FC2ブログ

Entries

プリティーシリーズにおける対決についての思考整理メモ

プリティーシリーズはしばしば「他者との対決」に主眼を置いた物語が展開される。
『プリティーリズム・レインボーライブ』では「プリズムの煌めきの減衰を食い止めるためにプリズムの使者であり現王者である天羽ジュネと戦う」という物語が展開されていたし、『プリパラ』では「伝説のコーデを巡ってアイドル達が競い合う」が基本的なフォーマットとなっていた。最新作となる『キラッとプリ☆チャン』でも桃山みらい&萌黄えものミラクルキラッツと赤城あんな&緑川さらのメルティックスターがコーデをかけて対決しているわけだが、やはりこの「他者との対決」はシリーズ全ての作品で印象に残ることが多い。「なぜどの作品も他者との対決が印象として強く残るのか」を考えていたのだが、なかなかまとまらないのでメモ書きと言う形で残しておく。

シリーズ一作目において『プリティーリズム・オーロラドリーム』において「他者との対決」が重要視された物語はそれほど多いものではない。これは『オーロラドリーム』自体が「伝説のプリズムジャンプ・オーロラライジングに対して、どのような回答を出せるのか」を重視した作品だからだ。『オーロラドリーム』は考え方や価値観も含めた「個性」の物語である。「他者との対決」よりは「自分との戦い」の要素が強くなるのはテーマ上仕方がない問題だと言えよう。とはいえ他者との対決が全くと言ってないわけではなく、せれのんとの戦いなどそうした「他者との対決」の物語は比較的行われている方である。ただしそこで問われているものもやはり「自分なりの解答」であり、敗北する際は「自分」を殺した表現に行きついてしまった時の方が多い。
『ディアマイフューチャー』は『オーロラドリーム』よりも「他者との対決」の要素が強く表れた作品であり、主役ユニットであるPrizmmy☆とPURETTYの関係性を「友達でライバル!」と表現していることからもそのことはよく分かる。そんな「他者との対決」を比較的重視した『ディアマイフューチャー』だからか、この作品のクライマックスでは「一人の勝者と無数の敗者」という競争構造の残酷な真理に切り込んだ物語が展開されており、「勝者として敗者に何が出来るのか」という命題に「敗者達の気持ちも全部背負って勝者として未来を照らすスタァになる」と言う回答を出す事で物語は終演を迎える。この点を見ていると「勝者とはどうあるべきものなのか」「敗者は何が出来るのか」こそが最終的に重要になってくる『ディアマイフューチャー』は、「勝った後に何を見せてきたか」が対決そのものの印象深さを作りだしている気がして止まない。そういう意味でも本作は異色作と言える。
そして『レインボーライブ』だが、こちらは「自分の気持ちに素直になった者がより高みへと上ることが出来る」という理屈が働いているように思う。プリズムライブもそうだがプリズムジャンプの内容もそうで、プリズムスタァ達は自分の心に素直になればなるほど出来るプリズムジャンプの回数は増していく。つまり本作における対決は「どれだけ自分の心に素直になり、自分らしい表現をできるか」で勝敗分岐が行われていると言える。
また「プリズムの使者を超える」という部分が重要な物語なので、「行ったプリズムジャンプの回数」がそのままプリズムスタァの実力として勝敗を分ける大切な要素になってくるのは直感的で分かりやすい。「ジャンプの回数で超える=あのスタァを超えた」とする理屈は非常に具体的で、「まさか超えてくるとは」という驚きがリアルタイムで見ていたファンの間で共有されていたのは思い出深いところである。なお本作のスピンオフである『KING OF PRISM』も同様の理屈が働いているようで、速水ヒロはべると同じ「俺はこういう王になる」という覚悟を見せた事で王になっている。同じ世界の作品なので当たり前のことであるが、この点は留意しておきたい。
『プリパラ』にシフトしてからの対決はプリティーリズムとは打って変わって「仲間がいるから超えられる」である。らぁらのプリズムボイスが他者が絡んだ時に真の力を発揮するように、本作ではとにかく「友達」「仲間」と言う要素が重要視され、一人で挑んだものは大体の場合において仲間と友達の前に敗れ去るわけだが、プリティーリズムで大事にされていた「個性」の話は本作でも有効であり、『2nd season』のウィンタードリームグランプリの戦いは「一流のものを見続けて自分達の感性を研ぎ澄ました天才チーム」と「みんなで同じものを作り上げようとした努力チーム」の構図となり、没個性化を招いた努力チームの敗北で終わっている。あれは天才チームの勝利と言うよりも努力チームが勝手に自滅した事例で、「負ければ自分達のプリパラが失われる」という約束から勝負にこだわりすぎ、個性を失ったが故の必然的な敗北である。プリティーリズムの後を引き継ぐ作品だったからこそ「個性を押し殺すやり方は敗北する」というのはシリーズらしさを保つ重要な要素だ。
『アイドルタイム・プリパラ』になってからは他者との対決は少なくなっているものの、「夢に対する強い想い」が勝敗を分けていたりとテーマに基づいた勝敗が設定されている。何にしても『プリパラ』シリーズは「実力では勝っていても、見ている観客に届く想いでは負けていれば敗北する」と言う意味でアイドル物らしい勝敗のつけ方をしていると言える作品である。そらみスマイルがトリコロールに勝てた理由として述べられているのはつまるところ「思い入れ」の話であるし。
で、最新作となる『キラッとプリ☆チャン』についてだが、この作品は「自分達が考えたものに挑戦したかどうか」が勝敗を分けている。人気動画のアイデアを拝借したチームにミラクルキラッツが勝てたのも、世界的人気プリチャンアイドルであるメルティックスターがミラクルキラッツに敗北したのも、ミラクルキラッツは「自分達が考えたものに挑戦し、成功したから」であり、自分達で考えなかったり挑戦しなかった者達はきちんと敗北している。メルティックスターは復活したばかりなので安全な道を取っただけだと思うが、そうした油断から敗北した辺りが非常に印象深い。世界的に人気があっても挑戦しないのはダメなのである。
もっとも後のエピソードでメルティックスターは「挑戦する気持ち」を取り戻しているので、今後の課題としては「互いに挑戦する道を選んだ時、その優劣をつける理屈をどうするのか」といったところが思い浮かぶが、どうするのかなぁ。「挑戦失敗」を敗北する理屈に持ってこなければ何でもいいところはあるが。




スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2484-006eb97a

0件のトラックバック

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター