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『アイドルタイム・プリパラ』夢を追うものと夢を叶える場所について

『アイドルタイム・プリパラ』になってからというもの、『プリパラ』は前作までの面白さを残しつつも、今までとは異なる面白さを展開し続けている。
例えば『アイドルタイム・プリパラ』には「師弟物」としての面白さがそうだ。『プリパラ』には「憧れの存在」や「ライバル」はいても「師匠」と呼べる存在はいなかったのだが、『アイドルタイム・プリパラ』では夢川ゆいにはそらみスマイル、虹色にのにはドレッシングパフェ、幸多みちるにはガァルマゲドンという三つの師弟関係が存在しており、3人組+1人のそれぞれの関係性が前作との違いを明確にし、またそれぞれのキャラクターの魅力を際立たせている。
同年代という事もあり友達関係と師弟関係が重ね合わせられている夢川ゆい、シオン第一主義ながらもドロシーやレオナの事は心の底では信頼している虹色にの、あろま達のおかげで薄幸体質にブレイクスルーを果たし、プリパラ内ではスーパーポジティブキャラとなった幸多みちる。三者三様の師弟関係は『アイドルタイム・プリパラ』が『プリパラ』と地続きの作品だからこその味わいであり、本作の魅力と言い切ってもよいものだが、作品そのものが向かう先も『アイドルタイム・プリパラ』は『プリパラ』とは全く異なったものになっている。

『プリパラ』の舞台となっていたパラ宿は「プリパラ」という場所が「チケットが届いた子なら誰でも行くことが出来て、自分の夢を叶えられる場所」として認知されていた。だからこそ『プリパラ』では様々な夢を持った女の子達がプリパラへ訪れて自分の夢を叶えたり、友達と一緒に夢を叶えるために切磋琢磨し、一つの出来事をやり通すことで友情を育んでいく姿を描くことが出来た。
それに対して『アイドルタイム・プリパラ』の舞台となるパパラ宿はというと、「プリパラ」という場所はようやくできたばかりで、女の子達は「プリパラというのは男子プリパラ(=ダンプリ)のことで、彼らの夢を応援するのが普通」という価値観が支配的になっており、女の子でありながら自分の「プリパラでアイドルになりたい」という夢を追いかけ続けている夢川ゆいは夢想家扱いを受けていた。「夢を叶える事」はおろか「夢を見る事」そのものがどこかおかしなこととして扱われていたパパラ宿。そんなパパラ宿にオープンしたプリパラは女の子達が夢を叶えるための楽園として受け入れられるかというと、そう簡単にはいかない。
なぜならパパラ宿の女の子達は「夢を叶える」ということそのものを封印されていたも同然の身の上であり、その夢は叶えてもいいものだということに気づかなければならなかったからである。
そこで登場するのが「夢を追う者」夢川ゆいと「夢を叶えてしまったもの」真中らぁら。
らぁらは夢を叶えたものとして「プリパラではどんな夢でも叶う」という言葉に説得力を与え、ゆいは夢を追うものとして少女達と同じ立場で手を取って先導する。どちらか片方だけでもダメで、双方が揃うことで名もなき少女達が「プリパラ」という場所を自分達の夢が叶う場所として受け入れていく――。この図式はW主人公を謳う作品としてとても美しい収まり方と言えるだろう。
また「夢を持つ者」を応援する一方で、「夢を持たないもの」「夢を忘れてしまったもの」といった題材を扱い、大切に描いているのも『アイドルタイム・プリパラ』の良いところだ。
虹色にのは夢を持たないし、地獄ミミ子は心無い友達の言葉で夢を忘れてしまっていた。
そんな二人がゆいやらぁらに触発されて「自分の夢を見つけること」を目的にしたり、「自分の忘れてしまっていた夢を取り戻す」と行動したりと「誰もが夢を持っている」とせず、また夢を持っているからこそ嫉妬され、辛く当たられることもあるとする辺りがプリティーリズムから続く物語として魅力的だ。
しかしながらパパラ宿のプリパラはどうも未だに「夢を叶える場所」としての地位を確立できていないらしい。「友達と一緒に何かをする場所」としては成立しているものの、「貴方も夢を叶えられる」と打ち出すところにまでは至っていないようだ。となれば、ここを埋めるのがアイドル達のお仕事なのだろう。アイドルは夢を叶えたもの。夢を叶え続けるもの。アイドル達がステージの上で自分達の夢を叶え続ける事で、パパラ宿のプリパラはもっともっと盛り上がっていくのではないだろうか。
何にせよ、物語はまだ半ばを迎えたところであり、パパラ宿発のアイドルユニットも登場していない。パパラ宿発のアイドルユニットが誕生し、プリパラが「夢の叶う場所」としてパパラ宿での認知度を上げた時、真の意味でプリパラが完成する。そういう日を楽しみにしながら『アイドルタイム・プリパラ』を見ていたら上葉みあをモデルにした華園みあがそろそろ出てきそうで困惑している。
シオンやひびきの師匠枠に収まるとしたら一番面白いのはみあなのだが、しかし……。

『Fate/Grand Order』星4サーヴァントのプレゼントキャンペーンについて

本日『Fate/Grand Order』が1000万ダウンロードを突破した事が発表された。その発表と同時に1000万ダウンロードキャンペーンの一環として任意の星4サーヴァントを一人獲得できるキャンペーンの開催も告知され、三千世界のマスター達に衝撃が走った。なぜならマスター達にとって、この運営が排出率3%ほどの星4サーヴァントであったとしても無料でプレゼントすることなどあり得ない出来事だったからだ。
確かに過去には星4サーヴァントを配布した実績がある。300万ダウンロード突破キャンペーンの英雄王プレゼントの事だ。
しかしあれは遠い遠い過去の出来事。おまけに英雄王はネロちゃまとアルトリアオルタを選択肢には加えてはくれなかった。「我もつらい。とてもつらい」と共感しているような素振りを見せてはいたが、各章クリア後にストーリーガチャにしか追加されないサーヴァントについて運営は闇鍋にも等しいストーリーガチャの中から引くことを強要した。イベントに頻繁に登場したり、円卓の騎士ならいざ知らず、ストーリーガチャから星4の特定のサーヴァントを引くことなど期間限定星5を引くよりも難しいにも関わらずだ!なんたる圧政か!まあそうはいっても結局は回すしかないので回し続けてたら二年が経過し、今年の八月だけであるが福袋→ホームズ→水着→水着2→メイヴ&三蔵→プリヤコラボ復刻と鮮やかなパスを繋ぎ続けた結果、世界一の売上を叩き出し、1000万ダウンロードという大台に突入し、再び「星4サーヴァントプレゼント」という聖杯ですら叶えられない奇跡を見ることが出来た。控えめに言って黄金率(邪悪)と言ってもいいような気がするが、何はともあれ喜ばしい限りである。ありがとう、『Fate/Grand Order』。現在開催中のネロ祭2017エキシビジョンフィナーレがぬる過ぎた事は見なかったことにするよ。

さて。星4サーヴァントを一人プレゼントだと言われても、自分のような「ランサーアルトリアオルタ一択(それ以外で必要なのは全部引いてる)」という人間は少ないだろうからまず最初に書いておこう。選ぶべきは「自分の好きなサーヴァント」だ。しかし「好き」という感情は漠然としすぎていてイメージしにくいためなかなか自覚できない。なので自分はこう言い換えるべきだと考える。
「君が一番バレンタインイベントでチョコレートを貰いたいキャラクターは誰だ?」。
全サーヴァントから愛情のこもったバレンタインチョコ(あるいはアイテム)をショートストーリー付きでもらうことが出来る『Fate/Grand Order』だからこその考えである。したがってこのキャンペーンも「星4サーヴァントプレゼントキャンペーン」などという無粋な言い方をするのではなく、こう言い換えるべきだろう。「貴方がチョコをプレゼントしたい/されたいサーヴァントに会おう!キャンペーン」だと。
貴方にも引き損ねた星4サーヴァントぐらい一人はいることだろう。「恒常だから」「すり抜けで引くから」と理由をつけて「引けなかった」という現実に目を背けてきた事も一度や二度ではなかったはずだ。
しかし「次の復刻を待つ」という自分に言い聞かせる日は終演の時を迎えた。このキャンペーンが始まれば少なくとも貴方は以前までは泣いた事でも泣かなくても済む。なぜなら貴方の涙をぬぐうために召喚に応じてくれる日がようやく来たのだから!
さあ好きなサーヴァントを選ぼう。これからのマスターとしての活動を少しでも光あるものに変えるために。そしてバレンタインの日にチョコをもらうために。貴方はその権利を得たのだ。最強の触媒は今手中にあるのである。

そのうえであえて性能の話をするのであれば、そのクラスで「強い」とされているものを選ぶのがよいだろう。セイバーだったらランスロット、ラーマ、鈴鹿御前辺りを選べばいいし、アーチャーならトリスタンやエミヤだ。ランサーならヴラド三世やアルトリアオルタだろうし、ライダーは弱体解除要員としてマルタや周回効率を考えてアストルフォなども視野に入る。キャスターはもちろんギルガメッシュやエレナだろうし、バーサーカーならヘラクレスや茨木童子になる。アサシンやアヴェンジャーはちと難しいのでお好みになるが、高難易度を攻略している際に自分のパーティーの弱さに気づいたのなら基本的にはそこを埋められるものを選べばまず間違いはない。
ただし上述したように基本的には「好み優先」だ。マイルームを覗いた時の事を想像してほしい。
その時に性能だけを目当てに選んだものと自分の好みが少しでも入っているものとでは印象が大きく変わるはずだ。
そして好みのものがいないのなら、もしくは自分の愛するものが既にいるのならば宝具を重ねてもよいだろう。きっと強くなれるはずだ。

まだ時間はある。
様々な意見に耳を傾けながら、冷静に自分で決断を下してほしい。

『劇場版魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』について

佐島勤の『魔法科高校の劣等生』は小説投稿サイト「小説家になろう」で発表され、現在は電撃文庫に舞台を移し展開が続けられているSF作品である。
2014年4月から9月にかけて小野学監督によってTVアニメが制作され、その出来に関しては賛否を含め様々な意見があるもののアニメ化をきっかけに知名度を上げる事に成功。現在23巻まで刊行されている人気シリーズである
本作『劇場版魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』は、そんな『魔法科高校の劣等生』の初の劇場版アニメとなる作品で、来訪者編直後の2096年3月下旬から4月初旬頃を舞台に、映画らしいスケールの大きな物語が展開される。
「原作者自らが書き下ろした」ということもあり、物語そのものは『魔法科高校の劣等生』の原作の面白さをアニメ以上に色濃く残している。例えば複数の勢力の思惑が入り交じりながら繰り広げられる諜報ドラマ的なテイストもあれば、魔法が技術として確立された世界だからこその派手なアクションもある。監督が経験の浅い吉田りさこということもあり一部至らないところがあるものの、アニメシリーズでは殆ど見られなかった司波深雪の美少女描写が存在する事や、アニメでは登場していないアンジェリーナが何の説明もなく登場することなど、どちらかといえばアニメしか見ていないユーザーよりも原作も読んでいるファンに向けて制作されており、大筋においてはファンとしては面白い作品であった。大筋としては、だが。
なぜ「大筋においては」と前置きをしたかというと、本作の最後に持ってきたある台詞が特にWEB小説時代から追いかけてきたユーザーにとっては絶対に許せない「さすがお兄様です」だったからだ。
確かに「さすがお兄様です」は電撃文庫の編集部が喜んで宣伝に使っていることでもあるし、「さすおに」だのなんだのと揶揄も含みながらユーザーの間では一つのコードとして共有され、「共通意識のもとでの面白がり」として使われているものではある。しかし原作では似たような台詞こそあるもののそんな台詞はなく、また多用されているわけでもなく、ましてや決め台詞でも何でもないそれをユーザーと編集部を繋ぐ共通コードとして電撃文庫編集部側が面白がって運用していることについては、WEB小説時代のファンからとしてはもはや吐き気を催す邪悪以外の何物でもない。おそらく無意識的で、そこに悪意はないのだろう。しかしそれだけに質が悪く、作品のイメージとして定着しているのは甚だ遺憾であると言わざるをえない。得ないのだが、それがこちら側にとっては腹立たしいだけで、知名度の向上と言う観点においては「間違いではない(正しいとも思わない)」ので百歩譲って原作に持ち込まれなければどうでもいいと思ってはいたのだが、今回の「原作者書き下ろし」の作品でよりにもよってそんな「さすおに」に発言を聞くことになるとは夢にも思わなかった……!
しかも思いっきり唐突なツッコミ方で演技もへったくれもないクソみたいな付け加え方! 「この台詞を付け加えよう」と判断した人達はどこまでこちらを愚弄してるのやら。想像したくもない。そもそもその台詞を付け加える暇があるなら、なぜ司波達也が隕石を破壊しただけでオーロラが発生したのかについて理論的な説明台詞を入れたほうが「伝説になる」というキャッチコピーを回収できただろう。そこを削って付け加えたのが「さすおに」というのは、もはや「悪ノリ」にしても悪趣味の領域にある。何を考えていたのだろう。せいぜい「さすおに!」とSNS上で盛り上がってる姿を見たいぐらいか。それも悪趣味な楽しみ方だと思うのだが。あとパンフレットに日笠陽子が「どんな作品?」と早見沙織に聞いたところ、「さすがお兄様な作品です!」と答えたという話が載っていて、早見沙織に対する好感度が著しく下がった事だけは個人的な話ではあるが書いておく。なお日笠陽子はちゃんと原作を読んでくれたみたいなので良い演技をしていた。サンキュー日笠陽子。

ところでなぜこういう話を公開終了後に書いたかというと、いい加減書いておかないと「さすがお兄様!押しはユーザーには全面的に受け入れられている」だと受け止められ、継続されそうだからである。それは屈辱的すぎる。今までも大概その屈辱を味わってきたのに、最初で最後かもしれない劇場版アニメでもその台詞をゴリ押しされて、挙句の果てに「ファンにはウケてました!」と言われてしまうぐらいなら死んだほうがマシだ。
原作者があまりにも大人で、監督も経験は浅いとはいえ必死で『魔法科高校の劣等生』と言う作品を映像にするために頑張っている。にも関わらず余計な一言を付け加えてファンサービスのつもりで喜んでいる人達はせめてもうちょっと真面目に原作を読んで欲しいなぁ、と思いました。

Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

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    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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