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『ゴッド・オブ・ウォー』新シリーズに期待をもたせる神のゲームだった

昨年末からプレイしていた『ゴッド・オブ・ウォー』を無事に終えた。
冬コミや年末年始に片付けていた仕事などもあって正確なプレイ時間は覚えていないが、『レッドデッドオンライン』のβテストが始まったのはいいがゲームサイドの都合でろくにプレイできない状況にうんざりして起動したことは覚えているので、プレイ開始から一ヶ月ほどプレイしていた事になるのだろう。合間に休憩をはさみながらとはいえ、約一ヶ月も付き合うこととなったクレイトスとその息子アトレウスの旅であるが、結論から言えばやはり素晴らしいものだった。
「私の遺灰は世界で一番高い山の上から撒いてほしい」という亡き妻フェイの遺言に従い、クレイトスとアトレウスは神々の追手を退けながら世界一高い山を目指すことになる……という導入から始まった物語は「世界一高い山の上で亡き妻の遺灰を撒く」ことで幕を下ろす。メインストーリーはほぼそれだけであり、奇を衒った要素も大どんでん返しもない。最終盤においてある要素が明かされるため北欧神話をよく知らない人であれば驚く要素かもしれない。だが逆に言えば北欧神話を知っていれば何となく読めることであり、それそのものは「大きな驚きがある」とは言えないだろう。
ただそれでも本作の物語が素晴らしいものだと言い切るのは、この物語がクレイトスとアトレウスという二人が旅の中で一つの家族になっていくからだ。
物語が始まった当初のクレイトスは実の息子であるアトレウスとの距離感を上手く掴めていないし、口数も少なく必要以上の言葉を紡ごうとしない。
息子に対しても上から目線で押さえつけるような物言いをするため、本当はアトレウスのことを第一に考えているにも関わらずアトレウスの反発を招いてしまう。アトレウスはアトレウスで普段は家にいないにも関わらず、母親が死んだら父親のように振る舞うクレイトスに対してあまり良い印象を抱いておらず、そんなクレイトスに上から目線で押さえつけられるような物言いをされて不快感を示すのだが、そんな二人が旅をしていく中で一人では絶対に超えられなかった困難を乗り越え、また自分と共に戦ってくれる者の存在に励まされていく中で親子になっていく。ベタでこそあるものの、カットが切れること無く進行するゲームそのものの設計のおかげで感情の流れも一繋ぎになっているため、とても心地よいものであった。
そしてその親子関係がある程度出来上がった後に立ち上がってくるのが「神々の物語」なのも良い。
『ゴッド・オブ・ウォー』の前三部作はギリシャ神話の神々に運命を弄ばれたクレイトスが神々に復讐する物語だ。軍神アレスに騙され、ゼウスやアテナに謀られて神となったクレイトスは長き戦いの果に神を殺す。本作はそんな前三部作の延長線にある物語なので、クレイトスの神に対する不信感は強い。そのためクレイトスもアトレウスには「アトレウス自身も神である」という事実を教えることはなかったのだが、原因不明の高熱にかかった一件を経てクレイトスはアトレウスに「神とはなにか」を教える立場となって導いていく。この親子関係と神としての先輩/後という二つの関係性が合わさる事で、『ゴッド・オブ・ウォー』らしい神話的ダイナミズムを帯びさせることに成功しており、前三部作のストーリー部分の面白さと今作の面白さを共存させられていたように思う。相変わらず神は人間に対して厳しいのが最高であった。

ただゲームシステムについては「もうちょっと練り込みがほしい」というのが率直な感想である。
特に謎解きについては全体的に『ゴッド・オブ・ウォー』としては練り込みが足りなくて単純であった。武器二つと二種類の矢しか存在しないのであまりがっつり盛り込むことが出来なかったのだと思うのだが、仕掛けのパターンが少ないため物足りなさがある。また巨大な敵がドラゴンぐらいしか存在しないのも寂しく思う。前三部作では一作品につき数体巨大なボスというのがいて、そうした巨大なボスの存在がクレイトスの超人性と「神話の中の世界」という雰囲気を作っていたのだが、今作はそういうのがいないので全体的に寂しい。巨人ともうちょっと戦ってみたかった。

総じて「新シリーズの立ち上げとしては申し分ない出来」で「期待を込めて☆5つ」みたいな作品ではあるのだが、「クレイトス」という戦士とまた再び冒険ができるのかと思うとシリーズのファンとしては嬉しく思う。今回の舞台は北欧神話の世界であるが、今後も旅をしていくのであれば死の女神ヘルやスルトとも出会えるのだろうか。ともあれまずはあの続きからどう繋がっていくのか見てみたいので、本作については「アトレウスのような期待を持てる作品」ということにしておく。次作では神(ゲーム)としての力を発揮して、成長した姿を見せてほしい。


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