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『モンスターハンター:ワールド』メインストーリーについて

『モンスターハンター:ワールド』が発売されたのが1月26日のことなので、まもなく発売から一ヶ月経過するということになる。発売日を迎えて以来、毎日数クエストづつでもプレイするように課してきた自分も、先日どうにかこうにかメインストーリーを終わらせてハンターランクを無事に解放。ようやくモンスターハンターシリーズの本領発揮となるエンドコンテンツに挑む資格を得た。今後イビルジョーを始め、様々なモンスターが追加されていく事やカスタム強化という深淵に挑まなければならない事を考えると、今の自分は果てしなく続く坂道をまだ登り始めたところ、と表現するのが正しいのであろう。実際まだ坂の上に何があるのか見えてこなくて恐怖しか無い。
三月には『プリパラ』が発売され、四月からは女児向けアーケードゲーム界隈が一新されるというのに!あと『ゼノブレイド2』の二週目とかもあるのに!
しかし今回の『モンスターハンター:ワールド』はこのシリーズ特有のストレス要素が大幅に削減されていることや、ほぼ全ての武器に大きく手が入ったこともあってとても面白いのだが、メインストーリーの出来もとても良かったように思う。
今回のプレイヤーは一定周期で古龍が海を渡って新大陸へと向かう「古龍渡り」という現象を解き明かすべく、新大陸へと向かった第五期調査団の一人で、物語は古龍と新大陸へと向かう船が激突するところから始まるのだが、外へと放り出されたプレイヤーはここがどこなのかも全く分からないまま、同じように放り出された受付嬢とともにただ大地を前へ前へと駆け抜けていく。そして翼竜飛び交う脱出地点に辿り着いたプレイヤーは気づくのだ。今まで立っていた場所が古龍ゾラ・マグダラオスの体の上だったということに!
チュートリアルも兼ねたこのホットスタートな展開は否が応でも物語に夢中にさせる。モンスターハンターシリーズをプレイしていると何となく察しがつく展開ではあるものの、ハードスペックが向上したからこそ表現できるものであり、「古龍」という災害級の存在の強大さを強く印象に残す。ゾラ・マグダラオスから脱出した後は武器を持たないまま古代林を隠れながらひっそりと駆け抜け、この大地に暮らすモンスター達の姿を確認していくのだが、拠点目前のタイミングに登場するアンジャナフの姿は「これと戦うことになるのか」と闘志を沸き立たせる。実に良い導入ではないかと思う。
今回の拠点に辿り着いてからはいつものモンスターハンターといった感じになるのだが、アンジャナフを倒してゾラ・マグダラオスの捕獲出来たか!?と思いきやネルギガンテの襲撃。ネルギガンテを倒したと思えばテオ・テスカトルやクシャルダオラと言ったシリーズを代表する古龍達が姿をあらわすなど次から次へと展開されていき、飽きさせることはない。メインストーリーの最後を務めるモンスターは「生物である」ということを大事にするモンスターハンターらしくない部分こそあるものの、「古龍達に海を渡らせる理由」も兼ねている事を考えると悪くはない。古龍を食らう古龍と呼ばれるネルギガンテよりも強大な存在である。その身に宿す絶大な力にも納得がいく。ビームは絶対正義である。
エピローグも良い。メインストーリーをクリアしてもモンスターハンターというゲームはまだまだ続いていく。そのことを考えるとどうやっても新大陸に残るしか無い。そのまとめ方として様々な選択肢があったように思うが、本作はフロンティアスピリッツの要素を感じさせる方向でまとめている。今回の舞台は「新大陸」という海一つ超えた場所なので、このフロンティアスピリッツの方向でまとめたのは素晴らしいと思う。本作は世界展開も視野に入れたタイトルであるので万人に通用するような価値観を持って締めくくるのはそれ自体も綺麗だが、何より「今後は海外でも展開していくし、そうする準備もある」というスタッフの意気込みも感じられるのがよい。
日本国内だけでなく、常に新たなユーザーを開拓していこうとする精神に満ちた本作のメインストーリーを締めくくるものとしてこれ以上無い幕引きだ。

ただ残念な点がないわけではない。少々突飛に感じられるシーンがいくつかあるからだ。
特にオトガロン戦での受付嬢の「おばさま!」はエピソードの一つや二つを読み飛ばしたかのような感覚を覚えた。
エピソード一つだけだとキャラクターの関係性を描くには弱すぎる。せめてもう一本エピソードがあれば自然に感じられたと思うのだが……。勿体無い限りである。追加でエピソードもセットでつくのなら有料DLCでも買う。

メインストーリーは終わって書きたくなったことはそんなところだろうか。
それでは持ち替えたランスの性能を確かめるためにネルギガンテを狩っていきたい。。

『キラッとプリ☆チャン』について自分の言えること

先日、「アイカツシリーズは『アイカツフレンズ!』へと移行するに伴って大きな変化が訪れる。寂しくもあるが、しかしこれはアイカツシリーズにとって新たな始まりなのだ」と書いたところ、知人から「『プリパラ』も『キラッと プリ☆チャン』に移行するけれど、何か思うことはあるか?」と尋ねられた。正直なところ、思わないことがないわけではない。
自分は曲りなりともアイカツシリーズとプリティーシリーズの双方を定点観測しつつ応援してきた人間の一人である。双方がシリーズ一新として大きく変化していく事が発表されて、「何も思わない」といえるほど情の薄い付き合い方はしてきていない。『プリパラ』は毎年夏冬開催のライブイベントには極力参加するようにしているし、アイカツシリーズも年度末開催が多いのでなかなか参加こそできないものの、ライブを収録した光る円盤は気分が落ち込んだ時に視聴するようにしている。
そういう人間であるので『アイカツスターズ!』から『アイカツフレンズ!』に移行する時の寂しさと同じぐらい『プリパラ』との別れは寂しいのだが、アイカツシリーズほど先行きに不安感を抱いているかというと全くもって不安をいだいていない。むしろこのタイミングで切り替えていく姿勢に「相変わらずの決断の良さ」を評価している、「いいぞ!お前なら出来る!出来る出来る出来る出来る!」と賞賛を贈りたいぐらいである。
なぜアイカツシリーズと違って未来に不安をいだいていないかというと、自分はプリティーリズムからプリパラへの移行を見届けているからだ。
プリティーリズムシリーズは「全年齢が対象」と監督を努めた菱田正和氏や脚本家陣が明言するほど万人に刺さる作品だった。一つのテーマに対して解釈がいくつも存在する。一つ一つの出来事を積み重ねることで人間的な成長を遂げていく少女達の姿を一年かけて濃密に描いている作品だった。そんな作品だから今でも多くの人に愛されているし、『KING OF PRISM』というスピンオフが誕生するきっかけになったと思っているが、そんなプリティーリズムシリーズから『プリパラ』へと移行するにあたって不安しかなかった。森脇真琴監督もシリーズ構成の土屋理敬氏も存じ上げているが、プリティーリズムのあの「テーマに対して本気で向き合っている」という部分に関してはどこまで引き継がれるのか不安で仕方がなかった。
しかし第一話を見てそうした気持ちは過去のものになった。
「大きな声」にコンプレックスを持つ真中らぁらが南みれぃと出会い、プリパラデビューする。
第一話の内容を要約すると本当にそれだけなのだが、第一話は何もかもが完璧過ぎた。
少女の夢をかなえるためのテーマパークとしてのプリパラ、なりたい自分への変身、そしてそこで出会った人々との友情。
プリティーリズムシリーズとは違って森脇真琴監督らしいコメディ要素の強い作風ではある。しかしコメディ要素も含め「この作品でこれから一年以上かけて見せていきたいもの」がこの一話の中に詰まっていた。プリティーリズムシリーズと同じぐらい「本気」の作品だと感じたのだ。不安感は一瞬で吹き飛んだ。
以降、友達を作ると機能停止するボーカルドールの残酷な運命やこの世界そのものが嫌になった少女の嘆きや、誰かが消えなければいけないシステムの無情さに涙を流し、友情を持ってそんな悲劇を乗り越える奇跡に感動してきた。プリティーリズムシリーズは終わっても、プリティーリズムシリーズの精神は間違いなく『プリパラ』にまで引き継がれてきたのである。まさしく「精神的後継作」の言葉通りだ。
プリティーリズムシリーズから見続けている自分は、そういう「プリパラもまたプリティーリズムシリーズと同じぐらい本気の作品だった」という光景をこの四年近く見続けてきた人間である。なので今回の『キラッとプリ☆チャン』でもそうした「本気さ」は受け継がれるものだと信じている。
『プリパラ』で存在していたローカルな面白さは「フォロチケ交換」という対面交換の面白さに限定される事と思うが、『キラッと プリ☆チャン』では新たに動画共有サイトやSNSのような、「一歩先を征くSF感」が存在している。メインターゲットである子供にとって身近なものを「現在よりも一歩先をゆく形で表現する」というのは個人的に大事なことだと思うが、『キラッと プリ☆チャン』にはそんな「一歩先の未来感」がある。端的に言えば夢がある。こういうのはとてもよいことだ。タカラトミーアーツの匙加減の絶妙さはこれまでの動きからしても信頼に値するものだが、新作でもそうした上手さを発揮してくれている。素晴らしい。

何にしてもである。具体的にどの方向へ進めるのかは分からないが、きっと『キラッとプリ☆チャン』も本気の作品になるだろう。
とてもとても楽しみだ。


『劇場版空の境界』について

『Fate/Grand Order』にて2016年に開催された『劇場版空の境界』コラボイベントが復刻されるという。
コラボイベントの復刻は権利周りの関係で自社コラボであっても復刻するのが難しいと思っていただけに、コラボイベントの復刻はとても嬉しい。与太話力こそ高いものの、原作者自らが書き下ろした事によるあのセリフの外連味の利かせ具合はこのコラボイベントの最大の魅力だと思っているので、未プレイの方には最後の最後までプレイしてほしい。
それはそれとしてである。今回コラボ(復刻ではあるが)することになった『劇場版空の境界』は本当に素晴らしい作品だ。短編連作の形で発表された原作小説『空の境界』はどちらかといえば「わかりにくい」作品で、なおかつ現在展開中の『Fate』シリーズほど王道エンターテイメントをしているわけではない。そのため「映像表現に落とし込む」というのは非常に難しい。ましてや本作はミニシアターで上映されたもので、視聴しにくるようなユーザーは完全に「ファン」である。求められるハードルは高いなどというものではない。事実「やるよ」と聞かされた時、自分の脳裏をよぎったのは「無謀」の二文字であった。第一章を視聴するまで「せめて看取ってやろう」と思っていたぐらいである。
ただいざ見てみると「完璧なまでに『空の境界』そのもの」であった。両儀式はぶっきらぼうで男性的な立ち振舞いの中に芯の強さと優雅さを思わせる主人公であったし、黒桐幹也はメインキャラクターの中でも限りなく一般人に近い交換が持てる男であったし、デザイン変更された蒼崎橙子は動いてみると「これしかない」と思えるほど蒼崎橙子であった。
そして原作から「何を描いて何を描かないのか」を含めた編集の技術も流石であった。特に第一章はもう真正面から打ちのめされるほどで反復表現によって黒桐幹也の異変を描いていたり、一切説明こそされないものの蒼崎橙子の「メガネのオン/オフで人格が変わる」という点も限りなく再現されていた。そして原作第一章はどちらかと言えば静的な印象を受ける作品であるのにも関わらず、あえてアグレッシブなアクションを挟んでくるアレンジの技術もパーフェクトだ。
端的に言えば文句のつけようがないほど『空の境界』で、そして『劇場版空の境界第一章』に相応しい作品だったのだが、以降のエピソードも本当に凄かった。
例えば『第三章 矛盾螺旋』は『空の境界』の中でも唯一と言っていいほど「王道伝奇活劇」で、かつ「真正面からの異能バトル」を描いているエピソードだが、同時に90年代伝奇物的な陰惨な描写が多い作品だった。その辺りを表現しなければ成立しない作品なので、どう描くのかが気になっていたが、ufotableはあえて真正面から描いた。そして殺人者として覚醒していく浅上藤乃を演じる能登麻美子の狂気的な演技といったら!「深窓の令嬢でありながら根は殺人者」という静かな狂気は能登麻美子の怪演っぷりも相成ってゾクゾクする。その辺りを昇華する両儀式対浅上藤乃も素晴らしい。「これってどういうこと?」を原作をよく噛み砕いて、「こういうことだと思います」と映像表現にしてくる当時のufotableは何かもう化物だと思っているのだが、『矛盾螺旋』はもっと凄かった。
『矛盾螺旋』は言ってしまえば一つの最終回とも言えるエピソードだ。
これまでの一連の事件の黒幕である荒耶宗蓮が登場しておおよその物語が完結を迎える(残る『忘却録音』は鮮花の話だし、『殺人考察』は両儀式と黒桐幹也の物語の最後なので、大きな謎はほぼこのエピソードで解決を見る)のだが、それだけに「やらなければならないこと」が多く、また同時に「『矛盾螺旋』と言う物語の肝を外してはいけない」と映像化するハードルが特に高かったように思う。だが、ufotableはやってくれた。
舞台となる小川マンションがごくごく普通のマンションであるのなら物語は成立しない。だから小川マンションの「違和感」を生み出し続けなければならない。そこまでは理屈として分かる。しかし実際にそれをやってこられるとぐうの根も出ない。小川マンションにいる時は情報酔いしそうなほど密度が高い空間を描き、それ以外の場所にいくとそうではなくなる。
気持ち悪さとそうではない瞬間のオン/オフで体験を積み上げ、それが螺旋が破壊される瞬間にカタルシスをもたらすあの映像はそうそう見れるものではない。あれを映画館で見れたことは一つの幸運だとすら思っている。極上の体験だった。

閑話休題。
今回の『劇場版空の境界』コラボイベントをきっかけに『空の境界』を知る人もいることだろう。
イベント終了後でもいいし、何か暇なタイミングが生まれた時でもいいので『劇場版空の境界』、『劇場版空の境界』を見てほしい。
見やすいのは第一章と第三章辺りだ! ところでクレイアニメの出来が良かったのに、最近のufotableにはそういう要素がなくて寂しい限り。そろそろ復活させてほしい。



Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

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    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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