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『キラッとプリ☆チャン』の力学と『HUGっと!プリキュア』産婦人科医回について

ちょっと忙しいのでメモ的に。

『キラッとプリ☆チャン』では予定されていたメインキャラクターが一通り出揃い、物語は「デザイナーズ7」と呼ばれる各ブランドのトップデザイナー達がデザインしたコーデアイテムを巡る戦いへとシフトしている。
本作ではその戦いの舞台を「スペシャル大会」としており、「プリチャンで活躍するアイドルの中から選抜された数組が競い争い、予選の上位二組がライブ対決を行う」という様式になっている。このスペシャル大会の様子はプリチャンでも配信されているようで、視聴者参加型の企画もあるなど「動画配信」をテーマにしている本作らしい楽しいものとなっているのだが、「誰が勝ち、誰が負けるのか」については残酷なまでに冷徹だ。
というのも、本作の勝敗は「何かに挑戦したかどうか」で決められているからだ。
本作のテーマはかねてから述べているように、「やってみなくちゃ分からない。わからないならやってみよう!」である。そのためプリチャンアイドル達は毎週某かの事に挑戦していくわけなのだが、この「やってみなくちゃ分からない。わからないならやってみよう!」の適応は、スペシャル大会のような「明確に優劣をつけなければならないステージ」も例外ではない。完璧なパフォーマンスをしていても「挑戦していない」ということはそれだけでテーマに反するため敗北理由足り得るのである。
13話のメルティックスターの敗北も27話のミラクルキラッツの敗北もそういうことなのだ。
13話のメルティックスターは実力面では間違いなく勝っていた。しかしミラクルキラッツは「自分達のやってみたアプリで一番盛り上がったものを、二人でやってパワーアップさせる」という事に挑戦したので彼女達に敗れた。27話はその逆の構図になっていて、ミラクルキラッツは「いつもどおりの完璧なパフォーマンス」でよしとしてしまって、メルティックスターは自分達の原点に立ち返って「とにかく楽しむこと」に挑戦した。だから27話ではメルティックスターの勝ちなのだ。
この「何かに挑戦する事は、何もしない『いつもどおり』よりも価値がある」という力学は、言い換えれば「何も挑戦しないことには何の価値もない」という残酷さをもつ代物なのだが、その辺りの残酷な描写は本作の程よいスパイスとして機能しているように思う。
あとは「互いに挑戦した時、どちらが勝つのか」や「ラスボス候補である白鳥アンジュはその力学を踏まえた上で、どういう強さをもたせてくるのか」辺りが気になるところだが、その辺りは話が進めば分かることなので楽しみにしておく。

久しぶりに『HUGっと!プリキュア』をリアルタイムで見たのだが、素晴らしかった。
メインの話としては「役作りのために仲間と共に病院を見学しに行った薬師寺さあやが、『弟が生まれる事で母親が自分のものではなくなってしまう』と語る少女と知り合う」で、そのエピソードそのものも素晴らしかったのだが、自分が心を惹かれたのは母親と産科医の描写だ。
今回のエピソードではゲストキャラクターの少女の母親が「出産」や「育児」というものについて考える描写が挿入されていたのだが、帝王切開での出産を「正式な出産ではない」と思い込んでいたり、「今度こそ正しい育児をしよう」と漏らしていたりと痛々しいのである。ただ産科医がそこに適切にフォローを入れている事でその辺りを上手く着地させていたのが素晴らしかった。
とりわけ少女の姿を根拠に「しっかりと母親が出来ている」と説いたのは、少女側に物語を寄せていたこともあって「朝からとんでもないものを……」という気持ちになってしまった。「親子で見れる作品だなぁ」と改めて感じた次第である。
余談ではあるが、自分は『HUGっと!プリキュア』で産科医の話を見たいと思っていた。
本作の題材の一つに「母親」があることももちろんあるのだが、どちらかと言えばシリーズ構成の坪田文さんが脚本参加されていた『コウノドリ 命についてのすべてのこと』の存在の方が大きい。
『コウノドリ 命についてのすべてのこと』は鈴ノ木ユウの『コウノドリ』を原作とした実写化ドラマで、産婦人科医を題材にしている。このドラマに参加した坪田文さんなら「母親」に産婦人科医の方面からアプローチした話を含むプリキュアが生まれるのではないか。
そんなことを考えていただけに今回こうして描かれる日が来て本当に嬉しい。

シーズン1だけであるが、『コウノドリ』はamazonプライムで配信されているので見てみるといいかもしれない。
坪田文さんが脚本をやったのは七話と八話だが、「正しい出産って何?」と今回の話にも触れるような話もある。

amazonプライム-コウノドリ(2015)

それにしても今年のプリキュアは色々と異質だ。ただその異質さは新しいものが入ってきたからこそ感じるものであり、心地よい部分もある。こうした異質をどう愛でるのかもまた長い年月愛されてきたシリーズの楽しみの一つなのかもしれない。
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