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『アイカツフレンズ!』とフレンズとしての在り方の話

『アイカツフレンズ!』はアイドルの少女達二人が「フレンズ」を結成して「ダイヤモンドフレンズ」というトップアイドルを目指す物語だ。
長編の中でユニットを結成することがあっても基本的には「一人で頂点を目指す」であり、その戦いも「自分自身との闘い」という要素が強く出ていたアイカツ!シリーズとして初めて「一人ではないアイドル活動」を中心にした作品である『アイカツフレンズ!』だが、主役級ユニットであるピュアパレットの結成までで1クール近く物語を割くなどの大胆さを見せながらも、地味であっても描写を一つ一つ積み上げて昇華していくストーリーテリングによって「これまでのアイカツ!の良さも残しつつ、これまでのアイカツ!にはなかった魅力」を作り上げられているように思う。
とりわけ魅力的なのが「フレンズ」で、まだ放送されたのは16話と少ない話数ながらも、現在のところ三組のフレンズ――前述したピュアパレット、前年度のダイヤモンドフレンズカップで優勝したラブミーティア、ピュアパレットと友好関係にあるハニーキャットの三組――が登場。どのフレンズも違った魅力を放っていて面白いのだが、どういう魅力があるのかようやく言語化できるようになったので書いていきたいと思う。

まず主役級ユニットであるピュアパレットであるが、一言で言えば「三次元的な面白さがあるフレンズ」だと思っている。
ピュアパレットはトップアイドルである湊みおと、そんなみおに素質を見出されてアイドルデビューすることになった新人アイドルの友希あいねのフレンズであるが、二人の実力も大切にしているものも違うせいか、メインキャラクターになっているかどうかで全く違う性質の物語を出来ているのだ。例えば友希あいねがメインキャラクターになると湊みおとの実力差やアイドルとしての経験値の低さも相成って「湊みおが友希あいねを引っ張り上げる」という縦軸の物語(アイドルとしてステップアップしていく成長物語)が生じるのに対し、湊みおがメインキャラクターになると今度は彼女の「人付き合いの下手さ(=『一人で何でもできるが故に他者に協力を求めるのが不得手』)な部分がクローズアップされて友希あいねとの交流を通じて横の繋がりを広げていく物語(横軸の物語)が展開されていく。この縦軸と横軸が両立しているところがピュアパレットの面白さなのだが、物語が進むにつれて二人が積み重ねてきた時間やエピソードも増えていき、関係性に厚み(つまり奥行)が生まれつつあるのも興味深い。
現在のところ友希あいねと湊みおがステージの上に立つと比較対象がある分友希あいねの拙さを感じるところがあるが、一つのエピソードを経て増えた思い出が目新しい魅力として機能するのはピュアパレットならではのものだろう。そうした「アイドルとしての成長物語」「人間と人間の繋がりの物語」「積み重ねていく時間の物語」という全く異なる物語が両立している事こそがピュアパレットの魅力ではないだろうか。

次にハニーキャットだが、こちらはピュアパレットの三次元的な部分はあまりなく、どちらかと言えば「個と個の衝突が双方をより高みへと導く」という衝突と化学反応の面白さであると思う。蝶乃舞花と日向エマが結成したフレンズだが、この二人は持ち味としているものも趣味嗜好もバラバラ。したがって普通に組み合わせただけではチグハグになってしまうのだが、「昔から仲良くしている」という時間を触媒とすることで高いレベルで調和のとれた素晴らしいフレンズになっている。もちろん好きなものが違うこともあって衝突することはあるし、現にベストフレンズレアドレスを製作した回では舞花はエマのことを、エマは舞花のことを考えすぎて衝突してしまっている。しかしながら長い時間を共に過ごしてきたからこそ「相手の真意」を知る事で変わっていけるのがハニーキャットの良さだろう。喧嘩の果てに誕生したセクシーさとポップさを併せ持つファッションブランド「ハニーキャット」は、趣味嗜好が違う二人が相手の意見を組み入れながら共に作り上げたものとして非常に印象深い。ライブとして披露された「個×個(きみ×わたし)」はまさしくハニーキャットに相応しい楽曲だ。
こうした「衝突に伴う化学反応」はおそらく今後も繰り返されていくだろうしハニーキャットのテーマともいえるものだが、そうした化学反応が二人を発展させた先に何があるのか見たいものである(どう見てもブランドが二人の子供に位置付けられている現実にエモさを感じつつ)。

最後にダイヤモンドフレンズであるラブミーティアだが、物語上はまだ遥か高みにいる存在であるので、具体的なものはまだ見えてこないのだが、「頂点に立てるほどの実力を持つ個として最強のアイドル」が「互いに背中を預け合っている」と言う点で別格の強さを感じさせる。物語が進んでいけば彼女達の過去のエピソードも明かされていくと思うが、この最強が生まれるまでのエピソードは非常に気になるところだ。「人間力が高いもの同士」なのは間違いないが、はたして……。

以上のように『アイカツフレンズ!』は「フレンズ観」の名のもとに人間の特別な関係性を多様なものとして描いている。
来週からは白百合さくやというアイドルが投入されることが分かっているが、彼女はどんなフレンズを作るのだろう。
毎年の事ではあるが、今後とも目が離せない作品になってしまった『アイカツフレンズ!』には期待しかない。まだ三組しかフレンズが出ていないというのに、こんなにも面白いだなんて!
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