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『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』シンフォギアらしさを演出として突き詰めたスマホゲーム

歌と変身ヒロインを組み合わせたものを『ワイルドアームズ』シリーズの金子彰史が一兆度で熱した事で誕生した『戦記絶唱シンフォギア』。2012年7月の第一作放送開始するや否や適合者達から絶大な支持を集め、ライブ公演なども定期的に行われている人気シリーズだ。現在第四期シリーズとなる『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』が放送中だが、そんな『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』に先駆けるように、2017年6月26日に配信開始されたのがスマートフォン専用ゲーム『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』だ。
「第一期『戦記絶唱シンフォギア』から第三期『戦姫絶唱シンフォギアGX』までのシナリオを総復習。現在放送中の第四期シリーズに至るまでの物語を展開するッ!」というシンフォギアシリーズ全てを包括するようなコンセプトのゲームになっているのだが、シンフォギアシリーズのスマートフォン専用ゲームとしては、先行事例としてハピネット開発の『リズムバトル 戦姫絶唱シンフォギア スケルツァンド』がある。もっとも『スケルツァンド』はシンフォギアシリーズの各種音楽をメインに据えたリズムゲーム要素の強いアクションゲームであり、本作はシンフォギア奏者を育成/強化しながら物語を読み進めていくRPG要素の強いゲームであるため、先行事例との差別化には成功していると言ってもいいだろう。ポケラボが同時期にリリースしたタイトルとは違い、プレイそのものが困難になるような目立った大穴もなく、超快適とは言えないものの楽しくプレイできる作品である。
個人的にこの作品で見逃せないのは「シンフォギアらしさ」の追求だ。
「シンフォギア」という作品自体が濃度の高い作品であるため「らしさ」についても一言で表現するのが難しいが、その「らしさ」の一つとして「歌いながら戦う」という事があるように思う。元々は「歌う事でパワーアップする」という設定だったものを初代監督である伊藤達文が勘違いをした事で「歌いながら戦う」という設定に変更されたようなのだが、結果としてこの設定が「シンフォギア」というシリーズの方向性を決定づけたように思う。アクションで力むところは歌でも力み、声を重ねる事で合体技へと昇華される。この演出こそがシンフォギアシリーズの「らしさ」だと思うのだ。
このシンフォギアシリーズらしさを表現するために本作がとった方法は「戦闘中は出撃したシンフォギア奏者達のキャラクターソングをBGMの代わりに流す」という事だった。もちろん「歌いながら戦う」という設定を活かす以上、単に「キャラクターソングが流れている」だけではない。「短時間の間、固有の効果が発生する」というバフ効果を兼ねることで、シンフォニックゲインの高まりまで表現しているのがなかなか面白い。キャラクターソングも各奏者一種類だけということはなく数種類用意されているため、気分や編成に合わせて付け替えてもいい。シンフォギアらしさの溢れたよいシステムだ。
また各種演出もシンフォギアらしいものばかりで適合者には嬉しい。
「歌いながら戦う」という設定上、凝った名前の必殺技があっても叫ぶ事が出来ない問題を解決するべく存在する必殺技の演出も以下の画像の通りほぼアニメそのままだ。どのシンフォギア奏者にもこうした凝った演出のカードがあるため集めたくなる魅力がある。

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だが、個人的に最高なのは「ガチャでの☆5確定演出」である。
「最高レアリティが出現した時だけ特別な演出が入る」というのは全く珍しくないが、『シンフォギアXD』の場合は司令官である風鳴弦十郎が叫ぶ!驚く!
戦闘面では作中における最強の人物でありながら、実際の描写ではどちらかと言えば驚きと感心をもって相手の強大さを演出する人物である司令の叫ぶ演出は、星5の確定演出としては最高だ。わざわざ「ガングニールだと!?」のような特定のカードに対する台詞まで用意している辺り、本当によく分かっているように思う。ただこの演出を見ることなく引いてしまう事もあるため、そこだけが残念でならない。引けたときは確定で流してくれていいぐらいだ。
残念と言えば「育成するための素材が手に入りにくい」「属性相性が極めて重要なゲームであるにも関わらず、属性相性がイマイチ分かりにくい」「レベルキャップを解放するための条件が『レベルが上限いっぱいまで上がっている』」という点はもうちょっと考慮してくれてもいいように思う。特に「レベルキャップの解放」はどのみち同名カードを重ねなければならない以上、レベル1からでも重ねられるようにしてもよいのではないか。オートバトルを初期から実装している点は良いところなだけに実に惜しい……。

何にしても本作はシンフォギアシリーズから派生した作品としてあまりにもシンフォギアをしている。出来れば第五期シリーズまで続いてほしいなぁ、と願う次第である。

『Fate/Grand Order』エルドラドのバーサーカーは可愛いという話

唐突だが、エルドラドのバーサーカーの話をしよう。そう、あの地底世界アガルタでアマゾネス達を率いて暴れまわっていたあの女王の話だ。
彼女を引いたのは不夜城のアサシンチャレンジに励んでいた時の事だった。「新しいサーヴァントが登場したらとりあえず回しておく」という流儀に従い、不夜城のキャスターをとりあえず引いた後に出てきた彼女は、今年登場したバーサーカー達――存在自体が与太話の謎のヒロインXオルタやマスターにまで局注法度を強い、戦う事を諦めた瞬間に「士道不覚悟」の名目で粛清してくる土方歳三、ノッブの姪だけあって与太話のレベルも狂気級の茶々――と比べればあまりにも可憐で、そして普通の姿をしていた。
背の丈は158cmほど。取り立てて背が低いわけではないのにも関わらず彼女を可憐な印象にしているのは、その華奢な体格にある。
下半身の肉つきや腰の構造、そしてその細腕から考えると。おそらく彼女が「肉体の全盛期」として設定したのは少女というにも早すぎるほど幼い年頃なのだろう。成長後の姿が美しすぎたがために敵勢力の勇者に嘗められた過去を持つ彼女である。最盛期として設定したのが「女性としての成長が始まる前」というのは納得がいく。いくのだがそれにしても華奢である。体格だけ見れば「本当にバーサーカーなのか?」と疑ってしまうほど小さく細い体格である。
しかしながら実際に戦場に出してみると彼女は紛れもなくバーサーカーで、華奢な体格もあってどのサーヴァントよりもパワフルな印象を残す戦士であった。割れてこそいないものの鍛え上げられた鋼鉄の腹筋に、一気に間合いに踏み込めてしまうほどの跳躍力を感じさせるその太腿。その鍛え上げられた肉体で無数の棘に覆われた人の頭ほどもある鉄球を操り、重々しい音を立てて相手の頭蓋を叩き割る。鉄球無しでも己の肉体全てを凶器に変えて食らいついていく姿は狂戦士そのものであり、ファンタジックな力などなくとも肉体一つで眼前に立つ者達を蹂躙する。華奢な体格も相成って惚れ惚れする戦いっぷりである。最高かよ。
再臨していくと変化していく装備も素晴らしい。第一段階では鉄球以外に何もなかったが、二段階目では手甲が鉤爪の生えたものへと変更され、腰回りには飾り布が備え付けられており、「アマゾネスの女王」という性質が強化されている。宝具が武器すらも殴り捨てて食らいつくものなので、鉤爪の追加で宝具時の動きに猛獣さ加減が加わってとても良い。
そして三段階目だが、腰回りにさらに装備が増えて重装備化。二振りの剣が腰に装備され、戦闘中にも剣を振り回すようになってくれた。今までの武器がおおよそ人間の使うものとは思えないバカげたものだったので、この武器は素直に嬉しい。投げてくれても構わなかったのだが、そこは「獲物を手放すわけにはいかない」ということか。何にしても暴力的である。さっきまで生命だったものも辺り一面に転がるぐらいの暴れっぷりだが、個人的に一番殺意を感じるのは伸びた髪に結ばれたリボンである。
あれほどまで「自分に美しさを見出すな」と口にしておきながら、この女王が最後に持ってきたのは思いっきり美しさを際立たせるリボンなのだ。それもその白髪にも映える青系統をベースカラーにしたものを!
これは大変よろしくない。「腰の骨格的に明らかに第二次性徴を迎えてないよね」とか「胸下辺りから腰ぐらいにかけての腹筋のライン、無駄な脂肪をそぎ落としながらも実用性のある筋肉をつけてる感じでフェティシズムを感じるたまらないラインをしてるよね」とかそんなことは些細な事である。美しすぎるがために相手に嘗められ、聖杯にも再戦を望んだアマゾネスが! 最後に選んだ姿に! 可愛いアイテムを選択する!とか卑怯である。ずるすぎるのである。これで声が『Go!プリンセスプリキュア』のキュアフローラや『Gのレコンギスタ』の姫様を演じた嶋村侑なのがまた。凛とした中に可愛さを込められる人なのでもう……。可愛い。

性能面についてはそこまで重要ではないのでここまで全部無視してきたが、最後に申し訳程度に性能面の話をしておくと「殴れるバッファー」「バフも出来るアタッカー」とでもいうべき性能になっている。オジマンディアスと同等のカリスマと効果時間3ターンの軽度の全体バスターアップと、戦士としての彼女を侮辱した英雄にちなんでギリシャ神話にルーツを持つ男性サーヴァントに対する強力な特攻を併せた軍神咆哮は自身だけでなく他の仲間の攻撃力を引き上げるのに役に立つ。ギリシャ神話男性特攻は効果範囲こそ狭いがその分倍率は高めに設定されている。今後実装されるだろうアキレウスやケイローンを殴り殺すのに役に立つ。
そして黄金律(美)だが、バーサーカーであるため劣悪なNP効率を完全に補いうる強力な性能となっている。即効性こそないが、バーサーカーでNP効率が補われるのは強力だと言わざるを得ない。防御に使えるスキルはないのでサポートは必要だが、引けたのならばメイン火力として十分に機能してくれるはずだ。あと可愛いし。

アガルタの女と同時に登場したサーヴァント達はどれも素晴らしく甲乙つけがたい魅力があるが、その中でもちょっと特殊な名前を与えられた彼女はその特殊さ通りの面白いサーヴァントなのでこれからもガンガン使っていきたい。ところで『仮面ライダーアマゾンズ』好きの元によくやってくるという話は本当でしょうか? 自分の周囲で『アマゾンズ』見ていた人達は大体引いてるんですけど……。

『ウルトラマンジード』とんでもないものの始まりを予感させる一話

「とんでもないものが始まってしまった」。それが『ウルトラマンジード』の一話を見た最初の印象である。
ここ数年のウルトラマンは過去の資産を活用した挑戦が光る意欲的な作品が多い。「つながる力」をテーマにウルトラマンと人間がバディとして戦い、怪獣と共に共存できる世界を目指した『ウルトラマンエックス』や二人のウルトラマンの力を借りる事で変身し、闇を克服するのではなく受け入れることで一つ成長を遂げる『ウルトラマンオーブ』などが記憶に新しいが、『ウルトラマンジード』はそんな意欲作ばかりの昨今のウルトラシリーズの中でも予想外の切り口で攻めてきたとんでもない作品だった。
というのも、本作の主役となるウルトラマンジードは裂けるように吊り上がった目が特徴的な、シリーズ初の「悪のウルトラマン」であるウルトラマンベリアルの息子だったからである。

『ウルトラマンジード』の一話はこうだ。
舞台は「かつて発生した宇宙規模の大爆発「クライシスインパクト」がウルトラマンベリアルにより引き起こされたのではないか」という都市伝説が広まる地球。地球人離れした身体能力とヒーローへの憧れを持つ「朝倉リク」は謎の巨大怪獣が街を破壊したその日、地下秘密基地を発見する。その地下基地の報告管理システム「レム」から自分にはあの怪獣を止めるほどの力を持つ特別な存在であることを知らされたリクは、彼女から託されたジードライザーの力で本来の姿「ウルトラマンジード」へと変身。巨大怪獣を退けることに成功するのだが、同時に自分がウルトラマンベリアルの息子であることを知ってしまうのだった。
一話としては若干薄味ではあるが、リクとリクの相棒的キャラクターとして登場するペガッサ星人のペガに話の焦点を絞り切り、物語に入るための主要な要素を押さえた展開がなされている。本作の監督を務める坂本浩一の持ち味とも言える外連味のあるアクションやインパクトのある画面作り、そしてシリーズとしても相当久しぶりな気がするプールを使った泥臭い戦闘なども格好良く、一話としては内容面では申し分ないのだが、リク=ジード=ウルトラマンベリアルの息子というところに不安感を抱かせるためにホラーやサスペンスのような、不安な印象を残す一話になっているのが面白い。
例えば「アイスクリームがなぜか一個だけ溶けている」という現象や、巨大怪獣によって無惨に破壊されていく街を横目に見ながら避難場所に向かうべく足を動かす人々、ジードの変身シーンに差し込まれるベリアルの影に初登場にもかかわらず全くヒーロー然としていない立ち姿、そして一話全体で暗い/不安な印象を残す色彩で統一された画面などなど、「今回のウルトラマンはヒーローとして期待していいのか?本当に応援していいのか?」という気持ちにさせる要素が数多く散りばめられている。
そうした不安感は当然作中の一般民衆達も抱いているようで、街を破壊しようとする巨大怪獣との戦闘を開始したウルトラマンジードを見守る人々は「応援していいものか」と不安を抱いた表情で見つめている。ベリアルと似たつり目をしたウルトラマンである。その反応は当たり前の事ではあるが、その当たり前の事をきちんと描いてくれたことが嬉しい。この作中の人物たちと共有した不安感のおかげでこの世界におけるウルトラマンジードの立ち位置と背負う物語がきちんと定まった印象だ。一話で演出した不安感がどこで裏返り、ウルトラマンジードを応援できるウルトラマンにしてくれるのだろうか。
終着地点が気になるところだが、気になると言えばウルトラマンベリアルである。
2009年の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にて初登場以来、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』や『ウルトラマン列伝』などの活躍により悪の権化でありながらファンからも妙に愛される存在となっていたベリアルだが、『ウルトラマンジード』では秘密基地をジード=リクに譲るなど真意がいまいち読めない存在になっている。『ウルトラマンジード』の作中では現在行方不明の身であるが、仮に「息子を心配して」ということなのだとすれば、ここにウルトラマンベリアルのこれまでとは違った一面――つまり「息子には意外と優しい」という一面を見出すことが出来る。
登場以来「悪のウルトラマン」という点は守り続け、悪の化身としてふるまってきたウルトラマンベリアルが、もし自身の息子には結構甘い性格だとしたら……それはもうウルトラマンベリアルのカリスマ性がまた強化されてしまうというしかないのではないか。だとすればちょっと面白すぎるのではないか。ダークネスファイブがジードを勧誘する話とか滅茶苦茶見たいので頼みます。

何にしても『ウルトラマンジード』。一話からして飛ばしているので是非とも見てほしい。
シリーズ構成が乙一なので、先が全く見えないぞ!


Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

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    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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