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『劇場版プリパラ み~んなでかがやけ!キラリン スターライブ!』全ルート公開に寄せて

3月18日に最後のルートが上映開始され、『劇場版プリパラ み~んなでかがやけ!キラリン スターライブ!』が一巡目を終えた。
前シリーズとなる『プリティーリズム』の劇場版で行ったものが大好評だったことがきっかけとなり、『プリパラ』へとシリーズが移行してからも続けられてきた「毎週少しだけ内容が変わる」というルート分岐のギミックも今作で三作目ということで、応援上映会共々すっかり定番に。
一作目ではプリティーリズムシリーズの総集編も兼ねた「プリズムショー見学ツアー」だったものも、二作目からは「らぁら達がプリパリを目指していた頃、他のアイドル達は何をしていたのか」と他のアイドル達にスポットライトをあてた新作映像に代わり、徐々にパワーアップ。三作目となる今作は舞台が「プリパラ内の宇宙」というSF濃度が高い場所という事もあり、「あり得たかもしれない可能性を覗く」という、SF的外連味の強い体裁でのライブとなっているが、どのルートも圧倒的な迫力のライブばかり。反面、物語要素はいつもよりも少し短めになっているが、どの道のりを辿ったとしても決して変わらない想いは『プリパラ』という作品の魅力を引き出してくれている。これもまた「『プリパラ』の一つの集大成」と言えるのではないだろうか。
そんな『劇場版プリパラ』の全てのルートを早いうちに見ることが出来たので、以下にルートごとについての感想を含む雑感を書いていきたい。

■ルート1:らぁらルート

第一週となるらぁらルートで描かれたのは「初めてプリパラを訪れたらぁらがみれぃではなく、もしなおと出会っていたら」だ。
描写上は「本編においてみれぃが果たしていた役割をなおがやったら」で、特に変わった事はなく進行し、らぁらはなおと一緒にアイドルデビューを果たす。
描かれるライブパートも第一話のアレンジであり、みれぃをなおに置き換え、コーデを一話の色替えているだけで「一話の変奏曲」と言った趣きを強く感じるが、「らぁらは誰と出会ってもアイドルとしてデビューする」からこそ強調される「そのきっかけを作ってくれた人物との友情」は実に美しい。プリパラレルワールド中ではらぁらとなおの友情を感じさせるが、本編ではらぁらとみれぃ、もしかしたらそふぃがらぁらをアイドルデビューに誘っていたかもしれないし、シオンやドロシー、レオナだった可能性もある。
ともあれ「どういう形であってもらぁらがデビューする事実は揺るがない」という形で「プリパラアイドル・らぁら」を肯定しつつ、「始まりのきっかけを作ってくれた人」との絆を大切に描いてきたこのルート1は最初に持ってくるにしては強力すぎて、何度見ても涙を流す。
SFとしては「並行世界SF」らしいもので、今回の構造的に一番綺麗だったように思う。そういや『インターステラー』っぽいですね、これ。

■ルート2:ひびきルート

昨年に続いて単独ルートを与えられたひびきのルートだが、ほぼ全編に渡って『キャプテンハーロック』のパロディと言って差し支えない。「宇宙海賊となったひびきとふわり、そしてファルルが一緒にライブをする」以上のものは何もないのだが、その分ライブの魅力に特化。ミュージカルのような楽曲に合わせ、映像そのものも変化していく。空間を活かしたカメラワークも多いし、砲撃戦もあり。メイキングドラマではまるで映画のクライマックスシーンのような派手なアクションもありと派手ではあるのだが、「画面が大きな映画館でしか見れないもの」として見るのならおそらく一番満足度の高いリッチな映像である。ライブの最中に片付けられる宇宙人達は可哀想だが、ひびき様なので致し方なし。それにしても船長だからせんちゃんは凄いあだ名である。いつものことだけど。
しかし別の世界観になったからこそ再定義されて描かれる三人の関係性は見ていて面白い。誰よりもリーダーシップを発揮しているのに、ひびき様はいじられ役……。でもふわりが生き生きとしているからいいか。

■ルート3:みれぃルート

最後のみれぃルートはまさかの「南みれぃ三人ライブ」。ファンからずっと望まれていたアイドル検事みれぃとアイドル弁護士みれぃ、そしていつものみれぃの三人でのライブであるが、「アイドルと恋愛の間で揺れ動く乙女心」を裁判に見立てて演出していく流れはポップでコミカルで実に楽しい。みれぃを演じる芹澤優が三人を巧みに演じ分けて歌っているのも最高で、みれぃファンにとってはたまらないライブだろう。
個人的にはドラマとライブパートのつながりがどのルートよりも強い点が本当に好きだった。アイドル弁護士もアイドル検事もノーマルのみれぃも可愛いので雨宮発狂物である。
みーんな大好きみ・れ・ぃ!

個人的な好みもあってひびきルートが一番面白かったが、不覚にも涙してしまったのはらぁらルートだった。というからぁらルートはこれまで見てきた人間にとっては本当に凄い破壊力を誇る映像なので、プリパラファンは必見である。プリパラを見ていない人はひびきルートだけでも見てほしい。東映パロディの多い今作の中でも特に東映色が強いので、統一感が取れて面白いと思う。
何にしても既に全ルート合わせて八回ぐらいみているので、あと二回ぐらい頑張って見に行きたい。

『Fate/Grand Order』は限られた手札の中で勝負するゲームだ

第一部の完結とともにもたらされた『Fate/Grand Order』の2017年は「えげつない」の一言に尽きる。
2017年に突入すると同時に1.5部のキービジュアルにも描かれた宮本武蔵が実装され、それから10日ほど後にはキングハサンこと山の翁が実装された。巌窟王がイベントと共に、ダ・ヴィンチちゃんが800万DL記念で復刻され、バレンタインには「エイプリルフール恒例の悪ノリの産物だった謎のヒロインXのオルタ版」という与太話に与太話を重ねたような存在「謎のヒロインX(オルタ)」が登場した。それから酷いニコ生放送の後に配信開始された新宿編からはナビゲーターである新宿のアーチャーとヴィラン達が実装。ホワイトデー記念ガチャと称して『Fate/Prototype』における聖剣エクスカリバーの担い手である「アーサー・ペンドラゴン」が並行世界からのストレンジャー設定で召喚可能となり、現在はそのプロトセイバーと2015年のイベント「ぐだぐだ本能寺」の復刻に伴って復刻された沖田総司が引ける状態である。
書き出してて思うが、全く持って心休まる隙がない。また財布の疲弊度も半端ではない。人間の財布も心の体力も有限ではあるが、そのキャラクターに惚れ込んだのは自分であるし、そのように性癖を育てたのは自分である。突然の性癖クリティカルヒットを食らった以上、選択肢はないに等しい。やれることは血を吐きながら回すだけである。(いつ来るか分からない復刻を)待つな。しかしもかかしもなく等しく絶望せよ――である。

以上の事からも分かる通り、『Fate/Grand Order』は常に限られた手札の中で勝負をし続けるゲームである。
手札とはクレジットカードやitunesカードやGoogle Playギフトカードのことであり、サーヴァントや礼装のことであり、プレイ中に最も目にする「バスター/クイック/アーツ」の三色のカードのことである。このゲームはユーザーごとに性能の異なるこれらのカードを選択しながら、強敵や己の強欲さ加減と勝てると確信できる傲慢さと戦っていくゲームなのである。
ガチャの更新に伴う新規サーヴァントや新規礼装の登場、新たなイベントの開始、毎ラウンドごとに配られる手札と言った要素の全てをユーザーが完全に掌握することはできない。ガチャの確率を操作することはできないし、「次に何が起きるのか」という情報を早めに入手出来ることも一切できない。未来をある程度知ってるのは運営だけで、ユーザーはいつ何が起きるか予期する方法は皆無である。
『Fate/Grand Order』における負けられない勝負はいつだって突然やってくる。
「準備不足」だとか「今月はカード決済に回した額が」などと言ったこちらの事情とは関係なく、勝負の始まりは突然やってきて、情けの介入する余地のない戦いを強いてくる。
手札がどうだとか言い訳する時間はない。時間が終わればその瞬間、勝者と敗者の差は明確に現れるのだ。限りある時間は準備不足を嘆くよりも、配られた手札だけでどうやって自分にとっての勝利を手繰り寄せられるのか考える方がずっといい。イベントなら尚更そうである。必要な時に必要なカードを出し続けられる奴が一番強いのは言うまでもないが、そこにどうやって近づけられるかを考えた方がずっといい。超上級者向けイベントに挑む場合は特にそうだ。

そのために重要なのは日頃から「何が起こってもいいように準備をしておく」ということだろう。
どうしても欲しいキャラが出てきた時のために貯蓄しておく。この能力が必要になる状況が『ないことはない』と分かっているのならとりあえず引いておく。いつか引いた時のためにイベントを周回して素材は全部回収しておく。引いた時の種火も確保し、スキルレベルを上げるためにQPも潤沢に用意しておく。
ここまでやっても出ない時は出ないし、育てようと思った時には種火がなかったり素材が足りなかったりするがそれはそれである。何もしないで勝負に負けて嘆くよりも、「いつか」を想定して今を全力で立ち回って負けた方がマシである。なお全力を尽くして負けた時は当然死ぬほど悔しい。そこそこの貯蓄も込みで山の翁280連に挑戦したけど出なかったマンとして言える事は「悲しみは時間が癒やしてくれる」ぐらいである。ログインだけ忘れずに、時間が癒やしてくれるのを待とう。時間が経てば回す気が起きてくるだろう。まあ闇だが。どう考えても。

最後に真面目に述べておくと、本ゲームの根底には「限られた手札で勝負するもの」という思想があることだけは間違いない。
というのも、このゲームにおいて手札を操作する方法はなく、タスクキルによる再起動をしたとしても手札は入れ替わらない。キャラクターの組み合わせでアーツチェインやバスターチェインを発生しやすくするぐらいのことは出来るが、手札そのものを操作することはできず、常に「ランダムに配られた五枚という少ないカードでどう戦うか」という選択を迫られる。手札とは別に用意された宝具も常に使えるわけではない以上、「いつでも使えるカードが場にある」程度でしかないのだ。
だからこのゲームには毎ターンごとに「どれが最適解か」を考える面白さがあり、キャラクターの組み合わせを模索する熱さがある。様々な組み合わせを試した末に「強い敵を倒せた時の喜び」は本作をプレイしていて最も感動する展開の一つだし、弱いと思っていたキャラが組み合わせで思わぬ強さを発揮した時は「引いてよかった」と召喚できたことの喜びを噛みしめられる。
だから強い組み合わせを模索するための選択肢を増やすためにガチャを回したくなったりもする。見事なまでに術中にハマっている気がするが、正直こういうのは性格上好きなのでどうしようもない。一年半ほどプレイしてこれたのもそんな選択肢の面白さがあったからこそである(その面白さを得るためにはそれなりの数のサーヴァントや礼装と言った資産も必要になるがそれはそれ)。
一言で言えば「様々な動きをする駒が無数に存在する詰将棋」である『Fate/Grand Order』。早めに始めれば始めるほど選択肢は広がるので最近始めた人達には頑張って欲しい。


『スーパーロボット大戦V』と宇宙戦艦ヤマト2199とクロスオーバーと

スパロボの新作に触れる時に個人的に楽しみにしている事の一つに、「異なる作品をどうクロスオーバーさせるか」というのがある。
スパロボは本来なら独立した世界を持つ作品をあえて一つの世界に存在するものとして扱う。『機神咆吼デモンベイン』と『ヒーローマン』が同じアメリカで共闘したり、『機動戦士ガンダム00』が『マクロスF』と共に登場したりする。しかし当たり前の話ではあるが、それぞれの作品は独立していて、その作品の中で解決するように設定や世界観が組まれている以上、複数の作品で設定の食い違いが発生する。同じガンダムシリーズ同士でも兵器としての系統の違いが発生したりもする。
しかしスパロボはそこを上手く解決してきた。設定の解釈を変えたり、別の作品を絡ませることで上手く緩衝したりと様々な方法で!
その設定の食い違いを解決し、異なる作品同士を上手く混ぜ合わせるアイデア。それが自分にとっての「スパロボの良さ」なのだ。まあ「寝言を聞いている」という事なのだが。

前置きが長くなったが、今日スパロボ最新作である『スーパーロボット大戦V』の一週目を終えた。据置機で版権スパロボをやるのは2015年の『第三次Z天獄篇』以来だが、とても良くできたスパロボだった。
システム周りは『第三次Z』シリーズを踏襲したものだが、全体的にブラッシュアップされてやりやすくなっている。パイロット育成は一人一人が個別に獲得するポイントを消費して育成するパイロットポイントが廃止。代わりに部隊内の共通ポイントを消費して育成するスキルプログラムに置き換えられており、後半に加入するキャラクターでも置いておかれること無く強くする事が可能になった。改造ボーナスが全体的に強力になっていることもあり、「自分の好きなキャラクターをとことん強くできる」という方向で調整しているように思うが、この調整はスパロボでずっと望んでいた事なので凄く嬉しかった。
初参戦組にして自分が一番楽しみにしていた『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の主人公・アンジュに至っては加入した直後に全てのリソースを吐き出し、最終的に「全ての能力が限界まで上げられ、スキルも全て獲得している」という状態にしたが悔いは無かった。ここまでやった結果、ラスボスですら完全回避可能なアンジュにはドン引きしたが、これまではそれが出来るスパロボではなかったので今回の「どこまでも強く出来る」と言う仕様は本当に楽しかった。ありがとうスパロボ。二週目はヒルダも育てるよ。

で、肝心のシナリオについてだが、これまでのスパロボではあまり見かけないようなタイプのシナリオだったように思う。
これまでのスパロボは何だかんだでオリジナルキャラクター達が物語の主軸に据えられていたように思うのだが、今回のスパロボの主軸になるのはオリジナルキャラクター達ではなく、『宇宙戦艦ヤマト2199』だ。主人公達が暮らす地球はヤマト2199の地球で、ひょんなことからオリジナル機体のヴァングレイと共にヤマトに乗り込み、イスカンダルを目指す道中で並行世界へ渡り、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「並行世界」というネタそのものはZシリーズでもやったことではあるが、今回は「並行世界への移動」が一つの軸になっているため、同じネタでも全く異なった印象である。作中にはある分岐点により変化し異なる経路を辿った三つの地球が登場し、様々な技術を集めてボソンジャンプで移動していく本作の根幹にあるギミックは『ナデシコ』が参戦している今作だからこそ出来ることだろう。
『クロスアンジュ』が参戦していることや『マイトガイン』の存在もあり、その辺りは上手く溶け合わさっており、「Zガンダムとクロスボーンガンダムは技術水準が相当違うのに一緒に戦えるのはなぜ?」という疑問にも「それぞれの出身世界が違う」という形で答えているなど疑問点を上手く解消している。まあ「エンブリヲに反旗を翻した者達がコーディネーターを作った」だの「ヴィルキスを模してフリーダムガンダムは作られた」だの「ドラグニウムはゲッター線」だのといった寝言の域を超えすぎた寝言が出てくるが、それはそれである。
中盤まではそんな感じで「いつものスパロボ!」という雰囲気で進むのだが、終盤に差し掛かってくると事情が変わり、ヤマトのシナリオに戻って「イスカンダルを目指す」と言う話になるのはとても面白い展開だった。一見すると唐突に見えるのだが、最終的には納得がいく理屈付けがされているし、ラスボスを務めるあの存在を考えるととてもよく練られた話運びだったように思う。
ラスボスも完全否定されるわけではなく、むしろきちんと筋道を立てて説き伏せる形になっているのも良い。人と人との繋がりが本来(つまり原作通り)なら悲劇的な展開になるはずの運命を変え、全く異なる未来につながっているわけで、ラスボスを納得させるものとしてその結論は見事なものだろう。エピローグでは『ナデシコ』は事実上のハッピーエンドを迎えるし、マジンガーもいい結末だったしいいんじゃないだろうか。加えて「シャアの亡霊に取り憑かれていないフル・フロンタルがコロニー側の大統領になる」といったあり得ない展開もあったのもよい。ペーネロペーとネオジオングが味方勢力として使えるスパロボとかおそらく今作ぐらいだと思う。最終盤だけだが、フル改造して運用したが強かった。さすがだネオジオング。ハサウェイは座ってろ。
ただその『クロスアンジュ』周りは全体的には優遇されており、丸くなったとはいえほぼ忠実に再ゲインされているにも関わらず、要所で「クロスオーバー作品なので、他作品も絡ませよう」と頑張った結果、残念なシーンになってるところがあるのは残念であった。アンジュが覚醒する三話の「死にたい→死にたくない→お前が死ね!」の三段活用覚醒は流されるままだったアンジュが一人の戦士として覚醒するシーンなので、他キャラを噛ませないほうが良かったように思う。あそこだけは残念だった。ただエンブリヲが女性陣から罵られる下りは最高だった。「生理的に無理」なアレもちゃんとあった。おまけにボイス付きだ。最高。

久しぶりの大型シリーズではない、単発作品となった『スーパーロボット大戦V』だが、「好きなキャラをどこまでも強く出来る」という点や、実験的なクロスオーバーもあって、色々と凄い作品に仕上がっている。主人公が若干影が薄いものの、女主人公でやれば姉妹百合展開もあるので、百合好きにもおすすめだ。力・パワー・ストロングが揃った主人公と姉妹百合への想いだけでも十分最後までやることが出来るんじゃないだろうか。ありがとうスパロボ。
ところでグレートマジンガーのテコ入れとして参戦したマジンエンペラーGもそうですが、今作の剣鉄也は『真マジンガー』の方なのでほぼオリジナルです。一応マジンガーZ側は原作のテイストを組み込み、色々工夫しているというのにアイツだけ出典元は明らかなのに自由人すぎる。なんなんだ。





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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

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