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『キラッとプリ☆チャン』『アイカツフレンズ!』『HUGっと!プリキュア』最近の女児向けアニメ三本について

アイカツ!やプリティーシリーズやプリキュアがクライマックスに向けて物語を収束させに向かっているのを見ると、否が応でも今が年末であることを理解させられる。
季節感や曜日感覚を4クールアニメによって確保しているからこそ起きる現象であろう。夏休みのエピソードがあれば「そうかー夏かー」となるし、母の日のエピソードがあれば「もう母の日か」となる。もはや五年以上の付き合いになるのだから致し方がない。
ハロウィンを意識し始めたのも4クールアニメがきっかけであった。
そういえば今年の『キラッとプリ☆チャン』ハロウィン回は、京極尚彦が気合を入れすぎて「減価償却」のネタのもとで以降の作品で使い倒されたハロウィンライブがなくて、少し寂しさを覚えたことを思い出した。減価償却ネタ自体はここまで発表したライブ映像の総集編も兼ねていたので公式で半分ネタにされている感の漂うハロウィン回であったのだが。ナルシスター(松田利冴と松田颯水の姉妹が演じる出オチ系姉妹キャラ)も出てきたのでよしである。
さて、三作品ともいよいよクライマックスに向けて動き出しているわけだが、まだ本格的なクライマックスというわけではない。
そこで本格的なクライマックスに向かう前に三作品の最近の流れを書き留めておきたい。後の自分のために。

HUGっと!プリキュア。映画公開に合わせた「TV版プリキュアオールスターズ」とでも言うべきスペシャル回もさることながら、ここ最近の「坪田文の本領発揮」としか言えない展開の数々は、朝から浴びるにはなかなかに刺激的だ。ルール―とトラウムの関係性は言うなれば「血の繋がりのなくても親子関係は成立するのか」というセンシティブな題材であったが、被造物と創造主というフィルタを重ねる事でその辺りを上手くクリアしていたし、トラウムも「身を張ってルールーを助ける」という父親らしい姿を見せたことで「親になれる」ということを印象付けられていたように思う。
その次話で描かれた「ルールーは未来に帰ってしまう」という現実に直面したえみるのエピソードは、『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』47話の「ワガママみあ 前代未聞のドタキャン騒動」を想起させる。
「いつかまた会える」と約束していたとしても今別れが訪れることを悲しいと感じる気持ちは抑えられない。「別れは笑顔で」と決めていても涙は流れ出してしまう。こういう「溢れ出した感情は止まらない」は坪田文脚本ではしばしば見られるものであるが、クライマックス直前になって展開されたこのエピソードはたまらないものがあった。それにしてもジョージ・クライの求める「現在で時間を止める=未来の否定」は何から発したものなのか気になるところである。坪田文脚本作品では阿世知欽太郎が「未来に裏切られた経験から不確かな未来を否定し、美しかった過去にすがりつく」をやっていたが、あくまでグレイトフルシンフォニアの中の出来事なので、今回とは少しケースが違う(そもそも欽太郎は『現実の無情さを世界中の人に見せつける事で、未来を夢見ることの無意味さを心に刻みこむ』が目的。それは主観的な時間停止であって客観的には時は刻まれている)。この辺りが明かされた時こそはぐプリの真価が問われると思うのだが……。

アイカツフレンズ!。リフレクトムーンに敗北し、ピュアパレットを一時休止した後からは珠玉の百合エピソードが続いているわけだが、百合要素を一旦置いておくとしてもやはりよく出来ている。例えば友希あいねのエピソードでは「『湊みおはトップアイドルだから、アイドル一年生である今の自分が及ばなくても仕方がない』と無意識に思い込んでいた」ということが展開されるし、湊みおは湊みおでラブミーティアからある種の思考の盲点を指摘され、ある意味最初の部分から叩き直される。こうした二人のエピソードを踏まえて行われたピュアパレットの再結成は「二人が対決することでより深く相手を知り、別れてからもピュアパレットとして頂点を目指すことを意識していたことを実感し、再結成する」という話になっていて素晴らしかった。いつもの鐘が完全にウェディングベルのように思えてくる。ここまでの『アイカツフレンズ!』の集大成的なエピソードではなかっただろうか。
その後のベストフレンズカップ前後編も良かった。
「ダイヤモンドフレンズカップに出場できる席はあと一つ。それを手にするのはハニーキャットかピュアパレットか」という話になっていたが、両ユニットとも平等に描いた上で実力面ではハニーキャットが上回り、ピュアパレットは「もっと見ていたい」という可能性を示唆することで出場を決める。「ここでどちらかが敗北する」は納得できなかっただろう。双方のドラマを平等に描き、実力面での優劣をつけた上でルールによって負けた方を救済するのは理屈も通っていて、感情でも納得できる。素晴らしい。

キラッとプリ☆チャン。このシリーズはやはり終盤に入ってから盛り上がるシリーズで、傾向として3クール目は全体的に箸休め的なエピソードが多いのだが、「クールなキャラクターで売っているが、実は可愛いものが好き」という緑川さらの主役回は「可愛いものが好きだとバレる」ではなく「クールなキャラクターを守り続けようと努力した事で、可愛いものと組み合わせがファンから支持される」というエピソードになっていて「こういうエピソード、本当に作品性が出るなー!」と感動した。別に素の自分を出すことで認められるエピソードでもよかったと思うが、「クールなキャラクターを守りたい」という意思は尊重されるべきであろう。そんなクールなキャラクターを努力して貫くことで「可愛いものが好き」と両立するのは脚本として上手すぎる。さすがは福田裕子である。
その他としてはやはりトッププリチャンアイドルである白鳥アンジュ……。存在そのものは早期に明かされていて、ようやく物語に参加しだしたが、その目的が「輝くものを見つけること」というのはグッとくる。トッププリチャンアイドルが未だに輝くものを求め続けるのは求道者的なものなのか、それとも「俺より強いやつと戦いたい」なのか。次に登場した時にその辺りは明かされると思うが、『プリティーリズム・オーロラドリーム』の春音あいらをモデルにしたデザイナーの七星あいらもアンジュの目的に絡んでいると思われるだけに、終盤の盛り上がりには否が応でも期待してしまう。
ところで31話は秋田書店のファンは見て損はないので見て欲しい。プリチャンの漫画を担当する永辻ひつじ先生をモデルにした「永辻まとん」とひょんなことから知り合った主人公達は……という導入なのだが、まとん先生の担当編集はブラックジャックのビジュアルをした「神戸」を始め、完全にチャンピオン読者にしか分からないネタを突っ込んでいる。
カオス極まりないエピソードなので、こちらもぜひ。何気に緒方恵美出演作品になってしまいましたね、プリチャン……(シンカリオンからの流れかな)。

何となく書き出したら思った以上に長くなった。
現時点での三作品はそんな感じで見ているのだが、何気に『ヒミツのここたま』も面白いし、『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』も面白いので困ったものだ。時間が吸い取られていく。日曜朝は気がついたら本当に昼を回っている。『プリティーリズム・レインボーライブ』の頃を思い出し、ドアサじゃないけど実質ドアサ!という気持ちになる。最高。
そんなわけで冬コミはアイカツ!とプリパラの本です。最初は再録多めにするつもりだったのに、書いた本数的には書下しもかなり多めなのでよろしくお願いします。

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