」「スロット」の三つに分けられており、小ネタも大量に放り込まれているためここだけでまず楽しい。
分岐後も各種ルートは便宜上プリティーリズム三部作のタイトルが冠されているものの、プリパラサイドのライブパートも各種作品のテーマに沿う形で散りばめてあるため前後の流れをきちんととらえると内容を理解しやすくなっている。「入口となれるように」というのはかねてから行われていることであるが、今作はそうした部分が強く表れている。今作を見てプリティーリズムに興味を持ったなら、それを見てからもう一度今作を見直すと「走馬灯」といわれる理由も良く分かるのではないだろうか!
そして最後は「Make it!」からのWITH。完璧である。応援上映会も楽しい作品として本作は過去最高レベルの面白さであった。

最後に。とりあえず自分は11回(AD3回DMF7回RL1回)見ているのだが、11回見ても飽きてないのでまた見に行くことだろう。
ああ早く円盤が欲しい……。『とびだすプリパラ』と一緒に早く円盤を出してほしい……。


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