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『キラッとプリ☆チャン』に見る現実と混然一体となったやってみたデザインについて

『キラッとプリ☆チャン』のテーマは「やってみなくちゃ分からない!分からなかったらやってみよう!」である。
このテーマを表現するためにアニメでは「何かに挑戦する光景を動画配信→それを見た視聴者からいいね!が集まる→いいね!を集めたご褒美としてライブに挑戦する権利を得る→ライブを行う」を作劇の基本的なフォーマットにしており、これまで放送された1クール13話はほぼ全てこのフォーマットに基づいた作劇がなされている。変化もつけられることは萌黄えも復活回で確認できているし、コメディにおいてもアスレチック回などを見ても生かされていることから自分は「とても優れたフォーマットであり、これを早期に作り出せたのは大きな武器になるだろう」と感じている。正直ここまで早くフォーマットを作り出せるとは思っていなかったので感心しているのだが、しかし主力商品であるアーケードゲームにおいてはコインを投入するといきなりライブに挑戦できるようになるため、「やってみなくちゃ分からない!分からなかったらやってみよう!」と言うテーマは再現されていないように感じていた。
ゲームとしては『プリパラ』がすでに完成された面白さを持っていたことからそれを継承した時点で面白いのは分かっていたし、実際プレイしてみても面白いゲームである。しかし「トモチケ交換」という遊びを現実のみに絞った形で展開する事で筐体周辺を「ユーザー同士が交流する場所」へと変えて、アニメ等で描かれる「プリパラ」を擬似的に再現していたのが『プリパラ』である。その『プリパラ』の後継作たる『キラッとプリ☆チャン』が「自ら据えたテーマの表現を行っていていない」というのは考えづらかった。なので第一弾をプレイした直後から今までの間、「どうしてこういうゲームデザインになっているのだろう」とフォロワーからのいいね!を集めながら考えていたのだが、先日ようやくその謎が解けた。
『キラッとプリ☆チャン』にコインを入れてプレイを開始した時点で、ユーザーは何かに挑戦して評価を得たものとみなされているのだ。
訳がわからないと思うが、つまりはこういうことだ。
我々はプレイ料金を毎回何らかの方法で調達している。自ら働くことが出来る人間ならば仕事やアルバイトなどで働いた対価としてお金を得ているし、メインターゲットである4歳から6歳頃の女児のような働くことが出来ない人間ならばお小遣いといった、他者から受け取る形でプレイ料金を得ていることだろう。
このプレイ料金を得るための行為そのものをアニメで桃山みらい達がやっている「やってみた」と見立てているとすれば、そこで得たお金はそのまま視聴者が送る「いいね!(=評価)」に相当するものになり、筐体に100円玉を入れた時点で本作のライブを行う条件である「いいね!を集める」は満たされていることになるのである。
この理屈が正しいのであればいきなりライブを始めても別段おかしなことではない。「やってみたことの評価としていいね!はプレイ開始した時点で満たされている」のだからこのゲームデザインは正しいと言い切ってもいいぐらいだ。

こうしたゲームと現実を分けて考えるのではなく混然一体としたものとして扱い、ユーザーの動きそのものもテーマ表現に組み込もうとする動きは前作『アイドルタイム・プリパラ』の頃から見られたものではあった。「システムから評価されることでライブが出来るようになる」というアイドルタイム・システムはまさしくそうしたものだからだ。
しかしながら『アイドルタイム・プリパラ』は『プリパラ』の直接的な続編であることもあって、その辺りの表現が上手く出来ていたわけではなかった。「プリパラのシステム」という融通が利かず無機質なものによる承認は「アクションを起こしたご褒美」としてどうしても受け止めづらいからだ。ゲーム内でもそこまで徹底されているわけではないため、作品表現としては「実験的なもの」に留まっていたのだが、『キラッとプリ☆チャン』へと移行するにあたってもう一度見直し、「無機質なシステムからのご褒美」ではなく「画面の向こう側にいる数多の人々の支持を集めたご褒美」としてライブを位置づけ、アニメとゲームの両面で統一してきたのは面白いことではないだろうか。
そもそもトモチケ交換だって「プリパラアイドルごっこ」の延長線上にあるものであるし、「プリ☆チャンアイドルごっこ」の延長線上にあるものとして「挑戦する」が入ってくるのならそれはそれで良いことだろう。どういう広がりを見せるかは今後の動向が気になるところだが、ひとまず1クール目のクライマックスとなったアニメの話をしておくと『プリティーリズム・オーロラドリーム』の春音あいらがデザイナーズ7として登場して完全に昇天させられた。『アイドルタイム・プリパラ』でみあが登場した時から「いつかこの日が来るのでは」という気がしていないでもなかったが、まさか一年後に予想外からの方向で殴られるとは。ひどく動揺している。ああ、そんな、まさか。こんな日がこんなにも早くやってくるだなんて。予想もしていなかった。
あいらさんがこうして登場した、ということはみあやなるちゃん達と出会う日がまたやってくるのだろうか。べる様は?
『プリティーオールフレンズ』の一環であると思うが、シリーズを追いかけてきた日々に新しい思い出が加わえていこうとするタカラトミーアーツにはただただ感謝するしかない。

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